~一番 「使える」 ドラグノフ…かも?~ SVDドラグノフ狙撃銃 (キングアームズ製・電動ガン)

キングアームズ製の電動ガン「SVDドラグノフ狙撃銃」をレビューしたいと思います。

 

 

キングアームズ製品の外箱は、蓋が折り曲げ式の一体型なのが特徴です。

 

 

梱包材はS&T製品をはじめとする中国製品で良くみられる素材です。

 

 

取り扱い説明書の付属しています。

イラストを多用しており、操作方法がわかりやすく記述されています。

 

 

箱出し状態のSVDの外観です。

第一印象は「細い!」「長い!」でした。

全体にスリムなデザインの為、より全長の長さが強調されています。

 

 

真上から見ると、フレームはじめ銃全体の薄さが良くわかります。

 

 

本製品はフルメタル・リアルウッドが売りの製品で、サバイバルゲームに適した構造・性能を目指したと宣伝されていました。

 

 

レシーバーの様子です。

マウントレイルは大抵のドラグノフスコープはポン付け不可能なのが定番ですが、同社から同時発売されたレプリカスコープは多少手間取ったものの、取り付ける事が出来ました。

 

 

給弾口付近はスタンダードな電動ガンの構造です。

 

 

スリングベルトはガスバイパスとバレルの連結部分にナスカンを取り付ける穴が設けられおり、そこにフックを引っかける作りです。

銃身に負荷がかかる作りですが、フルメタル製なので強度的にはある程度の安心感があります。

 

 

ストック側にはスケルトン部分に金属製の軸が通してあり、そこにスリングを通して折り返して使います。

こちらの強度もしっかり作られているので破損の心配はなさそうです。

 

 

グリップの底部には、樹脂製の蓋がしてあります。

購入時には成形色のままでいかにも玩具っぽい見た目だったので茶系塗料で塗装してみましたが、あまり印象は変わりませんでした。

実銃ではこの部分はベークライト製でソ連時代特有のマーブル模様の成形色だったようです。

 

 

電動ガンと同じ、キングアームズから発売されているスコープを一緒に購入しました。

ソ連軍のSVD専用スコープ「PSO-1」のレプリカ品です。

 

 

PSO-1のトイガン用レプリカは複数メーカーから発売されています。

良く見かける製品は見た目だけの物が多いですが、キングアームズ製は実用性を売りにしていたので期待して入手しました。

 

 

表面の質感はざらざらした感じで、艶消し塗装仕上げです。

 

 

PSI-1スコープならではのメカニカルな構造もよく再現されています。

 

 

対物レンズ用カバーはスコープマウントに固定されており、紛失防止もバッチリです。

 

 

軍用実物も同様の構造をしています。

 

 

レティクルの上下左右の調節は問題なく行えます。

 

 

接眼レンズ側にはゴム製のアイパッドが取り付けてあります。

 

 

このパッドのおかげで、正確な照準が出来ます。

アイパッドは必要に応じて取り外せます。

 

 

レティクルはLEDで発光します。

軍用実物や実物同等品(リアルソード製)だとサバイバルゲームの交戦距離だと焦点が合わないのがネックでしたが、この製品では近距離でもレティクルがしっかり目視出来ます。

 

 

対物レンズ径は細いので、一般的なトイガン用ライフルスコープと比べると視野は狭いです。

実物にならった結果なので、そういう物だと納得するべき所ですね。

 

 

PSO-1スコープの倍率は4倍で、サバイバルゲームにはちょうど良いです。

 

 

対物レンズ側には引き出し式の遮光カバーが取り付けてあります。

狙撃時に展開させると、光を遮り、狙いがつけやすくなります。

 

 

SVDドラグノフに、メーカー純正スコープを載せてみました。

 

 

実用性は一切無視、この形状こそドラグノフと言う物です。

 

 

同じメーカーの、いわば純正品であるスコープですが、表面処理の違いが外見に表れています。

 

 

