日本陸軍のほぼ全ての将兵が手にした事のある「三十年式銃剣」、日本軍装備をこよなく愛する私も当然所有しております。
wikipedia調べでは推定される総生産数840万振、一説によると、世界で最も大量に製造された銃剣だそうです。
三十年式銃剣は、かつて購入したモデルガンのおまけや、弾薬盒の付属品やらで、都合三振りほど所有していました。
ただ、その内の一振りはずっと昔のサバイバルゲーム中に紛失してしまい、現在は直鍔型と曲鍔型の二振りのみが手元に残っています。
三十年式銃剣は、明治三十年採用の三十年式小銃用に開発されて以来、昭和二十年の終戦に至るまで生産され続けました。
日本軍の小火器が、基本的に全て三十年式銃剣との互換性を有していた事が理由ですが、生産期間が長期にわたる為、細部の形状にも様々な変化が見られます。
この銃剣は形状的に中期型に当たるようです。
柄の部分が、初期型は全体に丸みを帯びていますが、中期以降のものは角ばっています。
そして鍔が湾曲しているのも特徴です。
私の皇軍兵士のイメージは、この鍔の曲がった銃剣に尽きますね。
この銃剣は、刀身が根元から切断してある合法品です。
鞘から抜かない限りは外見上問題ないと言えますが、鞘へ差し込む部分がいささか短すぎ、山中を移動中に木の枝やツタに引っ掛けるなどして抜け落ちてしまう恐れがあります。(実際、私はサバイバルゲーム中に一振り紛失してしまいました。要注意!)
こちらは後期型と思われます。
唾が湾曲処理されておらず真っ直ぐで短めにカットしてあるので、それまでの銃剣と比べると随分と印象が異なりますが本体部分は殆ど変化はありません。
単純に、製造工程の簡略化が目的の形状変更でしょう。
こちらはメッキした真鍮製の模造刀身を溶接した、合法改造銃剣です。
現在はウインドラス製やKTW製をはじめ、法律に抵触しないモデル品が流通しておりますが、昔はこういった模造再生品しか選択肢がありませんでした。
この銃剣、模造刀身と実物銃剣との接合処理が甘く、溶接面がくっきり残っている上に剣身のメッキがテカテカし過ぎの感がありますね。
日本軍の主力小銃である三八式歩兵銃に三十年式銃剣を着剣すると、その全長は166㎝にもなり、戦時中の日本男児の平均身長を超える長槍と化します。
画像は三八式よりも全長の短い九九式短小銃ですが、それでも銃剣の長さが際立って見えます。
着剣した小銃は日本刀のような外見とも相まって、”大和魂”という言葉を彷彿とさせます。
迫真銃剣道部!(合法銃剣の有効利用です…w)
余談ですが、三十年式銃剣は映画撮影用の小道具としてもメジャーな存在のためか、手持ちナイフの小道具として戦争映画のみならず、映画やドラマでその活躍を目にする事が少なくありません。
私は昭和の特撮番組「快傑ズバット」でダッカー戦闘員が振り回しているのを見て、思わず笑ってしまいました。
【商品紹介】
三十年式銃剣は、かつては実物の刀身切断合法品が流通しておりましたが、現在は非鉄金属製や鉄粉入り樹脂製などの複製品がつくられており、安全なレプリカ品が入手しやすくなりました。
「日本陸軍 三十年式銃剣 鞘 銃剣差 複製品 造兵廠小倉工廠」…ウインドラス製の真鍮製模造刀身レプリカです。茶革製剣差し付きです。
「模造刀(美術刀)三十年式銃剣」…光沢仕上げの模造銃剣です。刀身は真鍮製です。