中国人民解放軍の「81式迷彩服」の数多いバリエーションの一つをまた入手しました。
この迷彩服は、よく知られるスタンダードな「81式」と違い、リバーシブルになっておらず、便宜上「夏用」とされる緑系迷彩柄のみで作られています。
襟は折襟、開襟どちらでも使用できます。
胸ポケットには隠しボタン式のフラップが付きます。
上着は短ジャケットスタイルで、裾にゴムが縫い込まれており、動きやすさを考慮したつくりです。
袖の様子です。
袖口はボタン留めです。
上腕部には包帯入れと思われる小型ポケットが設けてあります。
上着の背面の様子です。
偽装ループやエポーレット等はなく、いたってシンプルな造りです。
上着の前合わせ部分はボタン留めです。
胸ポケットと同じく、ボタンは外部に露出せず、作戦行動時に草木に引っ掛からないよう工夫されています。
裏面は白無地綿製です。
縫製から見ても、雪原用というわけではなく、単純に染色されていない生成り素材のようです。
肘部分は補強のために何重にも重ね縫いがされています。
裏面から見ると、補強縫いの様子がよくわかります。
「81式迷彩服」の特徴である、襟内側のポケットに収納されたフードです。
引っ張り出して被ることで、頭部を迷彩偽装出来ます。
フードには顔面を覆うフェイスマスクが付属しています。
覆面はフードに縫い付けられており、取り外すことはできません。
フードを展開した状態の上着の様子です。
この個体はリバーシブル仕様ではない為、裏面の白無地が目立ちます。
フェイスマスクは取り外せない分、コレクター視点では洗濯などで破損しないよう、気を遣うところです。
上着の裏地の様子です。
タグ・スタンプが確認出来ますが、記載内容は判読できませんでした。
ズボンはスタンダードな「81式」のデザインで、シンプルなチノパンスタイルです。
前合わせはボタン式、軍用ズボンらしいつくりです。
上着同様、裏地は白無地です。
膝付近は強度補強の為、重ね縫いされています。
裾は紐が内蔵されており、巾着袋式に足首で結んで固定します。
ズボンの背面の様子です。
ズボンには尻ポケットが2か所設けられています。
ポケットには隠しボタン式のフラップが付いています。
股部分は円形に重ね縫いしてあり、強度を高める工夫が見られます。
他にはポケットはなく、シンプルな作りです。
ズボン側面の様子です。
ズボン側面には、スリット式の物入れがあり、重ね着ではなく「81式」単体での着用を考慮した作りが伺えます。
ズボン裏面にはタグ・スタンプが確認できますが、残念ながら詳細は分かりません。
ズボン側面・太もも付近の様子です。
ズボン側面・裾の様子です。
構造はシンプルな筒型です。
裏面から見ると、股部や膝の補強縫いの様子が良くわかります。
【商品紹介】
「戦場からニイハオ: 中国女性従軍カメラマンの日記 単行本 – 1999/10/1」…中越国境紛争当時の、人民解放軍カメラマンの女性のノンフィクションエッセイです。戦場の体験や、撮影された写真が掲載されており、勉強になります。