日本軍のスリングベルト ~ 小銃負革 (海外製&中田商店製・複製品)

今回は、日本軍小銃用スリングベルトの複製品を2点紹介します。

日本軍のスリングベルトは、一般に「負革」と表現されます。

ちょっと曖昧なのが読み方で、人によって「おいかく」「ふかく」など幅があります。

軍隊での正確な呼称が気になるところです。

 

 

日本軍の小銃負革には、大別して三八式用と、より幅の広い九九式用がありますが、とりあえず三八式用を購入すれば、どちらにも使えます。

また、戦争が長期化すると資源節約の為、ゴム引幌布製やコットン製も製造されました。

 

 

現在最も安定して入手し易いものは、モデルガンメーカー・タナカ製のスリングベルトですが、これは後述する中田商店製と同じく、実物とちょっと形状が異なります。

 

 

ありがたい事に、最近は主にネットオークションで、海外製の忠実複製品が出品されていますので、考証に拘る方には、そちらを物色してみるのをお薦めします。

 

 

画像のものはネットオークションで入手した海外製品です。

一口に海外製といっても、価格・形状など様々なので、あらかじめ実物の形状などの知識を得た上で良いものを物色するのがポイントですね。(アメリカ製の実銃用レプリカ等には、形状が全く異なる物もあるので)

その点、私の入手したアイテムは、「当たり」でした。

 

 

スリングの前部端末は、スリングスイベルに通して折り曲げ、革の切れ込みにつづみ釦をはめて固定します。

革の厚みと硬さがきつく、つづみ釦を通すのは一苦労ですが、そのぶん一旦装着してしまえばまず外れる事はありません。

 

 

スリングの後部にはバックルがあり、サイズを調整する事ができます。

野戦においては、あらかじめ最適位置に調整しておくのが基本。

必要に応じて微調整するには少し面倒な構造です。

 

 

日本軍の小銃負革の特徴として、スリングの末端を折り曲げるのみで、特に縫い付けやボタン止めなどで固定しない事があげられます。

はじめにこの構造を知った時には割と驚いたものですが、バックルによる固定と負革自体に適度に摩擦圧力がかかるので外れる事はありません。

なかなかによくできた造りだと思いますが、過去多くの複製品ではこの部分を忠実に再現していませんでした。

 

 

一方、こちらは中田商店製の複製品です。

今を遡ること10数年前、まだ中田商店の複製日本軍装品が豊富にラインナップされていた頃に購入したものです。(中田商店も、今では絶版品が多くて…涙)

 

 

画像の負革は、手頃な価格と、他に選択肢がない状況から、何の疑問もなく購入し愛用していました。(実物と形状が異なる事を知ったのは後の事です)

 

 

中田商店製負革も、前部はつづみボタンで固定します。

ボタンは真鍮製で、エッジが立ってかくばっており、特に硬質な印象を受けます。

 

 

実物や忠実複製品と異なり、ベルト端末はがっちり縫製されています。

正確ではありませんが、結果的に使い勝手は良かったりします。(銃への脱着はこちらのほうが楽です)

とはいえ、形が違うのを知ってしまった以上、気になってしようがないので、現在は海外製に取り替えてしまいました。

 

 

游環は2箇所あり、折り返し部分の遊び部分を極力抑えるようにしてあります。

このあたりも、忠実複製品より便利な部分です。

 

 

形状が正確ではないため取り替えてしまったこの負革ですが、手入れをしながら長く愛用していた分、革の質感は抜群に良い風合いになっております。

 

 

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