
AW(アーマーワークス)製ブローバックガスガン「モーゼル M712 自動拳銃」です。
AWは台湾のトイガンメーカー「WE(we-tech)」のブランドの一つです。

「モーゼル M712」のトイガンは、マルシン製品が定番ですが、WE製品はマルシンに比べて作動性や機構再現性の面で格段に性能が高く、好評で知られていました。

ただ、外装が総金属製の為、日本の法律に引っ掛かるので国内販売されていませんでした。
そこで、日本向けにフレームをABS樹脂製にした輸出モデルが、AWブランドで発売されたというわけです。

パッケージはなんとなくおしゃれな感じのデザインです。
中身が何なのかわからない点では、無印段ボール製と大差ありませんが。

蓋は跳ね上げ式で、あけるとプレス成形紙製の容器に、銃と付属品が綺麗に並べられています。
新品を初めて開封する時は、いつもわくわくします!

この製品には、拳銃本体と付属のロングマガジンのほかに、ストック兼用ホルスターがセットになっています。
「モーゼル M712」には是非揃えたいオプションのストック・ホルスターが、初めから付属しているのは大変嬉しいですね。

箱の中には「オーナーズ・マニュアル」が同梱してあります。
両面印刷された一枚紙です。

取扱説明書ではないようです。
そして、取扱説明書はありません。
これはちょっと、不親切で宜しくないと思いまう。

モーゼル拳銃は、すらりと伸びたバレルが優雅さを感じさせます。

トイガンだと素材が樹脂製の為、強度面で少々不安を感じますが、デザインはとても格好良いです。

インナーバレルは真鍮製です。

フロントサイトは同時代の拳銃によく見られる三角形状です。

リアサイトはタンジェントタイプで、射距離に応じて簡単に操作できます。

まるで小銃のようなタンジェントサイトは、拳銃には過剰な装備に見えますが、現代の感覚では一周回って新鮮な印象です。

時代的には、ざっと思いつくところでも「FNハイパワー」や「南部式自動拳銃」等、同様のタンジェントサイトを搭載した拳銃は割と見られます。

最大仰角だと、もはやまぐれ当たりに期待するほかないでしょう。

この銃ではサイトは金属製で、再現度、強度共にバッチリです。

銃を構えた際の照準器の印象です。
細いバレルの先端にフロントサイトが位置しており、小銃のような印象を受けます。

リアサイトは細めのV型溝です。
古い時代の銃らしく、現代オートのような狙いやすさとは趣が異なります。

フロントサイトに焦点を合わせてみると、先端に向けてテーパーが掛かった形状が良くわかります。

エジェクターの外観も、エキストラクターは塗装で別パーツ感を演出してあります。

ボルトを引くと、エジェクションポートが開きます。
ブローバックモデルならではの楽しみです。

マガジンリップとチャンバー周辺の様子です。

現在のトイガンの基準に合わせ、HOP機能が搭載されており、性能も良いです。

上下分割さられているフレームのメカニカルな外見もよく再現されています。

グリップは独特の丸みのある形状で、「ブルーム(箒)」の俗称も納得です。
実銃では木製ですが、本品では木目調の成形色の樹脂製です。

グリップ底部にはランヤードを付ける為のリングを付けるマウント基部があります。
本品にはリングも梱包されていますが、キーホルダーに良く使われているごく普通の民生金具なので、かえって玩具ぽさが増すと感じ、私は取り付けていません。

「モーゼル M712」はフルオート機能が追加されたモデルなので、「モーゼル C96」では肉抜きされたフレームの位置に、セレクターが設けられています。

セレクターはボタンを押しながらスライドさせるように動かすと、画像の位置に回すことが出来ます。
この状態でフルオートモードです。

フレーム後部には、セレクターをはじめボルトハンドル、ハンマー、セフティレバー等の作動メカがぎっしり詰め込まれています。

初弾を装填し、射撃可状態の様子です。
ボルトを引くと連動してハンマーが起きた状態になります。

ハンマーの手前にあるのがセフティレバーです。
画像の状態で射撃可能位置です。

初弾装填状態でセフティを掛けた様子です。

セフティレバーを上に持ち上げると、安全装置が掛かります。

マガジン内のBB弾を全弾撃ち尽くすとボルトストップが機能し、ホールドオープン状態で停止します。

既存のマルシン製品ではボルトストップが再現されておらず、この点だけでもAW製品は私にとって断トツの高評価です。

ボルト後退時のモーゼルの外見は、殊更メカメカしい印象で、実に格好良いです。

ボルトの後退に伴い、ハンマーは起きた状態で作動停止します。

実銃の動さを再現する為、相当に工夫が凝らされたブローバック機構の様子が垣間見えます。

ボルトの後退量は、実銃に比べると短いですが、実際に撃ってみると充分にリコイルが感じられます。
スライドの移動するブローバックとは異なる、ボルト式ならではの撃ち味が独特で楽しいです。

本品に付属のマガジンはロングマガジンタイプです。

装弾数は26発です。

ロングマガジンはガスタンクの容量が充分確保できるため、ガス切れの心配が無いのが嬉しいですね。
作動性能良好な本銃でも、ショートマガジンだとガス容量が少な過ぎて全弾撃ちきれない事があるので別売マガジン購入時には注意したいところです。

