日本陸軍 九〇式鉄帽 (中田商店製・実物再生品)

日本陸軍の「九〇式鉄帽(きゅうまるしきてつぼう)」です。

本品は中田商店で購入した、実物の外帽に複製品の内装を組み合わせた再生品です。

 

 

かつては、長らく中田商店のレストア鉄帽「しか無い」状態でしたが、最近は中田商店製複製や海外製複製など、選択肢が増えて喜ばしい限りです。

 

 

数ある複製品の中でも、外見は最もリアルじゃないでしょうか。(なんせ実物ですから)

 

 

錆の塊のような代物を再塗装で誤魔化した手前、塗装の状態や色味などに一言二言いえるのでしょうが、実戦で使うわけでもなし、どのみち鉄帽覆いをかぶせてしまうので文句は無いです。

逆に素の状態で使うつもりなら、納得行く外装の複製品を選択するのが吉でしょう。

 

 

内装は完全に後付のレプリカですが、革も厚く、裏側の綿入れクッションもしっかり作りこまれています。

安い海外製品との格の違いがよくわかりますね。

しかしながら、リベットの位置や数、アゴ紐の通し環などは、戦時中の実物とはかなり異なります。

このあたり、こだわる向きには我慢できない点でしょうね。

 

 

顎紐は文字通りの板紐で、金具やストラップに見慣れていると、一見すると古臭く思えるものの、規定どおりの巻き方で締めれば、3点支持でしっかり固定されるし、フリーサイズですから、締め具合でも最適な状態にできます。

おまけに、被らないときは解いた紐で背中にたすきがけに背負う事ができます。

画像の顎紐は、のちに付け替えた精巧複製品です。

金具の位置・形状が若干異なる為、フィット感は今一よくないですが、外見はより実物に近くなりました。

 

 

専用の「鉄帽覆い」を装着した状態です。

鉄帽覆いは、諸外国の物とは少々趣が異なり、迷彩効果ではなく、直射日光で鉄帽が加熱するのを防ぐ為に作られています。

そのため、中綿が詰められていて、それなりに厚みがあります。

洗うと縮んでしまい、二度と鉄帽に装着できなくなりますので気をつけましょう。

 

 

鉄帽覆いの正面には帽章が縫い付けられています。

褐緑色羅紗の台座に黄色の星章のこのタイプは、戦争末期の綿製略帽にも使用されているのを記録映像で確認できます。

 

 

鉄帽覆い・側面の様子です。

この鉄帽覆いは初期型で、昭和17年あたりからは縁が擦り切れないように補強布が追加されたモデルへと更新されていきます。

 

 

鉄帽覆い・背面の様子です。

この鉄帽覆いは実物生地を使用して作られた中田商店製の複製品で、発売された当時に購入した物です。

長年使用しているため、表面の染みが目立ちますね。

 

 

鉄帽覆いは鉄帽に被せたあと、紐で絞って固定します。

鉄帽覆いはサイズに余裕があり、きちんと紐で締めることができました。

 

 

鉄帽覆いに擬装網を装着した状態です。

鉄帽自体の迷彩効果は、この擬装網に草木をくくりつける事で対応します。

 

 

自然の草木による擬装は、ある程度の時間とセンスが要求されるので、あまりサバゲー向きではありませんが、上手く擬装できれば日本陸軍得意の近接戦闘に持ち込むまで、敵に気付かれるのを防けます。

 

 

これまで、数は多くないものの諸外国のスチール・ヘルメットを被ってきた経験から言っても、一番しっくり来ます。

さすがは「日本人の日本人による日本人のための設計」だと感心しています。

 

 

同時代の米軍の「M1ヘルメット」やソ連軍の「SSh-40」と比べて小ぶりで、長時間被っていても頭の座りがいいというか、非常に安定していて、激しい動きをしても首が持っていかれないのがすばらしいです。

 

 

収集家・研究家の方々には得るものの少ないレストア品ですが、私のようにサバゲーで使いつぶすつもりの人間には最適なアイテムじゃないでしょうか。

錆びて朽ち果てるに任せるよりは、形あるうちに手を加えて再利用するという考え、私は嫌いじゃないです。

 

 

【商品紹介】

「大日本帝国陸軍 90式 鉄帽 ヘルメット 複製」…外装は軍用に忠実ですが、内装は民間防空用に似たものとなっています。

 

「琥花堂 日本陸軍 九〇式 鉄帽 内装 覆 偽装網付 複製品」…鉄帽本体、鉄帽覆、擬装網すべて精巧複製品の3点セットです。

 

 

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