AK弾薬の系譜 ~ 7.62x39mm弾 ダミーカート (民生加工品)

AK-47に使われている7.62x39mm小銃弾のダミーカートを購入しました。

 

 

無稼働実銃販売店の「シカゴレジメンタルス」さんから取り寄せた物で、5発1組で販売されていました。

 

 

7.62x39mm弾薬は、制式名称の「1943年型7.62mm弾」が示す通り、第二次世界大戦さなかの1943年に開発された短小弾薬です。

第二次世界大戦後、この弾薬を用いる軽便な自動火器として「AK」が開発され、のちに主力小銃に採用されると、発展型の「AKM」も含めてソ連軍および同盟国において広く用いられた、優秀な弾薬です。

 

 

今回紹介のダミー・カートリッジは、民生品を素材として作られています。

真鍮製の薬莢と、鉛の芯を銅で被覆した弾頭の組み合わせは、世界標準の一般的な仕様です。

 

 

一方、ソビエト・ロシア軍で使われている軍用実包は、防錆塗装された鉄製薬莢と、同じく鉄の芯に鉛を被せ、更に銅で被覆した弾頭で作られています。

軍用純正品は外観も民生品とは異なり、暗褐色でツヤの無い薬莢に対して新品の10円硬貨のような綺麗な銅色の弾頭が際立つ独特の物です。

 

 

新品のダミーカートは表面が酸化しておらず、素材由来の金属感がとても美しいです。

 

 

本来は薬莢底部に雷管がはめ込んでありますが、このダミーカートでは省かれており、穴が開いたままの状態です。

拘る人には気になる欠点かもしれませんね。

 

 

全長は56mmで、ボルトアクションライフルの時代から見ると、だいぶ短い印象です。

 

 

☆ロシア製AK実物弾薬(画像はネット検索より)

資源節約の為に開発された鉄製薬莢は、防錆塗装仕上げの外観が特徴的です。

 

 

☆中国製56式弾薬(画像はネット検索より)

ちなみに、中国人民解放軍では旧ソ連製と同じ仕様の鉄製薬莢も使われていますが、薬莢の防錆対策として塗装ではなく銅メッキ仕様の物が多数見られます。

こちらは、薬莢・弾頭ともに艶の無い銅色一色という外見的特徴が見られるのが面白いです。

 

 

冷戦当時の東西両陣営の主要小銃弾の現物を並べてみました。

全長の長いほうはアメリカを長とする自由主義陣営で「7.62mmNATO弾」の名称で有名な7.62x51mm弾です。

 

 

NATO弾こと7.62x51mm弾は、第二次世界大戦中にアメリカ軍の制式小銃弾であった30-06弾の性能は維持しつつも全長を短く、反動を低減した戦後型スタンダード・モデルですが、それでも7.62x39mm短小弾と比べるとフルサイズと呼ばれるのも納得の大きさです。

 

 

7.62mmNATO弾は射程・威力を重視した結果の産物で、実際想定されていたヨーロッパでの戦いでは期待通りの能力を発揮したはずですが、主要な戦場となったベトナム戦争では、アメリカ軍の使用するM14小銃に比べ、射程に劣るもののフルオート射撃でも扱いやすく対人威力も申し分ない7.62x39mm弾を使用するAK-47突撃銃の前に明らかに不利な戦いを強いられ、結果的にソ連軍よりも更に小型軽量な5.56x45mm弾を採用し、小口径高速弾が世界標準となり現代に至ります。

 

 

新NATO弾として西側の標準弾薬となった5.56x45mm弾との比較です。

 

 

画像だとそれほど際立った違いが見られないかもしれませんが、実際に手に取ってみた感じでは、7.62mm短小弾に見慣れた後だと、5.56mm弾は驚くほど細く小さく見えます。

 

 

細部を見ても、弾頭サイズ・薬莢の太さ共に非常にコンパクトで、7.62mmNATO弾と比べれば短小弾に思えたAK系の弾薬すら、大振りに見えるのが面白いです。

 

 

3種類の弾薬を並べてみました。

こうして比べてみる事で、時代ごとに兵器に要求される要目や、技術の発展による変化が感じられるのが、ミリタリー趣味の面白さのひとつだと改めて感じました。

 

 


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