目立つガスバルブのおかげで、素早い操作時にも前後方向を間違える事はありません。

マガジン上部の形状です。
ガス放出パッキンが赤色なのが、先行して流通しているマルシン製品と同じなのがわざとなのかなんなのか、妙な一致が面白いです。

長方形のマガジン形状はハンドガンというよりサブマシンガンのような印象を受けます。

給弾スプリングは、個体によっては途中で引っ掛かるものがあります。
外れ個体に当たった場合には、シリコンオイルを使うなどの調整が求められる点です。

直輸入のWE製品だとガス圧の設定の違いから、吹き戻しが無く満タンになったかどうかわかりづらかったのですが、本製品では日本仕様のバルブが使われており、ガス満タンで吹き戻しが起こるので便利です。

付属のストック・ホルスターです。
初回ロットではストック付きフルセットのみ発売でしたが、のちにホルスターの付属しない廉価版もリリースされました。

素材は木目調成形色のABS樹脂製です。

樹脂製なので、非常に軽いです。

ストックホルスター本体は樹脂製ですが、可動部は金属製でしっかりした作りです。

海外製のモーゼルストックホルスター専用革ストラップに収納してみました。

ストラップ側の個体差や製造メーカーの違いによると思いますが、私の所有品は微妙にサイズが合わないようで、収まりが良くありません。

そのため、ストラップがつづみボタンまで届かず、留められませんでした。


ストック側面の黒いボタンを押すと、蓋が開放されます。

内部は金型製品ならではの構造がリアル感を損ねてはいますが、実物同様に蓋裏側の板バネが再現されており、機能性は高いです。

ストック・ホルスターに拳銃を収納した状態です。

構造上、グリップが露出した状態になりますが、中身ががたつく事もなく、実用性は充分です。

蓋留めボタンを押すと、板バネの効果で自動的に蓋が跳ね上がります。
実物同様の構造で利便性も高いです。

ストック・ホルスター先端の金具の形状です。

このレールをモーゼル拳銃のグリップの溝にはめ込む事で、ストックとして使用できます。

「モーゼル M712」にストック・ホルスターを装着した状態です。

サイズ的にも操作感も、カービン銃を撃っているような、拳銃らしからぬ存在感があります。

ストックを装備する事で、頬付け出来るので銃自体がしっかり保持出来るので、命中精度も高められます。

ストックを付けると形状的にグリップを握り込む事が出来ないので、親指は銃側面に沿わせて、手のひらで包み込むような持ち方になります。

「モーゼル M712」はフルオート機能を追加したモデルなので、ストック付きで簡易サブマシンガンとして運用出来ます。
実際の戦場でも、代用機関銃としての需要から生まれたモデルなので、ストック装備は必然と言えましょう。

マガジンを外した状態です。

ショートマガジン使用時と、ほぼ同じ外見です。

マガジンが露出しないとスマートな印象を受けます。

フルオート機能が搭載される前の「モーゼル C96」だとこのスタイルですね。

ボルトオープン状態では、マガジンがないとチャンバー付近が筒抜けでよく見えます。

AW製「モーゼル M712」を、マルシン純正木製ストック・ホルスターに収納してみました。

リアルサイズなのが幸いして、問題なく収納出来ました。

付属のストック・ホルスターも勿論使えるアイテムなのですが、携行する為には革製ハーネスが必要なので、マルシン製ストック・ホルスターは重宝します。

サバイバルゲームや軍装コス時にベルトに吊るすには、革製ハーネスが使えるかどうかは重要です。

マルシン製ストック・ホルスターはリアルウッドなので質感は抜群に良いです。

マルシン製品は物によって木製パーツのクオリティに当たりはずれがあり、同じ製品でもロットによって明確に質感が変わったりするので、購入する際にはいつもある種のギャンブルのような心境です…。

この個体は“当たり”で、木材の硬さ、木目の綺麗さ、表面仕上げの良さ、全てにおいて満点が付けられます。

とりあえずフォローしておくと、ストック・ホルスターに関しては、概ね悪い話は聞かないのでロット差等もあまり気を使わなくてもよさげです。

ストック・ホルスターの蓋はボタンを押すと内蔵の金属フックが外れ、開放されます。

マルシンの現行生産流通品では、蓋の内側の板バネが省略されています。
古い製品では板バネは再現されていましたが、トイガンを収納する場合に板バネが樹脂製の銃を痛める危険性を考慮して、あえて省略したのだそうです。

取り出し・収納途中の様子です。
ストック・ホルスターはモーゼルの形状に合わせてくりぬかれており、無理せず余裕をもって収納出来ます。

ストックとしての機能を持たせるため、ホルスターとしてみた場合、だいぶ大柄な装備品と言えます。
大型拳銃であるモーゼルと並べてもなお存在感があります。


マルシン製ストック・ホルスターも、AW製「モーゼル M712」に問題なく装着出来ます。

ストック・ホルスターを装着した「モーゼル M712」です。
付属のストック・ホルスターと比べると、さすがに本物の木製なのでリアリティに差が出ます。

こうしてみると、樹脂製グリップが浮いて見えます。
いずれ木製グリップに取り替えたい所です。

ストックとグリップの連結部は統一感があり綺麗です。
ストックの装着前提の銃のデザインが見て取れます。

ストック側のレールは金属製で、銃側のフレームは樹脂製なので、負荷を掛けないように注意したいところです。

ストックを装着する事で、単体で構えるよりも精密な射撃が可能です。
このスタイル、私は藤原カムイ先生の漫画「犬狼伝説」の首都警特機隊が真っ先にイメージされます。
