中国人民解放軍 65式軍服・士兵用 (実物)

中国人民解放軍の「65式軍服」です。

画像は私の所有する実物未使用品です。

 

 

65式軍服は、「文化大革命」さなかの1960年代から「改革開放」路線の1980年代までの“階級なき軍隊”中国人民解放軍の軍装であるのみならず、報道を通じて伝えられた同時代の「中国」そのもののイメージアイコンとして印象深いアイテムでもあります。

 

 

65式軍服は、細別すると綿製の「65式」から化繊製の「78式」までいくつかの種類にわけられますが、中国本土内でもひとまとめに「65軍服」と認識される事が少なくありません。

 

 

襟には紅領章(襟章)を取り付けてあります。

素材はベルベット(ビロード)製で、キメの細かい独特な肌触りが特徴です。

65式軍服は階級制度の廃止により採用された軍服なので、この紅領章も階級章ではなく、単純に装飾としての意味合いが強いものです。

一応、裏面に名前や血液型を記入する欄があり、認識票としての実用面もあります。

 

 

襟には金属製のホックがあり、折襟、開襟ともに対応した作りです。

日本陸軍のような襟布はありませんが、下着として白無地綿製のワイシャツを着用し、シャツの襟をわずかに露出させて襟カラーのように見せる着こなしが良く見られます。

 

 

軍服には胸ポケットが二箇所設けてあります。

ボタンの露出したこのタイプは一般に“士兵(下士官兵)相当”用とされ、“軍官(指揮官)相当”用は隠しボタン式の胸ポケットと腰ポケットが付いたタイプで区別されます。

 

 

階級制度の無い時期、人民解放軍では“戦士”と“指令員”というざっくりした区分しかなく、この軍服のわずかなデザインの違いで両者を区別していました。

 

 

65式軍服は過去にもブログで記事にしていますが、以前紹介した物は中田商店で購入したもので、今回紹介する物は中国本土からの輸入品です。

以前購入した物は淡緑色でしたが、こちらは濃緑色で、見た目の印象がだいぶ異なります。

 

 

65式軍服の内側の構造です。

軍服に裏地は無く、ポケット部分も露出しています。

この服は夏服で、他に中綿入りの冬服もあるようですが、両者の詳細な違いは残念ながら知識不足でわかりません。

 

 

タグは判読しづらいですが、1968年製と思われます。

素材は綿製で、質感は化繊の78式と明らかに異なります。

 

 

65式ズボンの形状です。

デザインはごくシンプルなストレートズボンです。

 

 

ウエスト部分にはベルトループがも設けてあり、両側にスリットポケットが二箇所あります。

 

 

前合わせはボタン式です。

 

 

ポケット内部のみ白無地綿製で、タグがスタンプしてあります。

 

 

タグには「1968年製」と記されています。

 

 

ズボンの後ろ側にはポケットはありません。

 

 

ズボンの側面形状です。

 

 

特筆すべき点は特に無い、ひたすらシンプルなデザインです。

 

 

65式軍服は制服と戦闘服の区別の無い時代の物なので、戦闘用にも使われますが、各国軍の野戦服に見られるズボン裾の絞り紐や足首の裾留めボタンなどは一切ありません。

 

 

最後に、1990年以前の中国人民解放軍陸軍の軍服を図説します。

自分で調べて得た知識の備忘録的解説ですので、ざっくした内容ですが、参考にして頂ければ幸いです。

 

 

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