アメリカ陸軍の「キャンティーン(水筒)」です。
画像の物はベトナム戦争初期に使用例の多い、「M1956キャンティーン・カバー」と金属製キャンティーンの組み合わせになります。
M1956キャンティーン・カバーは、従来のキャンティーン・カバーを改良した物で、基本構造は同じながら、弾帯への装着方法をスライドキーパー式に改め、フラップのボタンもドットボタンに変更されています。
当初はアメリカ陸軍にて採用、その後アメリカ海兵隊でも後を追うように採用しています。
画像の物はM1956キャンティーン・カバーの中でも初期型とされるもので、フラップの外縁部分がコットン製です。
後期型では、この部分がナイロン製に変更されています。
装着方法がダブルフックからスライドキーパーに改められた事で、激しく動いた際に水筒がぶらぶら揺れることがなくなり、使い勝手が向上しました。
フラップの固定はドットボタン式となりましたが、この部分は特に優劣の差は感じられません。
キャンティーン・カバー内側には、従来の「M1910キャンティーン」以来のパイル地が貼り付けてあります。
収納しているキャンティーンは金属製のものです。
ベトナム戦争でも1965年の派兵当時はこの金属製水筒が主流でしたが、徐々にプラスチック製キャンティーンに更新されていきました。
なお、私はアメリカ軍の物と同型の陸上自衛隊・旧型水筒を流用しています。
刻印を見れば丸分かりですね。
キャンティーンに付属するカップはアメリカ陸軍の実物中古品です。
このカップにもバリエーションがありますが、本品はフチの部分が丸められたタイプになります。
形状は第二次世界大戦以来の、バーハンドルタイプです。
中古品ということもあり、かなり使用感のある外観です。
使用時にはバーハンドルを画像のように展開し、可動式の爪で固定します。
独特のL字型の持ち手が特徴ですが、1970年代にワイヤーハンドル式に改められました。
カップの外縁は第二次世界大戦時によくみられた、丸くプレス成型された物です。
このフチの部分の隙間に唾液や水などが溜まり、衛生的でないとして、のちにプレス成型を廃止したモデルが造られるようになったと聞いた事があります。