アメリカ海兵隊 P1941 HBTユーティリティ (中田商店製・複製品)

アメリカ海兵隊の「P1941HBTユーティリティ」です。

本品は中田商店で販売されている、セスラー社の複製品です。

 

 

HBTユーティリティは本来は作業服として支給された被服ですが、本来軍服として着用されていた「チノ・シャツ」の明るいカーキ色やタイトな裁断が、南太平洋の島嶼地域向きでは無かったため、第二次世界大戦全期間を通してHBTユーティリティが戦闘服として使用されました。

 

 

HBTユーティリティはまずP1941、のちに戦訓を取り入れて改良されたP1944が採用されましたが、P1944の着用は1945年の沖縄戦末期に見られる程度で、もっぱら戦後、朝鮮戦争において本格的に使用されました。

 

 

襟は第1ボタンで留める事が出来ますが、戦地ではもっぱら開襟で着用されていました。

 

 

本品はP1941の中でも後期生産型を再現した物です。

初期の物との主な違いは、ドーナツボタンが赤銅色だったものを黒塗装とし、胸ポケットも初期の物よりエッジが角ばっています。

 

 

袖口はドーナツボタンで留めます。

 

 

ボタンホール2つに対し、ボタンが4つも付いていますが、実物では2つです。(この製品、ボタンが多すぎますね…w)

 

 

余分なボタンを外すのは簡単ですが、穴が残ってしまうので、私は着用時には袖まくりをして誤魔化しています。

 

 

こちらは対になるズボンです。

生地は「HBT(ヘリンボンツイル)」、日本語で「杉綾織り」と呼ばれる布地ですが、陸軍とは織目が違うのが特徴です。

色も陸軍のオリーブグリーンに比べ、明るめのセージグリーンとなっています。

 

 

ズボンには側面に手を突っ込めるポケットが2つあります。

 

 

更にズボンベルトループの近くに懐中時計を入れるための小ポケットがあります。

このあたりの造りが時代を感じさせますね。

 

 

背面には貼り付けタイプの尻ポケットが2つあります。

側面のポケットもそうですが、陸軍の作業服のようなプリーツは一切無く、容量は非常に少なくあまり実用的ではありません。

 

 

海兵隊独特のズボンベルトを通したところです。

セージグリーンにライトカーキのベルトと真鍮バックルの色味が映えて良い感じです。

 

 

前合わせはボタン式です。

ボタンはジャケットと同様、陸軍とは異なる海兵隊独自のドーナツボタンが使われています。

 

 

ズボンには内張りなどなく、いかにも作業服らしい造りです。

 

 

ズボンの裾は単純な筒袖で、絞り紐等は一切ありません。

 

 

アメリカ海兵隊の官給品Tシャツの複製品です。

第二次世界大戦当時のアメリカ海兵隊のインナーシャツは独特の青みがかった色調が特徴なので、アメリカ製の精巧複製品を入手しました。(Tシャツにしては少々お高く、1枚¥4,000でした)

 

 

着装状況・正面。

ユーティリティ(作業服)なので、全体にゆったりしたデザインで、軍服らしくないところが米軍らしいですね。

帽子は「P1941カバー」を着用しています。

帽子自体は陸軍のM1941ユーティリティキャップと全く同じ物ですが、海兵隊では伝統的に帽子を「カバー」と呼ぶそうです。

 

 

着装状況・背面。

服の裁断のシンプルさ、着心地のゆったりした感じがよくわかります。

大戦初期の南方装備であるチノ・シャツ&チノ・パンツがP1941HBTユーティリティへと取って代わられたのは、服の色もさることながら、着用時の動きやすさが大きな理由だと思います。

 

 

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