日本軍のピストルランヤード ~ 懸紐 (複製品)

日本軍の拳銃は、陸海軍、将校・下士官兵を問わず、基本的には全てピストルランヤードを装着していました。

日本軍ではランヤードを「懸紐(けんちゅう)」と表記します。

 

 

拳銃の脱落・紛失防止の為のピストルランヤードは第二次世界大戦当時の各国軍で採用されており、取付金具(ピストルランヤードリング)が大抵の軍用拳銃には備え付けてありました。

ただ、日本軍ほど装備を徹底している軍隊は、他に印象がありません。

 

 

日本軍の最初期の懸紐は明治期に採用された「二十六年式拳銃」用の物で、当初は濃紺色だったそうですが、時代が過ぎるにつれてカーキ色に変更されました。

軍服の色が濃紺色から茶褐色に移り変わっていくのに合わせて変更されたものと推測されます。

この製品には拳銃のランヤードリングにうまく通せるように、引っ張る為のタコ糸が付属しています。

ちょっとした気遣いが好印象ですね。

 

 

日本軍のピストルランヤードの複製品は複数のメーカーから製造販売されており、その多くは生成りの白色綿製ですが、実際の日本軍では白色懸紐は使われていないようです。

画像の白色懸紐は中田商店製で、忠実複製品と比べると色味の違いの他、若干径が細めで素材も柔らかめです。

 

 

購入店の説明によると、はじめは緑色の強い懸紐が、使用するにつれてだんだんと退色していく物らしいですが、さすがに生成り程には色落ちはしないでしょうね。

懸紐の紐調整用に各部に革製の游環が付いています。

両複製品で少し形状が異なるのが面白いです。

 

 

画像上が忠実複製品で、画像下が中田商店製になります。

両者を比較してみると、時代考証に徹底して忠実でありたいなら、カーキ色の複製品一択ですね。

ただ、軍装に合わせて見た時にカーキの服地に白色が映えて格好良いので、私は気分にあわせて白色懸紐も併用しています。(入手しやすく価格も安価ですからね)

同じ理由で、私は「九八式軍衣」や「三式軍衣」の襟布も白色綿布で自作した物を愛用しています。

史実は事実として認識しつつ、個人のセンス・美意識に基づく小アレンジを加えて着こなすのも着装趣味の楽しみ方かと思います。(以上、余談でしたw)

 

 

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