中国のトイガンメーカー・リアルソードから発売されている「97式自動歩槍(自動小銃)」の電動ガンです。
リアルソードは実銃の工場のラインで部品を製造していると言われており、本物と区別がつかない程、リアルな質感で定評があります。
97式小銃は、中国人民解放軍の制式小銃である「95式自動歩槍」を、人民解放軍独自の5.8㎜弾から国際標準規格の5.56㎜弾へと変更・再設計した、輸出用モデルです。
海外民間市場へのリリースの他、軍用としてはミャンマー軍とカンボジア軍で採用されています。
マニア視点からすると、本来なら95式小銃が欲しいところですが、噂によるとお国事情によりモデル化できなかったらしく、メーカーとしてもやむを得ず97式小銃を選んだらしいです。
私の所有する97式小銃は、ネットオークションで落札した中古品です。
そこそこ使用感はあるものの、別売りのマウントベースが付属していたのでお得に済みました。
付属の取扱説明書です。
バレル周辺の構造です。
殆ど金属製で“剛性の塊”といった趣です。
中古で入手した為、全体にガンオイルが飛んでしまって、金属表面が乾燥しています。
ガスレギュレターは実銃と同じように可動出来ます。
電動ガンとしての機能には全く関係ありませんが、モデルガン的に嬉しいポイントです。
なお、画像の状態が通常使用時の適正位置です。
私は当初、中央位置が適正と思い込んで使用していました。
画像はネット検索より拝借した物ですが、確かに斜め位置になっています。
きちんと調べないといけないな、と痛感した一件です。
フロントサイトポストです。
97式小銃のフロントサイトは、リアサイトの位置に合わせるため、ツノのように突出した印象を受けます。
ブッシュの濃い地形で運用すると、ツタが巻き付いたり木の枝にぶつけたり、扱いに苦労します。
リアサイトは2段階の切り替え式です。
照準器の形状は、米軍のM4シリーズのようなピープサイトです。
サイト自体のサイズが小さいのと、デザイン的な物でしょうか、M4カービンやAKシリーズと比べると、狙いが付けにくい印象です。
リアサイトはキャリングハンドル上に位置しており、キャリングハンドルには光学サイト等のアクセサリーを装着する為のマウントシステムが設けられています。
実銃では専用設計の低倍率スコープが用意されていますが、電動ガンではピカニティレール対応のトイガン用マウントベースが別売りされています。
トイガン用マウントベースはネジ2本を六角レンチで固定して取り付けます。
取り付けるには、まずマウントベースをキャリングハンドルのマウントへスライドさせて装着します。
適正位置に差し込んだら、六角レンチでネジを締めこんで取り付け完了です。
キャリングハンドルの位置がもともと高いため、更にマウントを介して光学サイトを装着すると、かなりのハイマウント・スタイルになってしまいます。
運用には工夫と馴れが必要ですね。
チャージングハンドルはキャリングハンドルの空洞内に位置しており、実際に引くことが出来ます。
チャージングハンドルを引くと、エジェクションポートが連動して開き、HOP調節ダイヤルにアクセス出来ます。
スリング取り付け金具は、フロント側はハンドガード前方に設けてあります。
リア側は、バットストック近くに設けてあります。
配置は95式小銃と全く同じです。
バットストックは硬質ラバー製で、実銃を思わせる頑丈さが感じられます。
セレクターはかなり後方に位置しています。
画像の位置で安全状態です。
セミオート位置です。
フルオート位置です。
トリガーから遠い配置は、片手での操作が出来ず、操作性は決してよいとは言えません。
設計陣も問題視していたようで、改良型で現在配備が進められている「95-1式自動歩槍」では、グリップ付近にセレクターを配置してあります。
フォアストックはフレームと一体成型のポリマー樹脂製です。
グリップ感も良好で、良いデザインだと思います。
トリガー・フレーム周辺の構造です。
全体に、そつなく纏められている印象です。
マガジンハウジング部分です。
95式小銃との最大の違いがこの部分で、5.56㎜弾対応のマガジン用に、大幅にデザインが変更されています。
右手で銃を構えながら左手でマガジンを取り外す操作はスムーズに出来ました。
付属のマガジンはスプリング給弾式です。
外装はスチールプレス製でリアル感は抜群です。
こちらはオプションで別売りされている、ゼンマイ式300連マガジンです。
スチール外装はリアルですが、油断しているとすぐに赤錆が浮いてしまうのが面倒です。
グリップ部分です。
定番の電動ガンと違いグリップ内にモーターを配置していない分、実銃と同じで薄く出来ており、握った際の違和感がないのが良いですね。
グリップ底部の蓋はボタンを押しながらスライドさせると取り外せます。
あらかじめバッテリーコネクターをグリップ内に取り回しておけば、小型のバッテリーならグリップ内に収納可能です。
バッテリーはグリップ内にあるコネクターに接続使用します。
取扱説明書では、一旦97式小銃本体を分解して、T型のニッケル水素バッテリーを入れるよう指示されていますが、あまりに面倒過ぎます。
なんとかグリップ内に収納出来ないものかと、リポバッテリーをあてがってみましたが、標準的なミニサイズは幅の問題から収納出来ませんでした。
幸いにも戦友より頂いたスティック型リポバッテリーのショートサイズがうまい具合に入ったので、バッテリー収納問題は解決です。
バッテリーが小型なぶんパワー不足のようで射撃時のレスポンスが若干悪い感じもしますが、戦闘力に影響する程ではないので、利便性優先で使っています。
95式小銃は存在が公表された当初はその外見から“中国製FA-MAS”というジョークで「チャマス」と呼ばれたりもしました。
実際に並べてみると、似ている部分はあるものの、ブルパップ小銃というカテゴリー以外、全くの別設計だとわかります。
パーツのレイアウトは参考にしているでしょうけど、それは他国の銃にも言える事ですね。
なお、中国のネット情報で知ったのですが、本銃の設計においては「ステアーAUG」が大いに参考にされたそうです。