今回のレビューはマルシンのガスブローバックハンドガン「南部十四年式・前期型」です。
マルシンではガスブローバックモデル以前に、固定ガスガンがリリースされていました。
東京マルイ製エアコッキング以来、待望のアイテムだったのですが、口径がマルシン独自規格の8㎜BB弾仕様だったり、外見はともかく実射性能はいまいちで、ガッカリさせられる代物でした。
その点、このガスブローバックモデルは前作での不満点にしっかり対応してあり、満足度の高い製品になっています。
私が購入したのは初回ロット、前期型を選択したのは特別な理由があったわけではなく、単に固定ガスのときに後期型を購入したので、今度は前期型にしようと、それだけの思いつきです。
固定ガス版からの金型流用がなされているようですが、実銃と比べて外見はよく再現されています。
旧製品同様8㎜BB弾仕様のため、実銃に比べるとアウターバレルが太めで「ブルバレル・ナンブ」といった趣なのですが、気にしなければ許容できる太さといえましょう。
初回特典として木製グリップが標準装備されていますが、質感が何だかプラスチックみたいで残念な出来です。
強度的に多少不安の残る部分でもあります。
ガスブローバック版で改善された点で、私が最も評価しているのがこのセーフティです。
固定ガス版では構造上フレームに傷がつくのを防ぐ為か、あまりにも緩すぎて安全装置の用を為していませんでした。
その点、ガスブローバック版ではクリックが効いておりしっかり固定されるので安心です。
結果的にフレームに擦れ溝が付いてしまいますが、実銃でも溝掘られてますから、リアルで結構。
私的に前期型の一番の魅力は、このコッキングピース後端のエングレーブ処理です。
この段々に並んだ感じと外周に彫られた格子溝が芸コマですね。
後期型では単なる円柱と化してしまい、色気がなくてよくありません。(ダルマ型用心鉄は好きなんですケドね)
チャンバーを上から覗くと、ブローバックメカがぎっしり詰まっている様子が見て取れます。
エキストラクターはモールドで表現されていますが、立体感に乏しくあまりリアルとはいえません。
実銃では前期型はニッケルメッキでしたから、イメージを良く再現しているのではないでしょうか。
固定ガス版と比べると、給弾リップの形状が全く異なりますので、両者を取り違える事はまず無いです。
私の購入した初回ロットは、どうもこのリップ部分に難があったようで、給弾不良を頻発してしまい、程なく修理に出すハメに…orz
日本陸海軍で使用された十四年式拳銃用ホルスターです。
原型はフランス軍のピストルホルスターで、写真で見る限り、外見は殆ど同じです。
同時代の他国のホルスター同様、出し入れの容易さよりも、拳銃の紛失や破損防止を前提としたデザインなので、やたら頑丈ですが、その分無駄にかさばるように感じます。
使ってみて実感しましたが、素早い抜き差しには全く向いていません。
但し、総革製だけに、質感は良好で、型押しした革製の本体は、保革油で磨けば磨くほど輝きを増し、手入れする程に愛着が沸きます。
撃ち味は、マルゼンのワルサーPPK/Sに酷似しており、軽い反動でキビキビ動きます。
実銃でも8㎜拳銃実包はちょうど32ACPと同等の威力ですし、中型ガスガン並みの反動というのは実銃のイメージ通りで、なかなかリアルなんじゃないかなと思います。
射撃性能はマルシンクオリティというか、「並」という感じで、飛距離はそれなりにありますが弾道は若干不安定です。
ゲームウェポンとして一番ネックとなりそうなのが装弾数で、実銃同様、1弾倉につき8発装弾です。
8㎜BB弾という特殊性もあり、サバイバルゲーム用としては使い勝手はよろしくないです。
流石に市場にマッチしていないとマルシンが思ったかどうかはわかりませんが、現在は6㎜BB弾仕様に改められた上で定期的に再販されており、コンスタントに売れているようです。
今後も、他社との競合が無い限りは安泰のようですが、決して100点満点性能とは言えないので、願わくば海外勢の挑戦に期待したいところではあります。
【商品紹介】
近年のトイガン業界全般にも言える事ですが、マルシン製品も新製品や再販のタイミングを逃すと柳津が著しく少なく、安定供給しなくなりました。
「推しは推せる時に推せ」ならぬ、「”欲し”は買えるときに買え」という感じですね…。
「マルシン ガスガン 南部十四年式 前期型 木製グリップ 18歳以上」…現在は6mmBB弾仕様に改められて、再販されています。