画像は1960年代後半から1990年代前半の陸上自衛隊の個人装備です。
各装備品は、演習時に良く見られる組み合わせを再現しています。
これらの装備品はいずれもOD(オリーブドラブ)のビニロン製布地で作られており、大変頑丈に出来ています。
各装備品は実物放出品や、駐屯地の売店で購入したPX品を購入して揃えました。
迷彩2型を取り入れた「戦闘装着セット」が採用されるまでの自衛隊の個人装備は、画像のようにベルトループに弾帯を通してUの字型の金具でズレを防止する構造をしていました。
画像の「64式小銃 銃剣」は、ウインドラス製の真鍮刀身の模造品です。
過去に購入した、すてんがん工廠製ガレージキットと比べると再現性はだいぶ劣る代物ですが、なんせ金属製なので強度の面からサバイバルゲーム用には重宝します。
なお、実際の使用例によく見られるブラックテープ(ビニールテープ)による脱落防止処理を再現してみました。
自衛隊では常用されている「銃剣止め」を装着しています。
ナイロン製の紐の両端に金具が付いており、一方を弾帯の鳩目に引っ掛け、もう一方を銃剣の着剣溝に挿し込んで紛失防止とします。
ウインドラス製の64式銃剣には実物にある着剣装置の凹型の溝がなく銃剣止めの金具がロックされないため、画像のように金具にテープを巻いてキツめにして押し込んでいます。
急ごしらえですが、取り敢えずこのやり方で外れる事はありません。
1980年代の陸上自衛隊・普通科隊員の基本装備例で、「64式7.62㎜小銃」を装備しています。
たすき掛けした「防護マスク4形ケース」が目立ちます。
実際には1980年代だとカバンのエッジが若干丸い「防護マスク3形ケース」が一般的ですが、所有していない為「防護マスク4形ケース」を使用しています。
X型の「吊りバンド(サスペンダー)」で装備品を吊る形式は、1940~1950年代の米軍装備を参考にした物と思われます。
演習に備え背嚢を背負った状態です。
胸の辺りに背嚢の補助ストラップが確認出来ます。
この構造のおかげで背嚢がしっかり固定され、肩が動かしやすくなっています。
背中に背負った「73式背嚢」が目立ちます。
73式背嚢は旧型の蛸足背嚢に比べ大型で、収納容量が多くなり、各部のデザインも携行品をより効率よく運搬できるよう工夫されています。
ビニロン素材で耐久性も高く、横長のデザインは腰の装備品への干渉を防ぐ等、良く出来た背嚢ですが、横に長い形状の為、走った際に揺さぶられる感じがするのが気になります。
普通科の訓練時に良く見られた、「携帯エンピ(ショベル)」を背中に背負った状態です。
携帯エンピは規定では弾帯に吊る事になっていましたが、実際には殆どの場合、自衛隊員の自作したストラップを使って背負います。
携帯エンピを背負う為にゴムチューブ等で自作したストラップは、通称「カンタロウ」と呼ぶそうです。(命名の由来は不明)
自作ストラップで背負うやり方は、腰に装備するのに比べると楽に携行できます。
64式小銃の銃剣は同時期の各国軍と比べてもブレードが長く、実用性はともかく見た目は大変格好良いです。
64式小銃の膝射姿勢です。
暑い時期には腕まくりしている事もありますが、基本的に擬装重視する自衛隊では珍しいですね。
背中の携帯エンピが案外据わりがいいのがわかります。
サバイバルゲームでも移動時、常に安定しているのでカンタロウは便利で良いですね。
こちらは64式小銃採用以前に自衛隊の主力であった「M1小銃」用の弾納です。
専用ポーチだけに、M1ガーランドのダミークリップがぴったり収まります。
米軍の物と比べると、ベルト一体型ではなく、ポーチの数も4連になっており、収容弾数が減っています。
弾帯への装着方法は後の64式小銃用弾納と同様の方式です。
OD作業服での装備状況です。
腰周りの雰囲気と手にした木製銃床で、64式時代と比べると、割と印象が変わるものです。
今回は弾帯と弾納のみの軽装備状態を再現しました。
画像では暗くて見えずらいですが、左腰にM1小銃用銃剣も吊っています。
M1小銃にはODコットン製スリングベルトを装備しています。
M1ガーランドにはM1907革製スリングベルトが付き物ですが、自衛隊に供与された物では見かけません。
8連クリップ装填の様子です。
M1小銃のみならず、コルトM1911やM3グリースガン等、自衛隊に供与された米軍装備は全て第二次世界大戦で使用された者を整備・調整した物です。
1960年代にはとっくに耐用年数を過ぎていたようで、64式小銃の更新速度が予想以上に速やかに生産・配備されたのも納得です。
と言うわけで、陸上自衛隊では1970年代に入るとM1小銃はすっかり見られなくなったようです。
「11.4㎜短機関銃M3A1」を装備した状態です。
M3A1は自衛隊創設初期に米軍から供与された装備のひとつで、初期型のM3短機関銃やトンプソンM1A1と共に、主に機甲科の乗員自衛用、普通科の偵察隊、迫撃砲手等に配備されていました。
64式小銃採用後は普通科での運用は早々に打ち切られましたが、他に適当なサイズ・火力の武装の無かった車両乗員の自衛用火器として長らく使われ続け、2000年代初期頃までは駐屯地祭等で見られる程度には運用が続いていました。
さすがに現在では完全に退役完了しているようです。
OD作業服にグリースガンという組み合わせは、往年の角川映画「戦国自衛隊」の、にしきのあきら演ずる自衛隊員を思い出します。
リアリティより映像の迫力を優先した内容で、B級映画臭がしながらも、今でもたまに見直したくなる作品です。
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