アカデミー製の電動ガン「AKS-74U」を入手しました。
アカデミーというメーカーは韓国の模型会社で、同社のプラモデル(戦車・航空機等)は日本の模型ショップでも見かける事がありますが、トイガンも製造・販売しています。
アカデミーのトイガンは、コッキングエアガンや電動ガンがラインナップされています。
韓国国内の法律事情により、初速は低く、日本では対象年齢10歳以上用に相当する低威力の商品です。
数年前までは、日本をはじめとする海外向け輸出用に初速を上げた、専用パッケージの物が流通していました。
近年は輸出専用品見かけなくなり、現在流通している物は韓国で販売されている物がそのまま輸入されているようです。
今回入手した物は日本の輸入代理店「インターアイランド」のオンラインショップにて購入した物です。
韓国国内で市販されている物そのものの為、テキストは全てハングル表記となっています。
外観は、実銃のAKS-74Uが良く再現されています。
フレームをはじめとして、主要なパーツは樹脂製で、非常に軽量です。
ハンドガードも樹脂製で、成形色で木製パーツ風に表現してあります。
AKS-74U独特のピープ型スリングスイベルもリアルに再現されています。
電動ユニットが収められているフレーム周りの様子です。
実銃におけるピンやリベット留めのフレーム外観は、一体成形で再現されています。
樹脂の質感も相まってモデルガンと言うよりは、実物大プラモデルと言った印象を受けます。
グリップは実銃ではベークライト樹脂製で当然ながら別パーツですが、トイガンではフレームと一体成形です。
色もフレームと同じ黒い成形色となっており、往年のLS製エアソフトガンを彷彿とさせる形状です。
マガジンキャッチはライブで、実銃同様に作動します。
マガジン前方の溝を、フレーム前方の凸部に引っ掛けてマガジンキャッチでロックする動作がしっかり再現されています。
マガジンキャッチレバーのテンションは軽く、楽に装填動作ができ便利です。
マガジンはAK-74系の特徴である、湾曲の少ない形状です。
構造は電動ガンではおなじみの、ゼンマイで巻き上げる多弾式マガジンです。
オレンジ色の成形色は、ソ連邦時代のベークライト樹脂製マガジンを模した物ですね。
外観は可もなく不可もなく、電動ガン用マガジンとしてはスタンダードな仕様です。
給弾口の形状で予想が付く通り、東京マルイの電動ガン用マガジンと互換性があります。
個体差もあるでしょうが、アカデミーのマガジンはちょっと弾の上りが悪いようなので、快調さを求めるならば社外品を使うのもアリでしょう。
AKS-74系の特徴であるスケルトンストックもリアルに再現してあります。
バットストック形状もぬかりなく、模型メーカーでもあるアカデミーの拘りを感じられる部分です。
セレクター側の全体形状です。
質感はともかく、形状は非常によく特徴をとらえており、良い雰囲気です。
形状は正確なので、モデルガン用塗料や各種スプレー塗料などでリペイントすれば、かなりリアル感を演出できそうです。
フラッシュハイダーはフレーム同様、樹脂製です。
韓国の法律に基づくものか、一目で玩具と分かるよう、オレンジ色の成形色になっています。
オレンジの成形色でオモチャっぽいですが、形状は良く再現されています。
実銃同様、ロックボタンが再現されており、ボタンを抑えながら回す事でフラッシュハイダーを取り外す事が可能です。
フラッシュハイダーを外すとネジが切ってあり、サイレンサー等のカスタムパーツの取り付けが可能のようですが、ハイダーに固定されたインナーバレルも一緒に引っ張り出されてしまうので、びっくりしました。
インナーバレルはアルミ製です。
フラッシュハイダー自体がバレルの固定の役割を持つよう設計されています。
ハンドガードは前述の通り成形色による木部再現ですが、特に木目調のプリント等はなく、ロシア製合板ストックの質感は再現されていません。
もっとも、価格帯や樹脂製フレームとの相性を考えれば、私的には特にマイナスの印象は受けません。
フレームはモナカ構造のため、セレクター側にネジ穴が集中しています。
