独特の横長構造が特徴の、陸上自衛隊「73式背嚢」です。
画像の物は実物中古放出品です。
73式背嚢は、旧式の「蛸足背嚢(日本陸軍の「九九式背嚢」を米軍風にアレンジした形状)」にかわり、1973年に採用された背嚢で、より機能的に改良されています。
内容物の重量に耐えるよう、各部の縫製もしっかりしており、肩は二重にストラップが設けられています。
背嚢左側面に「携帯エンピ(ショベル)」収納用ポーチがついています。
二つ折りの「携帯エンピ」を、柄を上にして収納します。
ポーチ底部のジッパーを開け、柄を下に差し込んで収納する事もできます。
その際に柄を引っ掛けて固定する為の板紐が内部に縫い付けられています。
右側面には、「戦闘糧食1型(缶詰)」を収納するポーチが設けられています。
画像では缶詰が用意できなかったので、適当な詰め物を入れてみました。
円筒形の缶詰を詰める為、余計な部品の無い単純な袋状になっています。
中央の収納ポーチの両側を通るように、背嚢の蓋を閉じるストラップが通っています。
ストラップの金具は、フックに引っ掛ける形で保持されます。
ストラップ金具を外した状態です。
背嚢中央のポーチには、日本陸軍の「ロ号飯盒」からデザインを受け継いだ兵式飯盒を収納します。
飯盒は隙間無く、ぴったり収納できます。
自衛隊の飯盒は、アウトドア用品として販売されている兵式飯盒と、外見は殆ど同じです。
なお現在の陸上自衛隊では嵩を半分以下にサイズダウンした「戦闘飯盒2型」が使われています。
背嚢の背負いストラップは下部の金具でサイズ調節が出来ます。
ストラップ基部の金具は三角形で、適度に角度がつくように設計されています。
両肩のストラップの中央を、細身のストラップで固定する事で、背嚢を安定させます。
このストラップは引っ掛け式のフック金具で容易に取り外せます。
背嚢の収納部は紐で縛る造りです。
収納部は広く開けられ、衣類の収納に便利です。
背嚢の底部は長方形です。
背嚢を広げた状態です。
かなり使い込まれた中古品ですが、頑丈なビニロン幌布製で、まだまだ使える状態です。
同じく広げた状態です。
付属品を取り出した状態で適当に折りたたんで収納保存していますが、それでも結構場所を取る装備品です。
実際に背嚢を背負ってみました。
胸の前を真横に通るストラップで、背嚢をしっかり保持し、肩の動きを安定させます。
同様の構造は、日本陸軍の「蛸足背嚢」や、ソ連軍の「メショク」にも見られます。
上を向いた携帯エンピの柄が目立ちます。
横長の背嚢は腰周りの装備品に干渉しないようにとの配慮ですが、激しく動くとぐらつくのが欠点と言えましょうか。
ストラップはかなり絞ってあるのですが、それでも背嚢の重量でずり下がってしまって、ちょっと格好悪いですね。
【商品紹介】
「陸上自衛隊 背のう 一般 73式 品 傷み汚れ有」…実物中古品です。