中国人民解放軍の「79式衝鋒槍(サブマシンガン)」専用スリングベルトです。
画像の物は、軍用実物のデッドストック品です。
スリングベルトは中国語では「背帯」と表記します。
日本語では「負い紐」と表記しますが、同じ漢字表記でも、国ごとの違いがあって面白いです。
79式背帯は、先端がフック式、後端が革タブ式構造です。
このスリングベルトは、のちに開発された「85式衝鋒槍」にも使われています。
先端のナスカンは、かなり細く感じられます。
あまり重いものには向いていないようで、軽量な79式に合わせた、ほどほどの強度で作られているようです。
スリングベルトの長さ調節金具です。
1970年代以降の人民解放軍装備に見られる、軍緑色塗装されたアルミ製金具が使われています。
後端は56式小銃用スリングベルトのような革タブ式です。
79式衝鋒槍の訓練用模擬銃にスリングベルトを装着してみました。
79式のフロントスリングスイベルは銃口近くにあります。
かなり独特なデザインセンスですね。
リアスリングスイベルは、56式小銃のようにフレーム側面にコの字状に設けられています。
スリングベルトの革タブが、ちょうどびったり通るサイズです。
79式衝鋒槍のストックを展開した状態です。
こうしてみると、スリングベルトの取り付け位置は使用時の重量バランスを考えて設計されているようです。
こちらは、79式訓練用模擬銃に付属していたスリングベルトです。
金具類は独特の形状の物が使われています。
フックやナスカンは見た目にも簡素で、実銃のような耐久性を要求されていない、あくまで模擬銃を運搬するための付属品と割り切った作りです。
スリング本体はやわらかい黒色ナイロンで、サイズ調節バックルはプラ製です。
質感は、民生品の水筒のショルダーストラップとよく似ています。
付属スリングベルトを装着した状態です。
79式衝鋒槍のスリングスイベルの様子がわかると思います。
穴が小さく、かなり細めのナスカンでないと通せないようです。
フレーム側面のスリングスイベルに、フック金具を取り付けた状態です。
付属品のスリングフックは、「95式自動歩槍」のスリング金具と同じ形ですが、一回り小型に出来ています。
こちらは、東京マルイ製の電動ガン「H&K MP5A5」に79式背帯を取り付けた状態です。
中国には「NR08」という、ノリンコ製のMP5コピー品があり、警察での使用例が見られます。
「NR08」は外見では区別出来ないくらいMP5をそっくりそのままコピーした銃ですが、実射性能の再現度については不明です。
余裕のある作りのスリングスイベルなので、79式のナスカンは余裕で装着出来ます。
後端のスリングスイベルにも、あつらえたかのように綺麗に装着出来ました。