東ドイツ軍 レインドロップ迷彩・個人装備 [1970~1980年代]

東ドイツ軍こと「国家人民軍 陸軍歩兵」の個人装備です。

特徴的なレインドロップ迷彩のこの装備は、東西ドイツ統一により国家人民軍が消滅した後、ミリタリーマーケットに大量に流出しました。

 

 

大昔の話になりますが、東京上野アメ横の中田商店を筆頭に、新品未使用の東ドイツ軍装備が大量に、しかも格安で売られていたものです。

当時、東ドイツ軍についてろくに知らないまま、値段に釣られて買い漁っていた物ですが、現在ではめぼしいアイテムは枯渇してきており、「いよいよ東ドイツ軍装備もコレクターズアイテムになったのか」と感慨にふけったりして…。

 

 

画像の迷彩服は1970~1980年代に普及していたタイプで、両胸にフラップ付きのポケット、腰に斜めの切れ込みポケットがあり、両袖にフラップ付き小ポケットがあります。

階級章は肩章式で、襟にはボタン脱着式の襟布を取り付けてあります。

 

 

迷彩服のズボンの側面にはジャケットと同様、フラップ付きのポケットがあります。

画像はありませんが、ズボンはサスペンダーで吊っています。(ズボンにはベルトループがありません)

ズボンの裾はボタン留め式になっています。

東ドイツ軍独特の着こなしの特徴として、ズボンの裾をブーツの中にたくしこまずに、ブーツの外側でボタン留めしています。

 

 

帽子は薄手のグレーウール製の略帽を被っています。

サープラス界隈ではレインドロップ迷彩フィールドキャップ(ツバ付き帽子)が流通していますが、あの帽子は新型のUTV装備で、殆どの一般兵士は迷彩服にグレー略帽の着こなしで過ごしていました。

 

 

東ドイツ軍の迷彩服は肩章で階級を表します。

迷彩服には、迷彩効果を考慮した野戦用肩章を取り付けます。

 

 

迷彩服の肩には肩章取り付け用のループとボタンホールがあります。

 

 

デザインは第二次世界大戦以来の伝統的ドイツ軍スタイルで、構造も殆ど同じですがボタンの留め方は少々異なり、野戦服の2つ穴に紐を通して裏で結んで固定します。

洗濯の際に簡単に取り外せるので便利です。

 

 

迷彩服の内側には、「マカロフPM」などの中型拳銃を収納出来るポケットが設けられています。

一見機能的ですが、実際にトイガンを入れてみると厚みが装備に干渉するし、ゴツゴツして不快感があります。

 

 

迷彩服の下には、Uネック長袖シャツとズボン下を着用しています。

素材は伸縮性のある白色綿製で、ウエストにはゴムが入れてあります。

 

 

外見は昔ながらの紳士用下着そのものですが、れっきとした東ドイツ製軍用品です。

 

 

相当数が市場に流出したらしく、現在でもカラフルに染色した物が普通のファッショングッズとして、ネットショップで安価で販売されています。

 

 

1970~1980年代に見られる、グレーナイロン製装備です。

画像は、「コンバットパック」と通称される背嚢にポンチョを縛着した物を背負った状態です。

 

 

1950年代には第二次世界大戦以来の黒革製ベルトや装備サスペンダーが使われていましたが、やがて新素材のナイロン製が普及していきました。

 

 

この時期のガスマスクバッグは、ビニール質の布で縫製されており、独特の灰緑色が特徴的です。

 

 

国家人民軍歩兵分隊の軽機関銃手装備です。

手にしているのは「RPK軽機関銃」で、専用のスチール製40連マガジンを装着しています。

腰には防水ゴム引布製のガスマスクバッグをたすき掛けしています。

本来であれば、腰のマガジンポーチは縦に長い40連マガジン専用の物があるのですが、調達出来なかった為、一般兵士の持つMPi-K用マガジンポーチで代用しています。

襟は第1ボタンまで留めていますが、訓練映像では開襟状態での着用もよく見られます。

 

 

背中には、「コンバットパック」と呼ばれる背嚢を背負っています。

コンバットパックの外周に、ビニールコーティングされたコットンストラップを使い、ポンチョを括りつけています。

コンバットパックは東ドイツ軍らしさを演出する魅力的なアイテムですが、当時の訓練映像を見ると、兵員輸送車に積み置きしているようで、装備例は思ったほどには見かけません。

 

 

どちらかと言うと、化学防護服を梱包したロールを背中に吊っている事が多く、訓練映像でも頻繁に見られます。(画像はGoogle検索より拝借)

 

 

コンバットパックは、第二次世界大戦当時のドイツ国防軍の「Aフレーム」のように、Y型サスペンダーの金具に連結して背負います。

 

 

画像は東ドイツ製AK-47である「MPi-K」装備時の物で、右前腰にマガジンポーチ、左前腰には専用銃剣を提げています。

銃剣は東ドイツ製で、外見はソ連軍の物とほぼ同型ですが、グリップは黒色樹脂製です。(刀身は切断してある合法品です)

 

 

後ろ腰には、水筒と携帯ショベルを提げています。

画像だと余裕のあるように見えますが、野戦では脇に大型のガスマスクバッグを持ち、背中にはコンバットパックが装備されるので、結構な重装備になります。

 

 

陣笠のような独特のデザインのスチール・ヘルメットは東ドイツ軍を印象づけるアイテムですね。

サープラス市場では「M56ヘルメット」の名称で呼ばれています。

チンストラップは茶革製の4点支持タイプで、安定感があります。

また、ヘルメット内側にはクッション材としてスポンジが詰め込まれているのもかぶり心地の良さに貢献しています。

訓練では擬装網を付けている事が多いです。(持っていないので付けられませんでした)

腰には二つ折の携帯ショベルを黒革ケースで提げています。

基本形状は第二次世界大戦ドイツ軍と同型ですが、柄がだいぶ短縮化されているのが特徴です。(つまり大戦装備の代用品としては微妙という事です…惜しい!)

 

 

国家人民軍地上軍では分隊支援火器に「RPD」や「RPK」のライセンス生産品を運用していました。

RPKは画像のような40連ロングマガジンの使用例が多く見られますが、専用のドラムマガジンも併用されていました。(入手出来ていませんが、ドラムマガジンポーチも存在します)

 

 

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