第二次世界大戦時、ヨーロッパ戦線で使用された「M1941フィールドジャケット」です。
アメリカ陸軍の主要装備である他、アメリカ海兵隊でも気温の低い時には着用されていました。(硫黄島、沖縄etc.)
画像の物はセスラー社製レプリカ品です。
正式名称は単に「ODフィールドジャケット」ですが、他の装備品との識別の為、便宜上「M1941フィールドジャケット」と通称されています。
フィールドジャケットは冬季向け防寒装備でもあり、裏側には薄手のウール地が貼られています。
近くで見るとスエード状の素材感がわかるかと思います。
前合わせはジッパーとボタン留めの二重構造で保温効果を高めてあります。
袖口はタブとボタンで留める構造です。
目一杯サイズを詰めた状態です。
保温効果は高まりますが、窮屈な為か袖口は広げたままで着用されている場合が殆どです。
襟は通常は開襟状態で着用しますが、寒い時には第1ボタンまで閉じて折襟状態に出来ます。
更に襟を立てる事で防寒能力を向上できます。
襟の裏にはボタンとタブが付いており、より遮風効果を高める事が出来ます。
肩にはエポーレットが設けられています。
ウエストにはサイズ調節タブがあります。
画像は中間でボタン留めした状態です。
サイズ調節は3段階あり、目一杯絞るとここまで詰める事が出来ます。
基本的な着用状況です。
実戦では素材のコットンが薄手で擦り切れやすかったり、内側のウールが縮む為動きやすさが阻害されたりと、決して使いやすい物ではなかったようですが、新型の「M1943フィールドジャケット」が全軍に行き渡らなかった為、大戦全期間を通して米兵の基本ユニフォームであり続けました。
第1ボタンまで閉じて防寒効果を高めた状態です。
冬季にはウール製コートを着用する為、あまり防寒性能は重要視されていない印象です。
立ち襟状態にした防寒対策状態です。
この状態でも冬季には寒さを感じます。
元々が民間のウインドブレーカーを参考に作られた事もあってか、デザイン上の利便性に不満が出た他、布地の色味が迷彩効果が低いとの戦訓から、新型のM1943フィールドジャケットの開発を促す結果となりました。
インナーはODウールシャツ&マスタードパンツです。
ODとは言いつつ、実際はほぼカーキ色もしくは茶色で、戦後のグリーン系ODカラーとはだいぶ印象が異なります。
第二次世界大戦当時のアメリカ兵は、カーキ色のイメージが強いですね。