モーゼルC96拳銃用の革製ホルスターです。
画像は複製品で、第二次世界大戦前後に中国大陸で使用されていたモデルです。
形状は戦時中の革製ホルスターのスタンダードな仕様で、肩から下げるための負い革が取り付けてあります。
このタイプのホルスターは複数のメーカーから販売されており、中国の抗日戦争ドラマでもよく見かける物ですが、戦時中の実用例は印象にないので、少し曖昧な立ち位置のアイテムでもあります。
ホルスターの正面形状です。
各部の蓋に金属製のドットボタンを多用しているのが特徴です。
ホルスターの背面形状です。
肩から下げるための負い革が付属しているほか、ベルトループも設けてあります。
ホルスター正面に設けてある長方形のポーチは、一見すると予備マガジン入れに見えますが、クリップ留めされた拳銃弾を収納する為の物です。
ポーチ内部に革紐が縫い付けてあり、引っ張る事で弾薬クリップがせり出すように作られています。
ベルトループは形状が工夫されており、ちょっとおしゃれな印象です。
ループ自体にはあまり隙間が無く、軍用の革ベルトを無理に通すと縫い糸が切れる恐れがあるので、使わないほうが無難でしょう。
モーゼル拳銃の細い銃身に合わせて、ホルスターも箱型の先端が円柱状に成型されており、独特のデザインが面白いです。
拳銃ホルスターとしてはあまり見かけない、角ばったデザインが異色です。
どちらかというと、弾薬盒や革製の旧型背嚢のような印象を受けます。
先端は丸く成形され、綺麗に縫製されています。
グリップは外部に露出する作りなので、空の状態ではぽっかり穴が開いたように見えます。
蓋を留めるドットボタンは二か所あり、扱いやすいです。
トイガンを収納した際にドットボタンを押して留める為、銃に傷が付く可能性は否定できません。
ホルスター開口部は広く、拳銃の取り出しは容易です。
モーゼル拳銃を収納した状態です。
負い革の仕上げはあまり上等とは言えませんね。
金具は日本軍の物に似ており、真鍮製です。
着装例では、兵士個人が鹵獲した戦利品や、銃砲店で自費購入した私物を使用する日本陸軍の兵士を再現してみました。
日本陸軍では下士官兵に職務上必要な場合に官給品として拳銃を支給していましたが、軍隊経験の長い“古兵”ともなると、私物として自前の拳銃を持つ者も稀に居たようです。
このような個人の勝手は内地では許される筈もない行為ですが、常在戦場の中国大陸では黙認されていた所もあるようで、複数の戦記本で私物拳銃の記述を読んだことがあります。
ドットボタン留めの蓋は開閉が容易で、使用感は悪くないです。
モーゼル拳銃は大柄なので存在感は抜群ですが、その分取り回しが悪い印象もあります。
とはいえ、かさばるという意味では、官給品の「十四年式拳銃嚢」よりはまだマシなほうではあります。
モーゼル拳銃自体はドイツ製ですが、個人的な印象としては中国大陸で用いられた事もあり、“亜細亜”のイメージが強いです。
戦時中の射撃スタイルとしてはオーソドックスな片手撃ち姿勢です。
基本的に拳銃は片手で撃つのが常識の時代でしたので、トイガンで忠実に再現すると、当然ながら命中精度は落ちます。
特にモーゼル拳銃は独特の丸くて細身のブルーム型グリップが影響して、スッと構えたときに銃口がぶれる感じがあります。
より安定した射撃が期待できる両手撃ちの姿勢です。
右手首を左手で握る、時代感あふれるレトロなスタイルですが、これでも割と安定します。
画像で使用しているのはマルシン製のブローバックガスガン「モーゼルM712」です。
マルシンのモーゼル拳銃は只でさえ作動の安定しないモデルなので、冬衣の似合う季節ではマトモに稼働しないので、ただのカッコつけですね…w
【商品紹介】