中国人民解放軍 GK-80A ヘルメット・縁取帽章塗装型 (実物)

中国人民解放軍の「GK-80A」ヘルメットです。

中田商店で購入した物で、黄色く縁取りされた星章がペイントされています。

 

 

「GK-80」ヘルメットは、人民解放軍で初めて採用された完全国産のスチール・ヘルメットで、最初に投入されたのは1979年の「中越戦争(中国では“対越自衛反撃戦”と呼称)」で、その後の軍の近代化改革の中で全軍への配備が進められました。

 

 

1999年には後継で新素材のケブラー繊維製「QGF-02」ヘルメットが採用されますが、更新には時間が掛かり、現在でも一部で運用が続けられています。

 

 

1979年の中越戦争で投入された物は、当時映像を確認する限り、解放帽と同じ立体型のアルミ製星章が取り付けられた物もしくは帽章の無いグリーン単色ベタ塗りの物が大半で、顎紐は1本の板紐タイプのようです。

 

 

このヘルメットには、二股に分かれた顎紐が付属しています。

 

 

このタイプの顎紐に変更された時期は不明ですが、少なくとも1980年代後半には同型の物が日本国内に流通していました。

 

 

顎紐はコットン製です。

 

 

端末に金属製のD環があり、これをヘルメット側のフックに引っ掛けて取り付けます。

 

 

顎紐の長さ調節は、米軍M1ヘルメット・ライナーの革ベルトに良く似た金具を使って行います。

 

 

ヘルメットに顎紐を取り付けた状態です。

フックに引っ掛けてあるだけなので、ふとした拍子に簡単に外れてしまうのが不便です。

 

 

人民解放軍の映像資料を見ても、片方の顎紐が外れたまま活動している兵士が見られます。

あえてこのような構造を採用した理由があるはずなので、是非知りたい所です。

 

 

ヘルメットのフチには、刻印が見られます。(製造番号?)

 

 

ヘルメットには専用の収納袋が付属しており、使わないときは画像のように袋に詰めて保管できます。

 

 

ヘルメット収納袋はコットン製で、紐で絞って結んで閉じる、巾着袋式です。

 

 

ヘルメットを真上から見た所です。

帽体は前後に長く、欧米のヘルメットのような印象を受けます。

 

 

ヘルメットの内装です。

印象としては米軍のM1ヘルメットの影響が感じられる作りです。

 

 

汗止め鉢巻き部分は、ビニール質の人造皮革製です。

 

 

汗止め鉢巻きには、スポンジ質のクッション素材が貼り付けてあります。

 

 

クッション材は厚みもあり、被り心地は良好です。

 

 

鉢巻き後端にはサイズ調節用ストラップがあり、微調整が可能です。

 

 

天頂部はハンモック式で、被りの深さを調節できます。

 

 

星章の塗装パターンの違いの理由は不明ですが、着装の際には、私の勝手な推測で、赤単色を士兵用、縁取り付きを軍官用として使い分けています。

 

 

現在では完全に旧式装備となった「GK-80」ですが、装備更新の優先度の低い辺防部隊や民兵等の二線級部隊では、いまだに運用されているのが確認できます。

 

 

状態はそのままだったり、現用迷彩カバーを被せてあったり、チン・カップが追加されていたりと様々ですが、人民解放軍の規模を考えると、まだまだ運用が続けられそうな気配です。

 

 

【商品紹介】

同形状のヘルメットは民生品として現在も販売されていますが、内装や顎紐はナイロン製の全く異なるスタイルに変更されているので、外側から見える部分、顎紐は綿素材で自作するとよいでしょう。

「ポリカーボネート製 陸軍ヘルメット カモ柄」…グリーン2色迷彩の施された、ポリカーボネイト樹脂製の民生品です。内装、顎紐がナイロン製、プラ製バックルとなっており、近年の民兵部隊や二線級部隊向け装備の再現に適しています。

 

「中国人民解放軍 GK80 ヘルメット 鉄製」…シェルが軍緑色塗装スチール製の民生品です。内装、顎紐がナイロン製、プラ製バックルとなっており、近年の民兵部隊や二線級部隊向け装備の再現に適しています。

 

「中国人民解放軍 輸出用 GK80ヘルメット」…シェルは軍用の特徴がしっかり見て取れます。顎紐形状が異なるため、輸出向けと思われます。マット塗装の質感、外装形状等から、迷彩カバー無しで使用するなら一番に向いていると思います。

 

 

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