中国製トイガンにも高額商品から廉価品まで様々な種類がありますが、今回紹介するのは玩具感マシマシな廉価版チープ・トイガンです。
一応、実銃の「63式自動歩槍(自動小銃)」をモデルにトイガン化したもののようですが、細部はことごとく微妙に違うので、あくまで“ナンチャッテ63式”といった所でしょうか。
マガジンはAK-47に似た形状ですが全長は短めです。
実銃では装弾数は20発で、わずかに形状に差がある為、AK用マガジンとの互換性は無いそうです。(削り加工すれば使えるらしい)
本来は、カートリッジ式エアコッキングガンなのですが、銃本体のみ・カート無しの中古品を入手したため、実射は出来ません。
63式小銃は、当時採用されていた「56式半自動歩槍(中国製SKSカービン)」と「56式短機槍(中国製AK-47)」の双方の能力を併せ持つ新型主力小銃として開発されました。(人民解放軍では「AK-47」は、長い間“サブマシンガン”に分類されていました)
弾薬はAKと同じ7.62㎜x39弾を用い、セミ・フルオート切り替え式です。
トイガンではセレクターは稼働しますが、機能は無いので只のダミーです。
開発当時の人民解放軍の白兵戦重視の運用思想にあわせ、折りたたみ式スパイク・バヨネットを備え、充分な全長を持たせてあります。(バヨネット展開時の全長…1342㎜)
先発の56式系列の設計を受けついだデザインで、外観が良く似ています。
ダミーバヨネットもアウターバレル周りも共にABS樹脂製です。
中古品という事もあり、金属部品の錆が目立ちます。
63式小銃は1963年の制式採用後、生産初期型は対外援助物資としてベトナムやユーゴスラビアへと供与され、高品質・高性能で好評だったとの事です。
しかし、1966年以降は文化大革命の影響で生産数が停滞、更に品質の低下が著しく、支給された人民解放軍部隊では暴発事故を起こし問題となるほど深刻なものだったようです。
結果、1972年に全軍から引き上げられ、さらに1978年に生産中止となりました。
人民解放軍における63式小銃の採用期間はわずか9年間に過ぎませんでしたが、正しい品質管理の下で生産された個体は優秀な自動火器であり、現在でも民兵組織や大学の軍事教練で使用されている様子が確認出来ます。
また、海外友好国への輸出も行われており、アルバニア軍では「56式自動歩槍(中国製AK-47)」と共に制式採用されています。
トイガンのほうは、カートリッジにBB弾を詰め、コッキングのたびに排莢されるエアコッキング式です。
ただ、中古品で入手したときからカートリッジが付属しておらず、射撃はできません。
マガジン自体はABS樹脂製のモナカ構造で、外観のリアルさは価格相応といえましょう。
マガジンの規格に合った他社のカートがあれば試射も出来そうですが、どのみちたいした性能ではないのは間違いないので、装飾品として愛でております。