背嚢を組む ~ 現用ベトナム軍 K07迷彩リュックサック・中身入り (推測)

前回紹介した「ベトナム人民軍リュックサック」、今回は実際の運用例を参考に、荷物を詰め込んだ状態を再現してみます。

現用ベトナム人民軍の情報は、軍広報ビデオ・ニュースや現役兵士、元兵士の投稿動画等で知ることが出来ます。

 

 

このリュックサックの入組品や装着の方法についても、Youtubeに投稿されている動画を参考にしました。

 

 

ベトナム人民軍ではイギリス軍DPM迷彩に似たパターンの「迷彩柄防水シート」が支給されており、雨具にしたり、地面に敷いたり、荷物を包んで渡河したりと様々な用途に使われています。

実物は入手出来なかった為、見た目が似ている市販の迷彩ポンチョにて代用しています。

 

 

防水シートは、リュックサックのスリットポケットに収納します。

 

 

画像のように、ポケットに入る大きさに折りたたんで押し込んでいます。

 

 

リュックサックの中には、「書類(教範、ノート等)」「替え下着」「ズック靴(予備)」、地域や気候によって「ウシャンカ型防寒帽」などの荷物を詰め込みます。(画像では適当な詰め物で膨らませています)

 

 

リュックサックの口は紐で絞る形ですが、バックル等の固定金具は無いので結んで留めています。

 

 

ベトナム人民軍兵士は各自、ゴザ・むしろ(敷物)が支給されており、折りたたんで携行します。

丁度良い敷物が無かった為、だいぶ無理がありますが、座布団で流用しました。

 

 

実際の映像を見てみると、ゴザは四つ折りで画像位のサイズ感になります。

 

 

長方形に折りたたんだゴザを、リュックサックの蓋の辺りに差し込んで固定します。

 

 

官給品の水筒と茶碗です。

 

 

向かって左側のポーチに、水筒を収納します。

 

 

水筒の上に、茶碗を被せるように収納します。

 

 

蓋を紐で結んで閉じます。

 

 

向かって右側のポーチには、ハブラシやチューブ歯磨き等の洗面具を収納します。

画像では、官給品タオルを収納しています。

 

 

蓋を閉じた状態です。

 

 

ベトナム人民軍では、ベトナム戦争当時から飯盒が支給されていました。

使用されている飯盒は、主にソ連軍タイプ(ドイツ軍と同形状)とフランス軍タイプがありますが、現在よく見られるのはフランス軍タイプが多いようです。

画像では、ドイツ連邦軍の飯盒で代用しています。

 

 

飯盒は中央のポーチに収納します。

サイズ的にはピッタリと、収まりが良いです。

 

 

この収納配置は、陸上自衛隊の「73式背嚢」をほうふつとさせます。

お米の国の軍隊ならではの、偶然の一致でしょうか。

 

 

ベトナム人民軍では、木製もしくは竹製と思われる箸が使われています。

画像は、見た目の似ている某コンビニで貰った箸です。

 

 

面白いことに、画像のようにリュックサックのショルダーストラップ根元にある隙間に、箸を通して携行します。

 

 

ベトナムと言えばコレ、と言うくらいのアイコン「ムゥ・コーイ(サンヘルメット)」です。

 

 

ムゥ・コーイの顎紐を、リュックサックに収納した箸に通して携行します。

 

 

現用ベトナム軍で広く使用されている、官給品のサンダルです。

 

 

サンダルは、1個づつリュックサック側面に縫い付けてある紐を使って結び留めます。

 

 

両側にサンダルを結び付けるので、バランスよく携行できます。

 

 

ベトナム人民軍では、折り畳み機構の無い、シンプルな携帯ショベルが広く使われています。

画像は、形状の似た中国製軍用ショベルを加工した物です。

 

 

リュックサックの底面に、携帯ショベルを装着する為のリングと板紐があります。

 

 

携帯ショベルは、画像のようにリングに柄を通し、板紐で結んで固定します。

 

 

ショルダーストラップ他、各部紐部分はバタつかない様に端末処理してあります。

 

 

背負いストラップの端末は、画像のように余分を内側に折りこみます。

 

 

蓋を閉じるストラップも、そのままだとかなり長いので、画像の容量で折り返してループに差し込んであります。

 

 

組み上げたリュックサックを背負う様子です。

 

 

リュックサックの背負いストラップの長さは、リュックサック本体が肩の位置で固定される位に、なるべくタイトに調整しておくと、だらしなく見えないので格好良く装備できます。

 

 

リュックサックには、左右に揺れない様に体に固定する為の腰紐が縫い付けてあります。

 

 

腰紐を結び留めた状態です。

 

 

リュックサックを携行するような訓練では、野外炊飯に備えて「兵糧袋」を携行します。

画像は軍用官給品で、中に米を詰めて袋の口を結んであります。

 

 

兵糧袋は、まず両端にバランスよく米を分配しておきます。

 

 

そして、リュックサックに引っ掛けるように吊るして携行します。

米の重量で、簡単に取り落とすこともなく持ち運べます。

 

 

組み上げたリュックサックの外観です。

 

 

「K07迷彩帽」を被り、「K56小銃」を携行した陸軍歩兵曹長です。

日差しと汗対策に、首にタオルを巻いています。

 

 

小銃は、肩に吊る際は銃口を下にするのがベトナム流です。

 

 

徒歩行軍の様子です。

ベトナム人民軍の「担え銃(になえつつ)」は、銃口を握ってレシーバーを肩にかけるスタイルです。

マガジンが首の後ろに位置するのが、軍装再現時のポイントでしょうか。

 

 

軽装なイメージのベトナム人民軍ですが、リュックサックを携行するとボリュームが増し、なかなかに格好良いです。

 

 

リュックサック携行時の様子です。

 

 

同じアジアの軍隊でも、中国・韓国や日本、更には周辺国であるタイ・カンボジア軍とも異なる装備の特徴がベトナム軍装の魅力だと改めて思います。

 

 

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