モシン・ナガン M1891/30 狙撃銃 (ZETA-LAB製・エアコッキング)

ソ連軍をはじめ社会主義圏で広く使用された「モシン・ナガン M1891/30 狙撃銃」のエアコッキングライフルです。

モシン・ナガンは帝政ロシア時代に「M1891」の名称で制式採用された後「M1891/10」、「M1891/30」等の改修を受けつつ、第二次世界大戦後の1950年代まで運用されたベストセラー・アイテムです。

 

 

中国のメーカー「ZETA-LAB」製で、具体的には日本のKTW製品の“ほぼ”コピー品です。(“フルコピー”じゃないのが芸コマというか、姑息というか…w)

 

 

パッケージはダンボールにブランド名が印刷されただけのシンプルな物です。

 

 

中身は銃本体・スコープ・スパイクバヨネット・スリングベルトが付属しています。

取扱説明書は、はじめから入っていませんでした。

 

 

モシン・ナガン専用のスリングベルトを装着した状態です。

 

 

モシン・ナガンは一般的な小銃に見られるスリングスイベルが無く、ストックに直接スリングを通す穴を彫られた独特の形状の為、専用のスリングベルトが用意されています。

日露戦争頃の「M1891」ではスリングスイベルが設けてありましたが、改良型の「M1891/10」からストック穴あけ加工に変更されました。

 

 

スリング自体の革ベルトがスイベルの役割を果たす構造で、銃本体に極力可動部品を増やさない(壊れる部品を減らす)工夫が見て取れます。

 

 

モデルは狙撃銃型ですが、歩兵銃型と共通のスパイクバヨネットが付属しています。

歩兵銃型と狙撃銃型の違いはマウントベースやコッキングハンドル等、スコープ関連の構造だけなので着剣する事はできます。

 

 

ソケット部にはスプリングが内蔵されており、常にテンションが掛かる事でバヨネットの脱落を防ぎます。

 

 

バヨネット先端は平たくなっており、実銃ではマイナスドライバーとして使えます。

 

 

スパイクバヨネットはABS樹脂製で安全への配慮が見られます。

実銃では基本的にバヨネットは付けっぱなしだそうですが、サバイバルゲームでは着剣禁止なので、あまり使い道はありません。

 

 

着剣手順は、スパイクバヨネットのソケット部分を銃口に被せ、差し込んだ後、溝に沿ってひねって固定します。

 

 

着剣するとかなり長く感じられます。

サバイバルゲームでは着剣禁止なので使うことはありませんが、写真撮影では存在感抜群なので、結構お気に入りです。

 

 

スパイクバヨネットには鞘や剣差しの類が使われることは少なく、着剣しない時は逆さまに銃口に差し込んで携行する例が見られます。

 

 

納剣状態の銃口付近は、妙にメカニカルで格好良いです。

 

 

短機関銃や突撃銃等の自動火器と違い、小銃の銃口はシンプルなものです。

 

 

真鍮色のストック金具や、露出したクリーニングロッド等、基本設計というか、デザインセンスがマスケット銃のように古風なのもモシン・ナガンの魅力ですね。

 

 

全長の長いモシン・ナガンですが、ピストン容量に合わせインナーバレルは適当な長さに調整してあります。

その為、アウターバレル先端からは中のバレルは見えません。

 

 

スコープやボルトハンドルの集中する機関部周辺はメカニカルな魅力に溢れた部分です。

 

 

ZETA-LAB製は外装がほぼフルメタルなので質感もリアルです。

 

 

ZETA製モシン・ナガンはコピー元のKTW製ゆずりの給弾方式を採用しています。

 

 

マガジンブロック底部の蓋を開け、中の紐を引っ張り、引っ張った状態を維持しつつBB弾を込めます。

 

 

BB弾は18発位入りますが、全弾は打ち尽くせない構造で内部に数発残ります。(逆さにすれば撃ちきれます)

 

 

給弾後にカバーを閉めますが、紐を挟まないように上手く閉めないと給弾不良の原因になります。

非常に手間の掛かる面倒な構造なので、戦闘中の再装填は事実上不可能と思った方がいいみたいです。

 

 

ボルトアクションの様子です。

モシン・ナガンのボルトハンドルは歩兵銃や騎兵銃はストレートボルトハンドルですが、狙撃銃型のみスコープに干渉しないようボルトの根元から90度折り曲げてあります。

 

 

私の購入した銃はショップ調整品で、ZETA製モシン・ナガンの持病である弾ポロ・弾詰まりへの対策済み製品ですが、それでもボルト周りの不具合にしばしば悩まされています。

特に弾ポロのトラブルはしばしば発生しており、隙間が弾を噛んでしまうと後処理が面倒です。

BB弾の直径による相性もあるのでしょうが、銃のボルト操作のコツを掴むまでは、頻発する弾詰まりに辟易していました。

 

 

他にもボルト周りにはトラブルの種があり、キチンと調整(ネジ増し締め、場合によっては接着等)しておかないと、溝に沿ってスライドする銀色のボルトユニットが簡単に傾いてしまい、ボルトの閉鎖不良を起こしたりします。

 

 

狙撃銃モデルには最も多く生産・使用されたソ連軍の「PU」スコープが付属しています。

 

 

総金属製のこのスコープは、実物と比べも再現度が高くリアルです。

 

 

PUスコープは視野が狭い上に視界が暗く、実用面では扱いづらいですが、旧態然としたデザインが醸し出す雰囲気は抜群に良いです。

 

 

ちなみに、PUスコープと共に第二次世界大戦で使用された「PE」スコープは、スタンダードなライフルスコープ型なので実用性は高いと思われます。

 

 

レティクルもPUスコープ特有のT型表示が再現されています。

レンズは固定倍率で、4倍前後と思われます。(実物は3.5倍率です)

 

 

PUスコープを搭載した状態のままでもアイアンサイトは使えます。

 

 

多少視界が窮屈にはなりますが、両方使える事で即応性が増すのは実戦的です。

 

 

リアサイトは金属製で操作感がカッチリしていて好印象です。

 

 

バットストックは独特な角ばった形状をよく再現してあります。

当然フルメタルなので、使い込む内に自然と傷が付いてリアルな風合いになってきました。

もっとも、メタルパーツの雰囲気が良くなるにつれて、木製ストックの仕上げの荒さが気になってきています。

 

 

実射性能ですが、見た感じ素直な弾道でまっすぐ飛んでいくようで、飛距離も充分出ています。

しかし、HOPの効きが不安定なようで着弾地点付近で弾がバラける傾向にあります。

その為、スコープ越しに命中弾を得られるように調整するのは大変困難に感じます。

 

 

スコープカバーとマズルカバーは適当な余り布で自作しました。

この銃はショップ調製品なので射撃自体は概ね問題ないようですが、実射性能はKTWや東京マルイのエアコッキングガンにはとても太刀打ちできないというのが正直な感想です。

軍装品のひとつとしては充分な存在感があるので、コレクションとして手元に置くには良い銃だと思います。

 

 

本格的に赤軍狙撃兵を目指すなら、高性能なKTW製を手に入れたい所ですが、購入予算を蓄えるまでは入門品としてZETA製品に頼るのも悪くないと思います。

ZETA-LABは既にメーカーが存在しませんが、現在は同じ製品が別のメーカーから発売されています。

ところどころ仕様が変更されたり、急にブランド名が変わったりしますが、たまに再販されているようなのでタイミングを逃さなければ入手できます。

 

 


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