陸上自衛隊 旧迷彩装備 [1970~1980年代]

陸上自衛隊の旧迷彩装備です。

1970年初頭に採用されて以来、1980年代を通して使用されました。

冷戦最盛期の自衛隊のイメージこそ、旧迷彩柄であると言えましょう。

1990年初頭に迷彩2型を取り入れた「戦闘装着セット」が導入されてからは徐々に更新が進み、2000年代に入る頃には、ほぼ姿を消したようです。

 

 

1980年代の陸上自衛隊普通科隊員の基本装備です。

装備の組み方や着装状況は、OD作業服時代から2型迷彩時代まで基本的に同じです。

 

 

各装備品はOD色のビニロン幌布製です。

旧迷彩現役当時のPX(売店)では、旧迷彩柄で作られた弾帯や弾納が販売されていたそうです。

全身くまなく旧迷彩柄にしたい隊員が個人的に購入する為の物ですが、耐久性は低かったと聞きます。

 

 

個人装備品はOD作業服採用時と同様で、被服以外では「迷彩鉄帽覆(ヘルメット・カバー)」が導入されました。

 

 

画像では擬装の為の工夫として、鉄帽の擬装網にDIY店で売られている造花を差しています。

単体で見ると良い感じだったのですが、写真に撮ってみると色が明るすぎて浮いて見えますね。

 

 

64式小銃に着剣した状態です。

刀身の長い64式銃剣は、如何にも強そうで格好良いです。

 

 

現在、旧迷彩と呼ばれる「迷彩作業服」は、迷彩パターンは米軍のリーフカモを模倣していますが、基本色が独特の水色に近い灰緑色で、一説には熊笹の多い北海道の植生に合わせた物と言われています。

一般にイメージされる迷彩の概念からは、違和感を感じる色調ではあります。

 

 

背中の「73式背嚢」には身体正面で肩の動きを阻害しない為の横方向のハーネスが着いており、動きやすさを考慮されています。

 

 

腰周りの装備品に干渉しないよう、横長に作られているのが73式背嚢の特徴です。

「携帯エンピ」は通常、画像のように柄が上を向くように収納していますが、収納ポーチ下部にジッパーがあり、柄を下にして収納する事もできます。

 

 

64式小銃を肩に下げて移動中の様子です。

防護マスクに背嚢まで背負うと、動く時に結構かさばります。

 

 

73式背嚢の横長構造はそれはそれで理に適っているのですが、移動時に左右にぐらつく(揺れる)傾向があります。

 

 

着剣した64式小銃を手にしての移動シーン。

 

 

迷彩作業服と作業帽を着用した、軽装スタイルです。

 

 

作業帽は迷彩柄の物は官品では支給されず、隊員が個人で調達した私物が使われていたと聞いています。

 

 

迷彩作業服は上着をズボンにたくし込んで着用するタックインスタイルで、ズボンには専用デザインのベルトが付属しています。

 

 

ヘルメットは米軍のM1タイプを参考に開発された「66式鉄帽」です。

 

 

内装は第二次世界大戦当時の米軍の物をほぼ模倣したデザインで、国産品でありながら日本人の頭部形状では座りが悪く、あまり評判は良くなかったようです。

 

 

戦闘を想定し、身体擬装網を身につけ、鉄帽共々、自然の草木を括りつけています。

また、顔にはドーランを塗って迷彩効果を高めています。

 

 

携帯エンピは自作した背負い紐で背中に背負っています。

この紐はタイヤのゴムチューブ等を使って隊員が個人で製作した物で、通称「カンタロウ」と呼ばれています。

折畳式の「携帯エンピ2型」採用以前には、このような装着方法が良く行われていました。

 

 

64式小銃の立射姿勢です。

防護マスク4形ケースの大きさが目立ちます。

 

 

第二匍匐中の自衛隊員です。

個人的に、日本軍と自衛隊は第二匍匐姿勢が一番格好良いと思います。

 

 

64式小銃の伏射姿勢です。

独特な色調の旧迷彩ですが、擬装の上で草木中に伏せれば、なかなか上手く溶け込めるようです。

 

 

64式小銃自慢の二脚を使用し、安定した射撃が出来ます。

画像のTOP製電動ガンは、実射性能がどうしようもないので、あまり意味はありませんが…。

 

 

現在は海外から64式小銃の電動ガンが発売されているので、TOP製品をプレミア価格で入手する苦労から解放されたのは大変ありがたいです。

 

 

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