九七式狙撃銃 (S&T製・エアコッキング)

中国のトイガンメーカー「S&T」から発売されている、コッキングエアガンの「九七式狙撃銃」です。

 

 

パッケージはS&T製品に共通の黒箱で、外箱に小さく商品写真が表示されています。

 

 

開封直後の梱包内容です。

 

 

九七式狙撃銃は、三八式歩兵銃と全長は同じなので、かなり長いです。

 

 

画像は白飛びしてしまっていますが、木製ストック上に楕円形のシールが貼られています。(簡単に剥がせます)

 

 

付属の取扱説明書です。

 

 

こちらもS&T製品の共通フォーマットで、1枚の説明書を四つ折りにしてあります。

写真を多用した説明で、分かりやすいです。

 

 

九七式狙撃銃の全体像です。

三八式歩兵銃をベースに狙撃眼鏡等の追加加工が施されています。

 

 

狙撃銃特有の機構として、太い針金製の単脚(モノポッド)が装備されています。

単脚機能は実用性を認められたらしく、のちに開発される「九九式小銃」にも受け継がれています。

 

 

機関部周辺の作りは三八式歩兵銃の形状そのままで、殆ど違いはありません。

 

 

九七式狙撃銃の狙撃銃たる最大の特徴、着脱式の「九七式狙撃眼鏡」が装着してあります。

 

 

銃床は実銃同様、二つの木を貼り合わせた構造が再現されています。

リアルウッド仕様なので、見た目も質感も良い感じです。

 

 

床尾板は金属製で、三八式歩兵銃と同型です。

 

 

九七式狙撃銃の下部形状です。

 

 

歩兵銃同様、着剣装置が設けてありますが、残存する実銃の多くは、銃剣を装着した形跡が無いそうです。

 

 

単脚の可動基部に、スリングスイベルが設けてあります。

 

 

木製銃床をくりぬく形で、着脱式のマガジンが装着されています。

ここは実銃と大きく異なる点で、外見のリアル感を損ねる部分ですが、エアソフトガンとしての実用性を優先した設計と言えましょう。

 

 

引金周辺の様子です。

トリガーガード前方のマガジンプレートは外見のみの再現で、実銃のようレバーを押して取り外す機構はありません。

 

 

マガジンプレートには、シリアルナンバーらしき数字がプリントされています。

外観を損ねるので、単純に黒マジックで塗りつぶすだけでもぱっと見の印象は改善するでしょう。

 

 

リアスリングスイベルは、木製銃床下部にしっかりとネジ留めされています。

 

 

S&Tの九七式狙撃銃は着脱式のマガジンで、再装填がし易く実用的で、サバイバルゲームに向いています。

 

 

マガジンはABS樹脂製で軽く、別売りの予備マガジンも価格が手頃でお財布にやさしいです。

 

 

装弾数は25発です。

予備マガジンを1本程度持っていれば、1ゲーム位は充分戦えると思います。

 

 

マガジンは先に発売されている三八式歩兵銃と全く同じ物なので、汎用性も高いです。

 

 

S&T製日本軍小銃シリーズの共通構造ですが、実銃とは異なる位置に着脱式のマガジンフォロワーが設けてあります。

 

 

マガジン後端のレバーを押して、取り外せます。

 

 

マガジンはロックを解除してもストン、と落ちる感じにはならないので、指で引っ張り出してやる必要がありますが、馴れないと結構手間取る感じです。

 

 

チャンバー内部の様子です。

 

 

マガジンはオール樹脂製で非常に軽いです。

 

 

マガジン上部のボタンは、装填時に押される構造です。

 

 

マガジン装填時のロックレバーの構造です。

 

 

実銃ではこちらのマガジンプレートの位置に、実包が5発内蔵される仕組みです。

 

 

S&T製品では外見のみの再現なので、可動部はありません。

 

 

実銃では、トリガーガード前方のボタンを押すとマガジンプレートが外れます。

S&T製品ではトリガーガードと一体成形なので可動しません。

 

 

九七式狙撃銃には、射撃姿勢を安定される為に単脚が装備されています。

 

 

単脚は針金製で、折り畳み時のロック機構はなく、単純にマズル付近に単脚を挟んで針金のテンションで固定を維持しているだけです。

 

