帝国陸軍制式下着 ~ 越中褌 (民生品)

一昔前は、過去の遺物のイメージだった「褌(ふんどし)」ですが、現在ではクラシックパンツなどと呼ばれ見直されているようです。

”ミリタリーと褌?”と奇異な印象を持たれると思いますが、さにあらず、現在主流となっている褌のイメージである「越中褌(えっちゅうふんどし)」は、我が大日本帝国陸海軍が普及させた物、つまりは立派な軍用アイテムなのです!(断言)

そもそも、江戸時代・幕末期まで褌といえば「六尺褌(ろくしゃくふんどし)」が主流でした。

六尺褌は現在は祭りで見かけることが多いようですが、長い綿布をねじり、股間に締めこむように着用するのが特徴です。

非常に男らしさを感じる下着ではありますが、現代の日本人が日常着に用いるには見た目や使い勝手から、いささか抵抗がありますね。

対して越中褌は、わかり易くいうとヒラヒラのついた紐パンといッた感じで、非常にシンプルなつくりです。

六尺褌に比べればライトな印象であり、現在商品名として使われる事の多い「クラシック・パンツ」という呼称も納得できるという物です。

明治時代に国を挙げての富国強兵の中、徴兵制が始まり、軍隊で兵士全員が命令に従い戦う事をみっちり叩き込まれた訳ですが、その訓練の一環として、共同生活を営む兵士全員が、軍服から下着まで全て同じ物を着て、同じ釜の飯を食い、同じ時間軸の中で行動する事を徹底的に強制され、規律ある軍人に作り上げられていきました。

そこで褌の話に戻りますが、この際に日本陸軍に正式下着として定められたのが越中褌だったわけです。

六尺褌と比べて製造に当たっては生地が少なくて済み、着用が簡単で誰にでもわかり易く、家庭でも容易に縫製可能、そして垂布が股間を隠す位置に来る為、見た目にもソフトである事が好まれたようです。

軍隊での着用が強制された結果、明治・大正を過ぎて昭和になると、日本全国の日本男子の下着として認知されるに至りました。

今日、褌といえば越中褌が連想されるのもこのためと思われます。

 

 

戦後は、軍国主義時代の強制された物という拒絶感から敬遠されたり、また洋服文化が戦前以上に浸透した結果、より軽便なパンツ(ブリーフやトランクス)が普及していく中で、褌は過去の遺物とみなされていったようです。

かつて習慣で着用していた世代が減少していく時代の流れもあり、忘れ去られる一方だったのですが、どうやら最近は若い世代が日本文化に興味を持つ中で見直されているようで、図柄の工夫や機能性を考慮したデザインのアレンジにより、定番とはいかないものの一定のシェアを確立しているようです。

 

 

「越中褌」は長方形の布に締め紐が付いていますが「六尺褌」は長い晒し布を捻り、細長い棒状にして股に締めこむのが特徴です。

締め方はいくつもあり、着こなしによってその人の“褌歴”がわかるといわれる程です。(Wikipedia調べ)

軍服だけでなく、その下に身につける下着にも拘ってみる事で、当時の兵隊さんの気持ちのほんの一片だけでも経験できればとの気持ちで私も日本軍装の際には極力、褌を着用しております。

純粋に下着としてみた場合、ゴムで常に圧迫される感じがしない点、素材が木綿で通気性が良い点が快適です。

反面、トイレの用事やズボンのなかで前垂れをもてあます点など、洋式の生活において不便と感じる部分もあり、褌が廃れていった理由も実感できました。

ただ、お薦めか否かと問われれば、お薦めできる下着といえます。股間から、和の心を感じてみましょう♪

 

 

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