この点だけは、リアル感を損ねる部分ですが、価格を考えれば“こういう物”と納得できます。
ボルトハンドルはダミー、というかフレームと一体成形なので、一切可動しません。
セレクターは実銃同様に可動します。
画像はセフティ状態です。
セレクターの切り替えは、機械的なクリック感が一切無い為、若干不安に感じます。
セレクターレバーは樹脂製な上に形状的に肉厚が薄いので、強度面でも一抹の頼りなさを感じるところです。
この製品では、セレクターの動作は、上から順に「セーフ」「セミオート」「フルオート」となっています。
実銃では、真ん中がフルオートで一番下がセミオートとなっており、動作が異なっています。
殆どのAKの電動ガンでは実銃通りの動作が再現されている為、AKシリーズを扱いなれた人ほど違和感を感じる点でしょう
給弾部分の形状は、スタンダード電動ガンのAKシリーズに共通の形状です。
この製品はパワーソースが単3アルカリ電池6本となっています。
メカボックスが上記電圧に最適化されている為、充電可能なエネループ乾電池の使用は原則不可とされています。
トップカバーは実銃と同じく可動します。
他社の電動ガンではスティック型バッテリーが収まる配置に、単3アルカリ電池が6本入ります。
AKS-74Uでは他のAKシリーズと異なりトップカバーにヒンジが設けてありフレームから外れないように作られていますが、その点もしっかり再現してあります。
トップカバー内側に、乾電池収納部を抑える透明カバーがねじ止めしてあります。
乾電池を収納した状態です。
充電式のバッテリーと比べると、だいぶ燃費は落ちますが、充放電の手間を取らず手軽に撃てるのは便利ですね。
AKS-74Uの特徴である、トップカバー上部に配置されたリアサイトも良く再現されています。
リアサイトは実銃同様、射距離に合わせて2段階の切り替えが出来ます。
照準視点だと画像のような感じに見えます。
感覚的にはフルサイズのAKシリーズとさほど印象は変わりません。
スケルトンストックも樹脂製ながら実銃のスチールプレス構造をよく再現しています。
ストック基部に、スリングスイベルが設けてあります。
ストックは折り畳み式で、実銃同様に可動します。
画像のボタンを押す事でストック基部の固定ノッチが開放されて、サイドスイング式に折りたためます。
ストックを折りたたんだ状態です。
バットストックはフレーム側面の可動フックで固定される作りです。
ストック折り畳み時の基部の様子です。
パーツは全て樹脂製なので、あまり無茶な扱いをするとあっさり折れてしまいそうなので注意が必要でしょう。
ストックを折りたたむと、かなりコンパクトになります。
持ち運びにも場所を取らないので、非常に扱いやすい印象です。
実銃の開発意図は士官の護身用火器だったそうですが、納得のコンパクトさです。
実際便利だったようで、戦車兵や装甲車搭乗員にも広く配備されたほか、空挺隊員にもAKS-74と共に用いられ、「ソビエト・アフガン戦争」ではハインド等のヘリコプター乗員もコクピットに持ち込む様子が記録映像で確認できます。
撃った感じや作動音など、東京マルイのBOYS系統とほぼ同じシステムのように感じられます。
飛距離・集弾性は10禁エアガンとしては妥当な物と言えます。
取り扱い説明書が正しければ固定HOP搭載なので、0.12g軽量弾で射程を稼ぐのが定石ですが、軽すぎて弾道がふわふわしがちなので、あえて0.2gBB弾を使い、飛距離を捨てて直進弾道と質量威力を頼りにするのも良い、と10禁限定ゲームの常連さんに教わりました。
性能的に通常のサバイバルゲームのレギュレーションでは使いようがないですが、自宅で撃って遊んだり、フィールドによって開催されている、未成年ユーザー向けの10禁パワー限定ゲームに参加する際には、十二分に実力を発揮できると思います。
また、他にない魅力として、外観は1/1スケールのリアルサイズトイガンなので、軍装に合わせる小道具としても、お手頃価格(実売価格6,000円台)なのが嬉しいですね。