 

単脚を展開した様子です。

実際に伏撃ちの姿勢で構えてみると、微妙な長さと不安定さでとても使いやすい代物ではありません。

最近の説では、針金製の単脚を射手が自由に折り曲げて、地形に合わせた長さにして使用する設計ではないかと言われており、それならば非常に納得のいく構造だと思います。

 

 

単脚基部はしっかりした作りで、実用強度は充分ありそうです。

 

 

日本陸軍では、狙撃眼鏡は通常は「狙撃眼鏡嚢」に収納して携行し、必要な時に装着しました。

 

 

狙撃眼鏡を取り外す際には、まず固定レバーを「脱」の刻印側に回します。

 

 

これでレールに押し当てられていたプレートが開放されます。

 

 

そして板バネで出来たストッパーを押してテンションを緩めておき、狙撃眼鏡をレールから引き抜きます。

 

 

狙撃眼鏡を取り外した状態です。

 

 

狙撃眼鏡のマウントレールは金属製のベースと板バネのテンションパーで構成された、シンプルな物です。

 

 

装着は逆の手順で、狙撃眼鏡をマウントレールに嵌め合わせます。

 

 

そして、レール後端まで狙撃眼鏡をしっかり押し込みます。

 

 

「脱」刻印位置にあるレバーを、引っ張って持ち上げた状態でくるりと回し、「装」刻印位置にします。

 

 

これで、狙撃眼鏡は装着完了です。

 

 

狙撃銃に付属する「九七式狙撃眼鏡」です。

外装は金属製、レンズもクリアで実物をよく再現してあります。

 

 

上面には、製造元である「東京第一陸軍造兵廠」の刻印が再現してあります。

日本軍の狙撃眼鏡は、工場出荷時点でゼロインされており、あとから照準調整する事ができません。

従って、狙撃手はあらかじめ射距離による着弾点を把握しておき、射撃する事になります。

 

 

調整機能が無いと聞くと、技術力の不足と感じがちですが、レンズが固定されている事で、乱暴に扱ったり、連続射撃の反動による照準のズレが起こらない為、実用的ともいえます。

 

 

九七式狙撃眼鏡はレバー操作で簡単に取り外せます。

 

 

裏面中央にプレートがあり、レールに通した状態でこのプレートを押し上げる事で狙撃眼鏡が固定されます。

 

 

固定時のプレートの位置状態です。

 

 

レバーの様子です。

装着時にはレバーの位置が「装」の刻印の側にあります。

 

 

レバーを引っ張ってロックを解除し、ぐるっと回して「脱」の表示の位置にすると、ロックが解除されてレールから取り外す事ができます。

 

 

S&Tの狙撃眼鏡は、コピー元と思われるK.T.W.製品と同じく、対物レンズ側に設けてある六角レンチを回す事で、多少の微調整が可能です。

 

 

接眼レンズ側にはゴム製のアイピースが標準装備されており、狙撃の際に狙いが付けやすく作られています。

 

 

アイピースは狙撃眼鏡に被せてあるだけなので、サバゲー用ゴーグルに干渉しないように取り外す事ができます。

 

 

照準眼鏡を覗いた様子です。

倍率は2.5倍で、独特のT字型レティクルも実物を忠実に再現してあります。

 

 

狙撃眼鏡を装着していない状態です。

一般の三八式歩兵銃と異なり、専用のマウントレールがストックを削り込んだ形で配置されています。

 

 

装着するには、狙撃眼鏡を溝に合わせて滑り込ませます。

 

 

完全に止まるまで、しっかり押し込んだ状態です。

 

 

その後、レバーを「脱」から「装」の位置に回転させ、固定します。

 

 

装着した狙撃眼鏡はしっかり固定されており、脱落の心配はありません。

 

 

対物レンズ側から見た装着状態です。

 

 

接眼レンズ側から見た装着状態です。

 

 

狙撃眼鏡は、弾薬の装填やボルト操作に干渉しないよう、オフセット配置されています。

 

 

九七式狙撃銃は、無作為に選別した三八式歩兵銃を加工して製作されている為、歩兵銃に備えられている照準器も撤去されておらず、そのまま使えます。

 

 

