中国人民解放軍 07式作戦服・林地迷彩 (実物)

中国人民解放軍(略称:PLA)が、2007年に制式採用した「07式作戦服」です。

制式化から10年を過ぎ、PLAのイメージとして完全に普及しきった感のある現用迷彩服です。

今回紹介するものはPLA陸軍の夏季迷彩である「林地迷彩柄」の物です。

迷彩服の裁断・デザインは、米軍のBDUに似た貼り付け式の4ポケット・ジャケットに、カーゴパンツの組み合わせというオーソドックスな物で、87式~99式までのブルゾン式と比べ、非常に垢抜けた印象を受けます。

 

 

襟は開襟・折襟の両用タイプで、各部に徽章取り付け用のベルクロがあらかじめ縫い付けられています。

旧式装備のような肩のエポーレットは廃止されています。

 

 

胸には貼り付け型カーゴポケットが設けられています。

 

 

87式迷彩服では雨蓋の無いジッパー式の内蔵ポケットでしたが、収納量が少なく不便でした。

その点、「07式」では充分な容量が確保されており、便利です。

 

 

腰には雨蓋付きの内蔵型ポケットがあります。

 

 

ポケットの袋部分は服の裏側に余裕を持って作られている為、容量も充分あります。

 

 

4ポケットのBDUスタイルになった事で、旧式装備のブルゾン式で頻発した、ジャケットがめくれあがったり装備ベルトの位置がずれやすかったりと言った不便さが無くなり、かなり使いやすく感じます。

 

 

左上腕部には、小型ポケットがあります。

 

 

各国軍服にならい、包帯を収納する為のファーストエイド・ポケットと思われます。

ポケットの上には臂章を取り付ける為のループが設けられています。

 

 

手首はカフスボタン式で、標準的な戦闘服の作りです。

 

 

右上腕部には、臂章を取り付ける為のループが設けられています。

基本的に、部隊章類はこちらのループに取り付けます。

 

 

作戦服の前合わせはボタン式です。

 

 

内側はポケットの袋部分が露出しています。

細かく作りを見ていくと、内装紐でウエストを絞る機能や、上腕部の小ポケット等、米軍のBDUよりもロシア軍のアフガンカに近い作りです。

一方、迷彩柄はピクセルパターンを採用しており、旧東西両陣営の装備の良いとこ取り感が面白いです。

 

 

腰の内蔵ポケットの袋部分は、板布で連結してあります。

芸コマな作りが面白いですね。

 

 

内側にはタグが縫い付けられいます。

タグには「07式林地迷彩夏季作訓服・2014年製」と記載されています。

 

 

腰内側には、ウエスト絞り紐が内蔵されています。

 

 

よりスマートに着こなす為や、風を通さない防風・防寒効果を考慮した構造と推測されます。

 

 

背面は2枚はぎで、わきの下をプリーツで僅かに絞ってあります。

 

 

裁断はシンプルな物で、自衛隊のような擬装ループや、エスケープ用の手提げループ等の工夫は一切ありません。

 

 

機能性と生産コストを考えた、合理的なデザインと言えましょう。

 

 

ひじ部分には当て布がしてあり、耐久性を考慮した丁寧な作りに好感が持てます。

 

 

ズボンのデザインは一般的なミリタリー系カーゴパンツに準じた、オーソドックスな作りです。

 

 

雨蓋の無いスリットポケット、カーゴポケット、膝の補強当て布等、ソツの無いデザインで扱いやすいです。

 

 

「07式作戦服」に徽章類を規定通りに装着した状態です。

 

 

PLAの戦闘服用階級章は、それまでの肩章タイプから、襟章タイプへと変更されました。

 

 

画像の階級は「一級軍士長」です。(自衛隊で例えると“陸曹長”に相当します)

 

 

「07式胸章」です。

胸章は、陸海空軍それぞれにデザインが異なります。

また、現在は「15式」にデザインが変更されています。

 

 

右上腕部には「07式臂章」を装着します。

「臂章」は軍区や部隊の違いで、数多くの種類があります。

所属部隊や階級・身分等の違いにより、両椀部に異なる臂章を装着した例も見られます。

画像の臂章は「南京軍区」の物です。

こちらも、現在は「15式」に変更されています。

 

 

右袖上腕部に臂章を装着した状態です。

この臂章は裏面のベルクロ・ストラップを迷彩服のループに通して固定していますが、保持力に問題があるようで、わりとあっさり外れてしまいます。

私も、ゲーム終了後の帰途にポトリと落っこちたり、はずれかけているのを指摘されてヒヤリとする事が数回ありました。

 

 

ズボンの側面形状です。

 

 

腰周りにはベルトループが設けられています。

 

 

ズボン両側面にスリットポケットがあります。

 

 

太腿両側面には貼り付け型のカーゴポケットがあります。

 

 

旧式装備では見られなかった、利便性の高い改良点です。

カーゴポケットにはプリーツが設けられており、大容量です。

 

 

ズボンの端末はベルクロ式のタブで絞ることが出来ます。

 

 

米軍のBDUの紐タイプと比べて、取り扱いが簡単で便利です。

 

 

ズボンの前合わせはボタン式です。

 

 

ボタンは布地に合わせた迷彩柄で成形された樹脂製です。

 

 

ポケットの内側等、内張り部分は白に近い灰緑色です。

 

 

内側にはサイズ表記スタンプと、タグが縫い付けられています。

タグには「07式林地迷彩夏季作訓服・2014年製」の表記があります。

 

 

「作訓服 (作業服)」と「作戦服 (戦闘服)」は特に区別無く併記される傾向にあります。

自衛隊における「迷彩作業服」と「戦闘服」の違いと同義と思われます。

 

 

実際に着用してみると、布地は他国軍や既存の旧式迷彩服に比べ、非常に柔らかくコシが無いのが特徴です。

更に布地は比較的薄いため、着心地は快適な反面、例えるならパジャマのような肌触りで、耐久性に不安を感じる所もあります。

 

 

同じく薄手の化繊である「78式軍服」や「87式迷彩服」とは、全く異なる質感です。

 

 

作戦服と対になる「07式作訓帽」です。

デザインは米軍や現用ロシア軍によく似た形状です。

 

 

作戦服着用の際に用いる「07式外腰帯」です。

 

 

米軍や自衛隊の弾帯に良く似たナイロン製で、独特の色味が特徴的です。

 

 

ズボン用ベルトは「07式内腰帯」と言い、ナイロンとブラ製バックルで出来ています。

 

 

旧式装備のビニール革製のものと比べ、格段に使いやすくなりました。

バックルの構造は、自衛隊の迷彩服ズボン用ベルトに良く似ています。

 

 

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