日本陸海軍の地上部隊向け官給品「十四年式拳銃嚢」です。
今回紹介する品はエスアンドグラフにて販売されている、海外製複製品になります。
十四年式拳銃嚢は、中田商店製をはじめ複数の業者にて生産されていますが、この拳銃嚢は唯一、後期型を再現しており、気になって購入してみた次第です。
拳銃嚢には、負い革が取り付けられており、たすき掛けに携行出来ます。
後期型の製造時期を意識したのか、金具類は全て黒色塗装仕上げとなっています。
負い革は必要に応じて取り外すことも出来ます。
拳銃嚢の裏面には革通しが設けてあり、拳銃帯革を通すのに使用します。
幅は余裕を持って作られており、幅広の兵用帯革も通すことが出来ます。
拳銃嚢と蓋の連結部分は、負荷の掛かる所なので、しっかり縫製されています。
後期型の特徴である、蓋を留める金具です。
初期型では革製のタブだったものが、後期型ではスプリングを薄い革で覆った金具が用いられており、伸縮性がある為、蓋の開閉がしやすく改良されています。
蓋を開けた状態です。
拳銃収納スペースはこんな感じです。
内部には、用心鉄の当たる位置にブロックが仕込まれています。
ゴムというか硬質スポンジのような質感の素材が使われています。
中田商店製では革の積層材だったので、比べてしまうと少しリアリティに欠ける印象です。
蓋の裏側には、塗料ダレの痕跡があります。
そのほか、縁の部分に接着剤の使用痕跡があり、若干クラシカルな雰囲気にそぐわない点ではありますが、実用上は問題ありません。
拳銃嚢には予備弾入れが縫い付けられています。
実物では、ここに拳銃実包入りの紙箱を収納するようです。
拳銃嚢底部もしっかり縫製されています。
マルシン製ブローバックガスガン「十四年式拳銃・後期型」を収納してみます。
拳銃を収納した状態です。
ぐっと押し込む感じになりますが、使っていく内に馴染んでくると思われます。
同じく海外製複製品の、初期型との比較です。
一番の差異は蓋留め具の作りですね。
どちらも使用上は問題なく使えますが、後期型の留め具は伸縮性があるため扱いやすく、初期型の革タブ式は固定がしっかりしています。
ホルスター内部、予備弾入れ等の形状はほぼ同型です。
拳銃収納部分も造りに違いは見られません。
背面も同様に、革通しと負い革が取り付けられています。
比較して違いが際立つのは金具の表面処理で、初期型は真鍮製で、後期型は黒色塗装がされています。
負い革の留め革は初期型では糸縫い、後期型では金具でカシメてあります。
実物ではどうなのかわかりませんが、糸縫いのほうが趣がありますね。
負い革のバックルも、仕上げの違いが際立つ部分です。
側面から見たところです。
全体の形状や、サイズには差異は無いようです。
【商品紹介】
「日本軍 南部十四年式拳銃 拳銃嚢」…初期型の牛革製精巧複製品です。
「旧日本軍拳銃用 ランヤード 拳銃縣紐 南部十四年式拳銃 二十六年式拳銃」
「エルエス 南部14年式」…エアソフトガンはありません。発火機構は無くオールプラスチック製で、実銃の機構を忠実に再現した組み立てキットです。