レイル式なので、簡単に取り外し出来ます。

PSOスコープとドラグノフ・トイガンは相性が千差万別、付くか付かないかは実際に組み合わせてみないとわからないのですが、さすがは純正品同士、問題なく装着出来ました。

 

 

ドラグノフの本体塗色はグロスブラックです。

実銃の焼付塗装を思わせる、いわゆる「ヌルテカ」な仕上がりで、スコープとの質感の差が際立ちます。

 

 

セレクターの形状はAKに良く似ています。

画像の状態で安全位置です。

 

 

画像の状態でセミオート射撃位置です。

ドラグノフは半自動小銃なので、セレクター位置はこれだけです。

 

 

ただし、キングアームズ製品にはトリガーガード前方付近に小さなノブがあり、これを前に押す事で、フルオート射撃が出来ます。

フルオートで撃ちまくる為ではなく、セミオート時のトリガーロックを解除する為のスイッチと考えたほうが良いでしょう。

 

 

ボルトを引くと、チャンバー付近にドラム式のHOP調節ダイヤルがあります。

箱出しでの性能は個体差もあるでしょうが、弾道は結構ばらつきがあり、狙撃銃としては不満の残るクオリティです。

 

 

ストックにはチークパッドが取り付けてあります。

スコープ使用が前提の狙撃銃ならではの付属品ですね。

 

 

本来は木製の台座の上に、中綿を詰めた革パッドが付くのですが、この製品ではオール樹脂製です。

リアルウッドの質感が上々なので、余計にチープさが目立つのが残念ポイントです。

 

 

バットストックは金属製です。

滑り止めの類は一切なく、シンプルな物です。

 

 

トップカバーを外すと、メカボックスにアクセスできます。

 

 

構造上便利な点として、メカボックスを分解しなくても、メインスプリングの交換が出来ます。

 

 

チャンバー付近やHOP調節ダイヤルも良く確認出来ます。

取扱説明書では、HOP調節ダイヤルはトップカバーを外して操作するよう指示されています。

 

 

ハンドガードはリアルウッドです。

ソ連製実物のような合板製ではありませんが、渋くて良い色合いに仕上げてあり好印象です。

 

 

ハンドガードは二分割式で、基部のレバーを操作してロックを解除します。

 

 

画像のようにレバーを倒すと、ロックが外れてハンドガードを取り外せます。

 

 

ハンドガード内はバッテリー収納部となっており、スティック型バッテリーに対応しています。

 

 

ドラグノフ特有の、長いフラッシュハイダーが格好良いです。

狙撃銃としては珍しく、歩兵の携行する銃剣を装着できるように、着剣ラグが付いています。

ドラグノフが本格的なスナイパーライフルではなく、AKの射程を補う目的で配備されていたことを示す一例です。

 

 

PSO-1スコープとソ連製スリングベルトを装着したフルセット状態です。

 

 

縦に細長く長大なドラグノフの魅力が存分に感じられます。

 

 

付属のマガジンはざらっとした艶消しパーカー風味の塗装でしたが、フレームとの違和感が気になったので再塗装しました。

 

 

単純にラッカースプレーの「つやあり黒」を厚塗りしただけですが、銃の塗装とも良くなじみ、リアル感が一層増しました。

 

 

リアサイトの照尺は実銃にならって朱色のスミ入れを行いました。

ちょっと手を加えるだけですが、印象はかなり良くなります。

 

 

PSO-1スコープは、実銃でも本体との質感の差がありましたので、これはこれでリアルと言えそうです。

 

 

参考に、各社のドラグノフ用マガジンを並べてみました。

左からA&K製、CYMA製、キングアームズ製です。

 

 

各社のドラグノフを入手したわけではなく、それぞれマガジンポーチの詰め物用に購入した物です。

 

 

コピー品と思われる形状の類似点や、オリジナリティのある点が、比べてみると良くわかります。

 

 

マガジンの仕様はスプリング式だったりゼンマイ式だったり様々です。

今回レビューしたキングアームズ製品と、他社のマガジンとの互換性はありませんでした。

 

 

