日本陸軍 戦闘帽・中期型 (複製品)

日本陸軍の戦闘帽、いわゆる「略帽」です。

今回ブログで取り上げるのは、個人製作の複製品になります。

 

 

略帽は生産時期によって軍服に準じた素材・色味の変遷がありますが、こちらは黄色みの強いカーキ色です。

 

 

サイズ調整は紐で行います。

他社製品では細い紐が使わる事の多い部分ですが、実物同様平紐が用いられており再現度が高いです。

 

 

戦闘帽の内側も忠実に複製されています。

汗止めは革製で、内張は麻製です。

 

 

検印やタグ・スタンプも再現されており、好印象です。

麻製の内張は実物同様に取り外して洗濯することが出来ます。(再度、自分で縫い付ける必要はあります)

 

 

戦闘帽の側面形状です。

いわゆる“略帽”らしさが良く再現されており、これぞ日本軍という印象です。

 

 

戦闘帽のフチには、かがり糸が縫い付けてあり、「略帽垂布(帽垂れ)」を取り付ける際に、コハゼを通すように作られています。

 

 

顎紐も実物に準じた作りで、緑褐色仕上げの革製です。

顎紐は基本的に革製ですが、その色味・仕上げには、「茶褐色」、「黒色」、「生成り」等、いくつもの種類があったようです。

 

 

戦闘帽正面には、羅紗製の星章が縫い付けられています。

実物だと虫食いで破損・欠損している個体も多いので、実用の観点からも高品質の複製品は作って頂ける事自体、大変ありがたいです。

 

 

戦闘帽のつばは、他社製品では硬い芯を入れてしっかり作られている物が多い印象ですが、こちらは帽体に近いくらいに柔らかいです。

もともと、鉄帽のインナーとしての使用が前提の設計なので、これで正解なのですね。

 

 

帽子内側の汗止め鉢巻き部分は柔らかい革製で被り心地も良好です。

 

 

帽体には通気孔が設けてあります。

将校用では鳩目金具が使われていたり、海軍陸戦隊用には通気孔自体が無かったり、様々なバリエーションがあります。

 

 

参考までに、手元にある中田商店製略帽との比較です。

 

 

どちらもクオリティは高いです。

質感としては、中田商店製は「硬め」、個人製作品は「柔らか」な印象です。

 

 

略帽のサイズ調節紐は両者で異なり、中田商店製は板紐ではありません。

 

 

中田商店の略帽は、実物生地を使用した複製品で、後期型を再現したものなので、当然ながら色調は異なります。

 

 

実際に着帽した状態です。

比較的初期のカーキ色戦闘帽と、大戦後期の三式冬衣との組み合わせなので、色の違いが目立ってしまいました。

 

 

略帽の複製品はそれこそピンからキリまで数多く流通していますが、中でもこのアイテムは実物再現度の高い精密複製品です。

その分、他社製品と比べると価格は高め、と言っても数千円の差なので、満足度では最上位のアイテムです。

 

 

自衛隊式に言うとヘルメットの中帽のように使われる為、フィット感もあり、つば付きの形状も使いやすく便利です。

一回り小さいサイズが適正だったようで、深くかぶり過ぎてしまいました。

本来であれば、帽子のフチと耳の間は指二本分程度離して、帽子も水平に近く被ると格好良く着こなせます。

 

 

帽子の後端の紐でサイズの微調整が行えます。

ちょっとサイズに余裕があったようで、油断していると“あみだ被り”になりがちです。

 

 

顎紐ももちろん機能します。

顎紐を使うと精悍さや緊張感が増し、個人的には憲兵の印象が強いです。

個人的に顎紐で真っ先にイメージされるのは、東宝映画「日本のいちばん長い日」で、天本英世演ずるところの「横浜警備隊長 佐々木大尉」ですね。

 

 

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