ダッコン専用装備 ~ 現用 ベトナム軍 ダッコン迷彩スカウトベスト (実物)

ベトナム人民軍の特殊部隊「ダッコン」で使用されている任務用装備携行ベスト、通称「スカウトベスト」です。

「ダッコン」は漢字で「特工(特殊工作隊)」を意味し、ベトナム戦争中期に編成された後、現在までベトナム人民軍精鋭部隊として知られています。

 

 

「スカウトベスト」は通称が示す通り偵察・捜索任務にあたる兵士の為に開発された装備で、デザインはそのまま、陸軍用のリーフ迷彩柄の物や、海軍陸戦隊向けの海洋迷彩柄の物もあります。

 

 

細部を見ていきます。

左肩に、ベルクロが縫い付けてあります。

用途は不明ですが、各国軍装備を参考にすると、「肩にかけたスリングベルトの滑り止め」あるいは「徽章貼り付け台座」と推測されます。

 

 

右肩にはベルクロはありません。

両肩とも、ジグザク縫いで補強がしてあります。

 

 

両胸に、四角形の小型ポーチが設けてあります。

 

 

小型ポーチの外観です。

 

 

蓋は幅広のベルクロとスナップボタンで閉じられます。

ベルクロ・ボタン共に、軍用規格と言うよりも、民間の衣服に用いられる物に近い印象を受けます。

 

 

ポケットは立体的にマチがつけてあり、容量が確保してあります。

また、蓋の隅の方に、用途不明のボタンホールのようなスリットが設けてあります。

 

 

襟首の辺りに、生産工場のタグが縫い付けてあります。

 

 

胸ポケットの下部に、横長の蓋付きスリットポケットが設けてあります。

 

 

スリットポケットを覆うように蓋が設けてあります。

 

 

蓋はベルクロで固定してあり、素早く開け閉めするのに適しています。

 

 

蓋を開けると、更にファスナーが設けてあります。

 

 

ファスナーを開くと内側にポケットが設けてあります。

紛失防止・雨対策の為か、しっかりした蓋の作りから、書類や地図等の紙物の収納を考慮した物と推測されます。

 

 

ベストの腰部分には、縦長の蓋付きポーチが4個設けてあります。

 

 

これらは形状・サイズから、AK系アサルトライフルのマガジン収納ポーチで間違いないでしょう。

蓋はベルクロ留めです。

 

 

マガジンポーチ上部に、用途不明の金属製D型リングが2個設けてあります。

 

 

マガジンポーチの隣に、小型ポーチが設けてあります。

 

 

作りは胸ポーチと類似しており、蓋の固定もベルクロとスナップボタンの併用です。

 

 

蓋の上部中央に、用途不明のボタンホールのようなスリットが設けてあります。

 

 

スカウトベストの前合わせ部分は、ジッパー式で、ベルクロ留めの蓋がかぶさる形です。

 

 

スカウトベスト内側の様子です。

 

 

腰の辺りに、ナイロン製のメッシュ布が縫い付けてあります。

これ自体は機能性はなく、おそらくは熱が籠らないようにする為か、クッション的な機能が考えられます。

 

 

ウエスト周りにはロープが内蔵されており、画像のように絞る事ができます。

スカウトベストのフィット感を高める為の構造と思われます。

 

 

スカウトベスト背面の形状です。

 

 

正面と同じく、背面にも様々なポーチ類が見られます。

 

 

背面右側には、大型のスリットポケット、その上に板紐が縫い付けてあり、最上部にゴム内蔵のループが設けてあります。

構造から、歩兵用の木柄スコップを収納する物と思われます。

 

 

板紐はスコップの柄に結び固定する為の物と思われ、必要充分な長さがあります。

 

 

スコップのブレードを収納する為のポケットの様子です。

カウトベストは素材が薄手のリップストップ生地で、さわり心地は柔らかめなので強度に不安を感じますが、縫製はしっかりしています。

 

 

背面中央から左側にかけて、長方形のスリットポケットが内蔵されています。

また、左端に板紐が縫い付けてあります。

 

 

スリットポケットはジッパーで開閉できます。

 

 

ジッパーを全開にした状態です。

背中にあたる位置で、使い方としては、防水シート兼用雨具等、折りたためる布系の装備品を収納する為の機能と思われます。

 

 

腰回りには、X型のストラップで閉じられた長方形のポケットが2個設けてあります。

 

 

ストラップはベルクロとスナップボタンで閉じられます。

 

 

ポケット部分は四角い袋状に容量が確保されています。

 

 

スカウトベスト左側面の形状です。

 

 

脇の直下に拳銃用ホルスター、その下に長方形の小型ポーチが2個設けてあります。

 

 

ホルスターは袋状で先端はふさがれておらず、拳銃は銃口が露出すると思われます。

上部に脱落防止用ストラップがあり、一般的なショルダーホルスターの形状を踏襲しています。

 

 

ストラップはベルクロとスナップボタンで固定します。

スナップボタンは2箇所あり、収納する拳銃のサイズに合わせてある程度のサイズ調節が効くようです。

 

 

ホルスター内部の様子です。

使われている素材が薄手で重量物の収納にいささか不安がありますが、ある程度補強はされているようです。

 

 

スカウトベスト右側面の形状です。

 

 

脇の下に拳銃用マガジンポーチ2個、その下に長方形の小型ポーチ2個が設けてあります。

 

 

拳銃用マガジンポーチの蓋はベルクロ留めです。

ポーチのサイズは小さめで、ダブルカラム・マガジンだと収まりきらない感じです。

 

 

スカウトベストの裾の両側に、サイズ調節用のストラップが設けてあります。

 

 

ストラップはベルクロ式で、調節は容易です。

 

 

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