
中国人民解放軍の「65式ゲートル(巻脚絆)」です。
中国人民解放軍では、建軍以来ゲートルが個人装備として用いられており、映像資料では1980年代中頃まで使用例が見られます。

中国人民解放軍では、基本的には足回りはズック製の「解放靴」を履くのみで、ズボンの裾もそのままにしておくのが殆どでしたが、山岳地帯での戦闘や、長期徒歩行軍の際にはゲートルも使用していました。

素材は土黄色(カーキ)もしくは軍緑色(濃緑色)の綿布製で、端末も縫われていない極めて簡素な作りです。
肝心の使い心地は、私の試用した限りにおいては、極めて扱いづらいと感じました。

日本陸軍の巻脚絆との比較です。
日本軍の物は絨製で伸縮性があり、適度な巻き具合で使えるのですが、生地の薄い綿製の人民解放軍ゲートルは柔軟性が一切無く、よほど上手く巻かないときつすぎて鬱血して足が痛くなり、加減して巻くと歩いているうちに簡単に解けてしまいます。

しばしば「日本軍の代用に」の文言で販売されているのをみかけますが、そのつもりで手を出すのはお薦めしません。
日本軍の複製品ですが、代用に適しています。