三十年式銃剣・アルミ剣身加工品 (個人製作品)

私が所有している実物三十年式銃剣は刀身切断品だったので、ネット上で知り合った個人製作主さんに、アルミ製模造剣身の加工をして頂きました。

 

 

日本国内で入手出来る実物銃剣は、大半が切断品、まれに模造刀剣が付けられている物もありますが、接ぎ方が雑だったりメッキがわざとらしかったりする物も多いです。

 

 

こちらが完成した銃剣ですが、完全分解をして、剣の根元からアルミ製で新造してあるため、非常にリアルな仕上がりになっております。

 

 

刀身はガンブルー液により、実物の黒錆染めを再現してあります。

 

 

銃剣の切っ先も、実物剣身を参考に忠実に作られており、感嘆するばかりです。

 

 

刃の厚みも薄くリアルに仕上げられています。

もちろん、アルミ製なので砥いでも刃は付けられません。

 

 

刀身もリアルです。

 

 

仮に突いたとしても、強度的に曲がるだけなので安心です。

 

 

銃剣の形状を維持しつつ、金属の質感も出せて、安全にも配慮されたアルミ製刀身は、模造刀剣として最適だと思います。

 

 

曲がりツバは、日本軍らしさを感じさせる形状で良いですね。

模造刀身には、もともとついていた刀身の刻印を再現してあります。

 

 

刻印から、製造元は「仁川陸軍造兵廠」とわかります。

名前からわかる通り、朝鮮半島の工場製で、製造数からもちょっと珍しい個体らしいです。

 

 

革製の剣差しを装着した状態です。

 

 

銃剣の鞘は鉄製ですが、実際の戦場で兵士が行っていた手製の鞘覆いを被せた状態を再現してみました。

 

 

アルミ刀身は、鞘から抜き出す際に「シャキン!」と金属の擦れる音がするのが非常にテンションが上がります!

 

 

日本軍の銃剣は、昭和期の戦争の中で兵士の自発的工夫がいくつか見られます。

この「銃剣鞘覆い」もその一つです。

 

 

銃剣鞘覆いは、隠密行動時に鉄製の鞘が音を立てるのを防ぐ為、光を反射して敵に見つかるのを防ぐ為の工夫で、官給品があるわけではなく、軍衣用襟布や端切れ布を利用して兵士個人が製作した物です。

 

 

私も、余り布から色合いのよさそうな物を見つけてきて、裁縫して再現しました。

 

 

こちらもいつの頃からか自然発生したアイテム「銃剣留め」です。

適当な大きさの木片などを紐で結び、銃剣のつばのリングに通しておき、不意に銃剣が抜けるのを防ぐ道具です。

 

 

日本軍の銃剣の鞘には、中に板バネが仕込んであり、簡単に抜ける物ではありませんが、実戦では湾曲したつばの部分にツタなどの野草が引っ掛かり、銃剣が抜け落ちてしまう事例があったそうです。

 

 

この銃剣留めという工夫は、日本軍および兵役経験者に強い印象を与えたようで、戦後に自衛隊が発足して以降も、既製品として「64式小銃銃剣留め」「89式小銃銃剣留め」等が製造販売されています。

 

 

所有する三十年式銃剣を並べてみました。

唾の曲がっていない物は主に後期型とされる物で、真鍮製の刀身が切断刀身に溶接され、メッキ加工された製品です。

 

 

メッキ加工品はいわゆる「白磨き」を再現した物で、両者ともに異なる特徴があり、バリエーションが増えて嬉しいです。

これで満足すればよいのですが、かえって銃剣への興味が強まり、今は二式銃剣も欲しくなっています。

 

 

せっかくなので、所有するKTW製エアコッキングガン「三八式騎銃」で着剣の具合を見てみます。

 

 

日本軍の小銃および機関銃等の銃火器は、全て三十年式銃剣の使用を前提に着剣装置が作られています。

弾薬の種類で迷走した軍隊とは思えない統制ぶりに脱帽です。

 

 

こうしてみると、三十年式銃剣の刀身の長さが際立ちます。

もっとも、第二次世界大戦も中盤辺りまで、近代さで知られるアメリカ軍のM1905銃剣は更に刀身が長い(徐々に短いものに更新あるいは改修されていった)位なので、日本軍だけ特別時代遅れという訳ではないです。

 

 

三十年式銃剣を着剣した三八式騎銃です。

バランス的にはこの位がギリギリ丁度良い感じで、一〇〇式機関短銃やベルグマン自動拳銃といった日本軍の使用したサブマシンガンだと、銃剣が長すぎてアンバランスに見えてしまいます。

 

 

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