
陸上自衛隊の旧型水筒です。
画像の物は実物中古放出品です。
昭和自衛隊の各種ODビニロン製装備品と共に使用されていた物ですが、現在は2型迷彩ナイロン製カバーとプラスチック製水筒の組み合わせ「水筒2形」に更新されています。

デザインは、米軍の「M1910キャンティーン」を参考に設計されたようで良く似ています。

裏面には装備装着用具が取り付けてあります。
陸上自衛隊の水筒カバーは、米軍同様のダブルフックに加えて、ベルトループも設けてあり、二種類の装備方法が選べます。

水筒カバーはODビニロン製で丈夫に出来ています。

水筒カバーの蓋は二箇所のタブとスナップボタンで固定されています。
この水筒が「57式水筒」の名称で自衛隊に制式採用された当初は、両方の蓋を真ん中でクロスして、回転式のツマミで留める独特の形状でしたが、やがて米軍に準じた形状に変更された経緯があります。

水筒カバーの内側には、米陸軍のようなパイル地はなく、米海兵隊の物に近い構造です。

水筒カバーのタグにより、1984年製とわかります。

水筒カバーをダブルフックで弾帯に装着した状態です。

裏面から見ると装着状態がよくわかります。

1950年代までの米軍装備におけるオーソドックスな装備方法ですが、このやり方だと行動中に水筒が脱落してしまうことがあり、不安が残ります。

こちらは、水筒カバーをベルトループで弾帯に装着した状態です。

水筒カバーのベルトループは旧型弾帯が通りギリギリの寸法で作られています。
ダブルフックのように簡単に取り外せない反面、確実に水筒を保持できる為、私はもっぱらこの方法で装備しています。
実際の自衛隊でも、この方法での水筒装備が良く見られます。

水筒カバーの中身は、アルミ製の水筒本体に水筒カップが付属しています。

水筒&カップを正面から見た所です。

水筒&カップを裏面から見た所です。

水筒本体を正面から見た所です。
形状は米軍の物に酷似しています。

水筒本体を裏面から見た所です。

うっすらと、製造メーカーを示す刻印が見られます。


水筒本体は、側面が溶接されています。
これも米軍同様の構造です。

水筒は中古品ということもあり、水筒カバーのスナップボタンで固定する位置に擦り傷がついています。
こういう使い込んだ感じも中古放出品の味ですね。

水筒キャップは樹脂製で、脱落防止の金属チェーンがついています。

チェーンは丸みを帯びた形状で、絡まり難い良く出来た構造です。

水筒キャップの内側にはゴム質の防水キャップが内蔵されています。
結構汚れているので、実用は避けたい所です。

付属の水筒カップです。
取っ手はワイヤーハンドル式です。

水筒カップの背面には目盛りが打刻されています。

側面からみるとワイヤーハンドル自体はそれほど場所を取らない点がよくわかります。

水筒カップ底面には、水筒本体同様にメーカー刻印があります。

ワイヤーハンドルを展開したところです。
実用時には完全にハンドルをクロスさせて使用します。

中古品なので、ところどころ擦り傷やサビが見られますが、比較的状態は良いほうです。


金属の水筒カップに金属の水筒本体を収納する為、カップ内側の傷・汚れが目立ちます。
中古品だけに、これは仕方の無いところですね。
【商品紹介】
「自衛隊1982―ユニフォーム・個人装備 (1981年)」…昭和自衛隊の個人装備の参考資料になります。