ソ連軍服の下着 ~ ソ連軍 襦袢&袴下 (実物)

第二次世界大戦頃までは各国軍とも軍服の下には襦袢・袴下を着て、軍服の汚れ・損耗を防いでいました。

戦後は特にアメリカナイズが進んだ地域ではパンツやTシャツのみのシンプルな着こなしが主流となりましたが、ソ連軍では1980年代頃まで、このような襦袢・袴下が使われていました。

 

 

この下着は戦後製造品ですが、戦中からあまりデザインは変わっていないようです。

大変レトロなデザインで、便利さはともかく、収集欲をそそられる逸品です。

 

 

襟元はVネックで、シンプルなボタン留め。

ロシアではこのような前開きのシャツ全般を「ルバシカ」と呼ぶそうです。

日本のミリタリー界隈でルバシカと言えば詰襟の「M43軍服」を指すのが慣例となっていますが、「ルバシカ=M43軍服」で通用するのは日本国内だけだとミリタリー書籍で読んだ事があります。(常勤服=キーチェリ、戦闘服=ギムナスチョルカ)

襦袢の素材は薄手の白色綿製で、パリッとした質感なので夏用パジャマや浴衣のような感じで、夏は涼しく快適です。

 

 

袖は断ち切りでカフス等もなくシンプルです。

あくまでも下着という前提で造られている事が伺えます。

 

 

袴下はストレートズボン型で、襦袢同様シンプルな造りです。

余談ですが、大戦時ドイツ軍もそうですがヨーロッパ圏の軍隊の多くでは「ぱんつはいてない」状態が一般的で、襦袢なり、プルオーバーシャツなりの裾で股間を覆い、袴下を履いて過ごしていたそうです。

特にソ連軍の場合、当時のロシア人の共通感覚としてトイレで用便を済ませたあと、紙で拭かずにズボンを履くのが普通だったようで、「ソ連兵のルバシカの下端は例外なく黄ばんでいる」という記述を目にした事があります。

 

 

ウエストにはゴムは入っておらず、表裏ともボタン留めです。

ゴム入りズボンのようにテンションがかからないのでジャストサイズが望ましいのですが、ボダンだけではフィット感の微調整は難しく、こう言う所に古臭さを感じます。

 

 

裾はボタン留めになっています。

とにかくシンプルな造りですが、上から軍服を重ね着するので、多少着付けが合っていなくてもなんとかなる部分ではあります。

 

 

着装に当たっては、M43ルバシカ軍服やM69軍服との組み合わせが最適ですね。

重ね着してみると、軍服に直接肌が触れない為、肌触りが良くなる上、発汗や吸湿効果も実感できます。

 

 

流通が安定していないので上下ともジャストサイズの物を入手するには結構手間がかかりますが、機会があれば予備の1着も欲しくなる、そんなアイテムです。

 

 

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