軍装と合わせてみました。

まずはドラグノフの本家ソ連装備です。

「1980年代 ソ連地上軍 自動車化狙撃兵分隊 狙撃手」です。

 

 

軍装は「1969年型常勤・野外服」に、狙撃手装備を合わせています。

 

 

襟章・肩章の色が非常に目立ちますが、実戦や本格的な演習では茶褐色の野戦徽章に取り替えます。

ソ連時代の訓練映像では、常勤服のままが多いです。

 

 

SVDは操作性を共通化して扱いやすいように、意図してAKに似たデザインにしてあるようです。

AKを扱った人なら、すぐに馴れる位、操作感は似通っています。

 

 

軍装着装時のSVDは扱いやすいです。

実銃は重量が軽すぎて射撃の反動が押さえにくいため、思った以上に命中精度は低いらしいですが、電動ガンでは(性能面で)実銃同様の“それなり”の実射性能がある意味リアルと言えそうです…。

 

 

こちらは中国北方工業公司(ノリンコ)でコピー生産された「79式狙撃歩槍」としての運用例です。

着装例は「1980年代後期 中国人民解放軍 陸軍歩兵班 狙撃手」です。

 

 

装備は1985年採用の「85式軍服」と歩兵装備に狙撃銃を合わせています。

この装備での実戦例は「中国・ベトナム国境紛争」があります。

 

 

当時の実録映像でも確認出来る、スコープを載せないアイアンサイトでの運用例です。

電動ガンの場合でも、スコープは載せないほうがむしろ扱いやすいです。

 

 

中国の79式狙撃歩槍は、各種ルートで入手したSVDを分析して完全コピーを試みた物で、早い話が違法コピー品ですが、時代が時代なだけにうやむやにされたまま現在に至るみたいです。

 

 

単純にコピーと言っても、それを可能にする技術力が無ければ話にならないわけで、1970年代末期の時点で中国には相応の銃器開発能力があったという事が伺えます。

 

 

中国製ドラグノフの実用例としては、前述のベトナムとの軍事衝突の映像で確認出来ます。

この戦いでは、ベトナム人民軍もソ連から供与されたオリジナルのSVDを運用しているので、両軍とも同じ兵器で戦っていたのが何とも皮肉な話です。

 

 

中国でのSVDコピーの試みは「79式狙撃歩槍」という結果を生みましたが、性能面で満足のいくものではなかったようで、実用結果を反映して改良を加えて完成したのが「85式狙撃歩槍」です。

画像の着装例は、「1990年代 中国人民解放軍 陸軍歩兵班 狙撃手」です。

 

 

一応、79式狙撃歩槍の時点から専用のマガジンポーチ(タクティカルポーチ的なデザインの物)があったようですが、あまり普及はしていなかったようで、装備品は存在するものの実用例が確認できていません。

 

 

85式狙撃歩槍は付属のスコープを含め、各部の不具合を改善してあり、現在でも二線級部隊では現役で運用されています。

 

 

狙撃の精度はお世辞にも高くないドラグノフ及びコピー品の85式狙撃歩槍ですが、実銃基準では軽量で作りも堅牢なことが、現在でも重宝されている理由なのかな、と推測しております。

 

 

この被服は人民解放軍近代化の完成形として、1989年頃から支給され始めた「87式迷彩服」です。

米軍のリーフパターン迷彩柄を強く意識した迷彩と、短ジャケット型の服のデザインが特徴です。

 

 

この時期の中国人民解放軍の兵士は軽装備を好む傾向にあったようで、訓練でも作業帽とゴム底キャンバスシューズの使用率が高いです。

 

 

現在ではピクセルパターン迷彩にBDUデザインの「07式作戦服」とボディアーマーやMOLLEタイプの装備連結式ベスト、ケブラー繊維製ヘルメットが完全に普及しており、中国人解放軍の姿もすっかり様変わりしています。

 

 

キングアームズは流通が少なくなっているようです。
現在は、同程度の性能・価格帯のA&K製品が手に入りやすいです。

 

 

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