中国人民解放軍 歩兵装備 [中越国境紛争]

中越国境紛争当時の中国人民解放軍装備です。

画像は偵察部隊の装備で「81式迷彩服」を着用しています。

 

 

81式迷彩服は、主に特戦部隊や偵察隊に優先的に支給されたましたが、その迷彩効果の高さは数々の特殊任務において証明されました。

 

 

偵察部隊では情報収集任務でフードを被った軽装で物陰に潜伏し、ベトナム人民軍兵士を襲撃して生け捕りにしたり、主力部隊の進撃に先立ち、各種消音銃を用いて敵歩哨線を無力化する等の特殊任務を得意としていました。

 

 

画像は班用機関銃(分隊支援火器)を装備した人民解放軍歩兵です。

1979年におきた中越戦争によって中国とベトナムの関係は完全に悪化、戦後も中越国境の山岳地帯において小競り合いが延々と続きました。

 

 

特に1984年には中越国境の高地を中国人民解放軍が奪取、これを奪還しようとしたベトナム人民軍との間に大規模な高地戦が起き、4月・6月・7月の三次に渡る軍事衝突が発生しました。

この戦いは、中国側では「両山戦役」と呼ばれ、同占領地域を守りきった事から中国国内では勝ち戦としておおいに宣伝されました。

 

 

ちなみに、中国側では中越戦争から国境紛争期までをひっくるめて、「対越自衛反撃戦」と呼称しています。

古くは1962年のインドとの国境紛争を「対印自衛反撃戦」と呼び、1969年のソ連との軍事衝突を「対蘇自衛反撃戦」と呼んでいる事からも、中国の外国に対する政治姿勢が見て取れます。

 

 

最終的に1989年に両国間で国境が策定され、「手打ち」という事で紛争状態は集結しますが、この10年の間に人民解放軍は貴重な実戦経験を積んだわけです。

 

 

81式迷彩服を着た一般的な小銃手です。

暑い地域といえ、山岳地帯では冷え込む為か、迷彩服や軍服の中に防寒用のジャージ等を着込んでいる姿が良く見られます。

 

 

背中には荷物を一杯に詰め込んだ「78式背嚢」を背負っています。

この背嚢も、1980年代に普及した新装備のひとつです。

 

 

移動中の人民解放軍偵察部隊です。

中越国境紛争は高地の取り合いの様相を呈していたため、陣地に篭城しての長期戦でしたが、作戦によっては攻勢を仕掛ける事もありました。

 

 

洞窟陣地越しに索敵する人民解放軍兵士です。

ジャージを羽織っただけの、ラフな格好です。

 

 

当時の映像資料を見ていると長期的な山篭りということもあってか、各兵士とも服装はかなりだらしなくなっており、ベトナム戦争やアフガニスタン紛争の兵士の様子を思い起こさせます。

また、「67式木柄手榴弾」や「77-1式木柄手榴弾」等が大量に配備されており、当時の映像を見ると、高地陣地の土嚢の上に手榴弾を大量に並べて、崖下に向けて定期的にぽんぽん投げ込んでいたりします。

 

 

「56-1式小銃(中国製AKS-47)」を射撃中の人民解放軍兵士です。

中越戦争ではあまり見られなかったスチールヘルメットも全軍に普及しており、「GK-80Aヘルメット」をそのまま、あるいは迷彩ヘルメット・カバーを付けて使用している姿が良く見られます。

 

 

中越戦争当時は人民解放軍兵士の8割が「56式半自動小銃(中国製SKS)」を装備しており、「56式小銃(中国製AK-47)」はわずかに班長クラスが装備するのみで、ベトナム人民軍との火力差が明白でしたが、1980年代には急速に近代化が進められ、前線には増産された56式小銃や、新型の81式小銃が配備されていました。

 

 

56式小銃は木製ストックとスパイクバヨネットが良く知られる特徴ですが、バヨネットが無く、折畳ストックの56-1式小銃も多数が混用されています。

 

 

「79式狙撃銃(中国製SVDドラグノフ狙撃銃)」を担いで移動する狙撃手です。

 

 

定期的な補給の望めない長距離偵察部隊は、荷物を詰め込んだ背嚢を背負い、銃を担いでの移動は記録映像の中でもいかにも辛そうに見えます。

 

 

リバーシブル式である81式迷彩服の、裏面迷彩を着用した狙撃手です。

潜伏前の状態で、迷彩服と銃以外の装備を外して身軽になっています。

 

 

フードを被ると、全身が迷彩に覆われる事がよくわかります。

 

 

裏面迷彩柄は枯れ草地帯のような茶系の地形に良く溶け込む迷彩柄です。

 

 

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