中国人民解放軍で長らく使用されていた「解放靴」、いわゆるズック靴です。
今回紹介する物は、解放靴の中でも初期に生産された「55式解放靴」です。
このタイプのズック靴の採用時期は、調べた限りでは「50式軍服」からのようです。
ただし、その時点ではまだ抗日戦争以来の伝統的な「布靴」が主力だったようです。
現在流通している物は「65式解放靴」と呼ばれており幌布とゴム底部分が緑色の物ですが、「55式」は土黄色の幌布と黒い成形色のゴム底で作られています。
靴紐を外して構造を見て見ます。
現在作られている民生品と、形状の違いはありません。
靴の内部は白無地綿製で、タグ・スタンプが押印されています。
靴底は、全体にゴムの素材色と思われる黒色をしています。
かかと部分です。
購入した物は中古品でしたが、状態は悪くないです。
ただ、作りは簡素な為、使い込むのはもったいなく感じてしまいます。
靴紐の端は、ブリキでカシメてあります。
ここは製造時期の古さを感じさせる作りです。
製造時期の新しい「65式解放靴」と比較してみました。
解放靴の形状自体は全く同じと言って良いようです。
一番の違いは色が土黄色(カーキ)から、軍緑色(グリーン)へ変更された点です。
靴底はどちらも黒色ゴム製で、日本の地下足袋のようなトレッドパターンも同じ形状です。
並べてみると、本当に違いは色だけのようです。
ただし、古いアイテムだけに希少価値が高いようで、流通価格には5~6倍の差がありました。