真後ろから見ると、本来の照準器の位置に比べ、狙撃眼鏡はだいぶ射線から離れた配置だとわかります。

 

 

サイト調整機能もなく、固定倍率の小型のスコープなので、軍用銃としては持ち運びに関しては扱いやすい印象です。

 

 

狙撃眼鏡のレンズ径が小さく、頼りない印象もありますが、第二次世界大戦当時の感覚では世界標クラスで、特に性能で劣ってはいませんでした。

 

 

遊底覆(ダストカバー)が装備されているため、レシーバーはシンプルに見えます。

操作しやすいようにボルトを曲げてあるのが日本軍の小銃としては珍しいです。

 

 

銃身側から見ると、全長の長さが実感できます。

 

 

狙撃眼鏡にまつわる溝加工を覗けば、三八式歩兵銃と形状は変わらず、丸みを帯びた各部のデザインが美しいです。

 

 

狙撃眼鏡が着脱式になっている点からも察するとおり、通常の照準器も使えます。

 

 

照門は三八式歩兵銃と同一で、フリップアップ式が採用されています。

 

 

フリップアップ式は日本軍小銃では最末期の九九式まで使われ続けた伝統あるスタイルで、外国だとアメリカ軍のスプリングフィールドM1903小銃の初期型でも同様の構造が見られます。

 

 

照星も三八式歩兵銃から変更はありません。

 

 

三角形の照星は、素早い照準に適している、と個人的には感じられます。

 

 

照星の側面にガードが設けてあるのは、三八式歩兵銃の生産中期以降の特徴です。

 

 

S&T製品はストックが実物木製なのと、外装に金属を多用している事から、古い時代の小銃は質感の再現が素晴らしいです。

 

 

日本製モデルガンやエアソフトと比べて、製造コストや法規制で有利なのか、中国製品は金属パーツや木製ストックをふんだんに使用した上で、比較的安価な価格帯もあって近年、存在感を高めています。

 

 

この九七式狙撃銃は可変HOP機能を搭載しています。

構造はイモネジでHOPチャンバーを押すタイプで、リアサイト付け根付近にあるイモネジを六角レンチで回してHOPの掛かり具合を調整します。

 

 

ボルトアクション動作の様子です。

狙撃眼鏡への干渉を避けてボルトハンドルが曲げられているので、ターンボルトハンドル式の外国製小銃に近い操作感覚なのが、日本軍小銃には珍しく、面白いところです。

 

 

ボルトの引きしろは短めで、コッキング連射動作がしやすいのは実戦向けだと思います。

 

 

安全装置は実銃同様に操作できます。

S&T製品の評価ポイントのひとつですね。

 

 

ボルト後端の丸いボタンを、押しながら右に回すと安全装置が掛かります。

画像の状態が安全で、突起部分が真上に位置し、照準器を遮るので一目で安全状態とわかります。

 

 

S&T製九七式狙撃銃の実射性能は、僅かにフライング気味の射弾もあるものの、箱出しそのままでの命中精度は高いほうで、充分実用に耐えるとの印象です。

東京マルイの「VSR-10」やK.T.Wの「三八式歩兵銃」に比べると見劣りしますが、S2Sやクラウンのボルトアクションライフルと比べると明らかに性能で勝っていると思います。

 

 

九七式狙撃銃の側面形状です。

三八式歩兵銃譲りの細くスマートな外見が美しいです。

 

 

九七式狙撃銃の上面形状です。

木製銃床と金属製機関部の組み合わせが、大戦期のライフルの魅力ですね。

 

 

ボルトハンドルは狙撃眼鏡に干渉しないように折り曲げてあり、モーゼル小銃などのターンボルトハンドル式に近い操作感覚で扱えます。

 

 

角度を変えて、再度ボルト操作の様子です。

ボルトストロークは実銃に比べるとだいぶ短めで、トイガン目線で見ると速射向きで使いやすいです。

 

 

遊底覆いが標準装備されていますが、隙間から覗くボルトには、エジェクターも再現されています。

単にモールド造形されているだけで可動はしませんが、あるだけ嬉しいポイントです。

 

 

所有しているK.T.W製コッキングエアガンの「三八式騎銃」と並べてみました。

歩兵銃と騎兵銃の、全長の違いが良くわかります。

 

 

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