中国人民解放軍のズボン用ベルト「65式内腰帯」です。
65式内腰帯には、「65式外腰帯」同様、幌布製と人造革製の2種類があります。
人造革製ベルトは、幌布製に比べベルト本体が若干細めで厚みも薄めです。
バックルは一回り小型で全体に角ばった作りになっており、もっぱらプレス加工で作られています。
より低コストで製造できるように設計されたようです。
サイズ調節は、一般的なGIベルトと同様の作りで、幌布製と比べても扱いやすい印象です。
ビニール質の人造革の弾力性とロック・バーの相性もよく、使い勝手は悪くないです。
幌布製がコレクション品に留まる旧製品であるのに対し、人造革製は2000年代まで現用装備品として製造・支給されていました。
現在は編みナイロン製の「07式内腰帯」に更新されましたが、二線級部隊や中国民兵、大学生の教練用として製造・販売が続けられています。
こちらは「65式幌布内腰帯」です。
人造革製よりも古い装備品になります。
「65式外腰帯」と違い、幌布製と人造革製では単にベルトの素材が異なるのみならず、ベルトの幅やバックルの構造等、あらゆる点に相違があります。
ベルトはコットンウェッブ製で、ちょうど米軍のGIベルトに良く似た質感です。
バックルは大きく、表面は丸みを帯びています。
サイズ調節は折れ曲がるバックルの基部でコットンベルトを挟み込み圧迫固定する構造です。
バックルは基部を起点に180度曲がります。
バックルのヒンジ部分です。
ベルトは画像のようにバックルに通します。
この状態でベルトの通す長さでサイズを調節します。
バックルを戻す際にベルトが挟み込まれ、固定されます。
自衛隊の迷彩服ズボン用ベルトと同じ理屈です。
ベルトの遊環は金属製です。
バックル含め金具類はメッキ処理された金属製ですが、年代物の為か各部に錆が目立ちます。
幌布ベルトはロシア軍のAK用スリングベルトを彷彿とさせる風合いです。
バックルは独特の丸みを帯びた形状で、サイズも大きめです。
2種類のベルトを並べてみると、構造の違いが良くわかります。
幌布製ベルトのほうが、バックル含め大きめに出来ています。