ベトナム戦争初期のアメリカ陸軍歩兵装備です。
フルサイズの7.62mmNATO弾を用いる「M14自動小銃」を携え、フルカラー徽章を縫い付けたオリーブグリーン単色のユニフォーム、その襟元から覗く白Tシャツは、自信に溢れた強いアメリカを印象づける格好良いスタイルです。
1965年のベトナム派兵当時の野戦服である「OG107ユーティリティ」はオールシーズン向けの作業服兼戦闘服であり、主にヨーロッパでの使用を前提に作られており、熱帯地向けの物ではありません。
また、戦闘靴も黒革製の編上靴であり、熱帯雨林のベトナムの環境には向いていませんでした。
OG107ユーティリティシャツは1955年頃に最初のモデルが登場した後、幾度かの改良を加えながら長らく使用されました。
大別すると4種類のタイプに分けられますが、私が所有するのは2番目のタイプで、しかも正確には官給品ではなく、兵士向けに製造・販売されていたローカルメイドもしくはPX流通の民生品です。
官給品とは細部の形状や布地の質が異なりますが、戦時中に作られたものには違いないので、サバイバルゲーム用には価格も手頃で良い買い物でした。
シャツと組み合わせて使用するズボンは、カジュアル・ファッション向けに製造された民生品です。
形状を似せて作られているだけの物なので、当時の軍規格等は一切考慮されていませんが、例によってサバイバルゲーム用と割り切って使用しています。
1960年代のアメリカ陸軍兵士は、軍服のインナーにTシャツを着ていました。
デザインは現代の物と大差ない物ですが、特徴として白色の綿製Tシャツを着用しています。
もっとも、ベトナムに派遣された部隊は、程なく容赦ない戦火に晒され、シャツは現地でODに染められ、徽章も順次ODサブデュード製に取り替えられていきました。
やがて、手にする銃も小型軽量な新型の「M16A1ライフル」に置き換わり、熱帯地域向けのジャングルファティーグやブッシュハットをラフに着こなした、戦争映画でお馴染みのベトナム戦争装備が主流となりました。
軍装の変遷を大雑把に把握するなら、1965年にOG107ユーティリティとM14自動小銃をもって参戦した陸軍は、1966年頃にM16A1初期型を導入、1967年頃からジャングルファティーグが普及し始め、1968年以降、ジャングルファティーグ最終型とM16A1後期型のベトナム・スタイルが定着しました。
装備しているM14は東京マルイ製電動ガンです。
長射程と高い命中精度でスナイパーライフルとしても人気の銃ですが、軍装コスプレ的にはアイアンサイトでの狙撃が一番気分が出ますね。
東京マルイ製M14のチャージングハンドルは可動式なので、マガジン装填後に「チャキーン!」と良い音で装填操作をするのも面白いです。
M1956装備のマガジンポーチにはM14用マガジンが2本収納できます。
このポーチは「ユニバーサル・アムニッションポーチ」と呼ばれ、制式採用当時に米軍が使用していたほぼ全ての歩兵用小火器の弾薬が携行できるよう、ゆとりを持ったサイズで作られています。
M14はM16A1と比べると、とにかく全長が長いのですが、その長さこそが魅力ともいえます。
1965年、ジャングル内をパトロールする陸軍歩兵です。
眼鏡フレームも当時の官給品に似たフレームを調達しました。(眼鏡男子のちょっとしたコダワリです…w)
この装備の撮影時には「M1961フィールドパック」を使っていますが、のちに「M1956フィールドパック」を入手したので現在は装備を組み直しています。
茂みの中の捜索の様子を想定してみました。
OG107ユーティリティとヘルメット・カバーのミッチェル迷彩は密林にも溶け込みそうですが、一方でフルカラーパッチが目立つのが良くわかります。