ソ連伝統の 「キルザチー」 ~ ソ連軍 徴収兵用ブーツ (実物)

ソ連軍の「下士官兵用長靴」です。

ソビエト・ロシアでは「キルザチー」と呼ばれていました。

 

 

ソ連軍長靴の特徴として、胴の部分は「キルザ」と呼ばれる人造皮革で作られています。

キルザはコットン・キャンバス生地を塗料でコーティング加工した素材で、第二次世界大戦当時から戦後冷戦時代全期を通して利用されており、1994年に編上靴に更新されるまで使用されていました。

 

 

ソ連軍ではキルザチーが支給されるのは徴集兵(徴兵検査で集められた、いわゆる「一般兵」)だけで、将校や下士官等の職業軍人は総革製の長靴を履いていたそうです。

 

 

長靴の履き口に綿製のベロが縫い付けられており、脱ぎ着し易くなっています。

 

 

内側にはスタンプが押印されていますが、資料がないため意味は読み取れません。

 

 

靴底は滑り止めモールドされたゴム製です。

 

 

単に黒革ブーツと言うだけなら東ドイツ軍の官給ジャックブーツでも代用できそうな気がしますが、ソ連軍のブーツは丈が長いので並べてみると違和感を感じてしまいます。

 

 

現在ではソ連邦時代の官給長靴は希少価値が上がってきているので、程度が良くて自分のサイズに合う物を入手するには手間と予算がかさむようになってきました。

その代わり、中国人民解放軍の戦車兵用長靴や儀仗兵用長靴が、ソ連製とほぼ同型なので代用品にオススメです。

 

 

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