日本軍の拳銃射撃姿勢

日本陸軍の拳銃射撃姿勢は、当時主流だったアメリカやイギリスのミリタリーシューティングを基本として発達したものです。

その射撃姿勢とは、まず標的の正面に向けて左向きに立ち、両足をわずかに開き、顔だけを標的に向けて、右手(拳銃を握っている方の手)を真っ直ぐ伸ばし、標的を照準、射撃するという物です。

以下、画像を併用して紹介していきます。

 

 

☆この射撃姿勢は、体のバランスを取る、射撃時の反動に備える、被弾面積を小さくする等の効果を期待したものと言えます。

右足先を目標に向け、左手は、装備や嗜好に合わせ、軍刀や銃剣を握ったり、腰を支える等して姿勢の安定に努めます。

日本軍の拳銃射撃姿勢はこの他に、主に一撃で敵を射殺する方法や諜報活動時における射撃方法等、以下の4通りの方法があります。

 

 

①標的に対して体を正面に向け、両手で拳銃を構える方法。現在のコンバットシューティングスタイルに酷似しています。(日本海軍の正式な射撃姿勢は、この方法です。)

 

 

②標的に対して体を左に向け、左に銃を構え、両足を構え、両足を開いて身体を安定させて、両肘をクロスさせ右手を左手の上に置いて右腕を支えるもの。

 

 

③②の姿勢に似ていますが、腕組みをした状態で銃を構える方法。右手を左手の上に組むものと、反対に左手を右手の上に組む方法、どちらでも良いようです。

 

 

④拳銃を左脇に構えて左手で右上腕部を支えるもの。これは後ろからの攻撃や、相手に近づいて不意に襲撃する際に用いられた方法。

 

余談1:日本陸軍の中でも、特に戦車兵には、接近してきた敵兵に対する応射の為の、より実戦的な射撃法が訓練されていました。(車内覗視孔からの射撃法、乗降ハッチから身を乗り出しての射撃法など)

 

余談2:日本海軍の拳銃射撃姿勢は陸軍とは異なり、明治時代採用の一番型拳銃以来、一貫して両手握りのコンバットシューティングスタイルを採用していました。

 

 

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