現用ベトナム軍 K17歩兵装備 [陸軍・士兵]

2010年代末の、ベトナム人民軍歩兵装備です。

「K17迷彩服」を着用し、「A2ヘルメット」を着用しています。

 

 

マガジンポーチは新型の「K15チェストリグ」を着用し、小銃は「AKM突撃銃」を携行しています。

 

 

「K17迷彩服」は、採用から10年が経過する「K07迷彩服」の後継として導入された新型迷彩服です。

 

 

迷彩柄は斑点パターンと独特な色味で、かなり異色な印象を受けます。

強いて挙げるなら、陸上自衛隊の2型迷彩の色味を調整したような感じでしょうか。

 

 

迷彩服と共に、共生地で縫製された迷彩帽も導入されました。

 

 

帽子のデザインは「K07」から引き続き、同じ裁断で作られています。

 

 

迷彩服の上から「ピストルベルト」を締め、「A2ヘルメット」を被った訓練装備です。

 

 

「K07迷彩服」使用後期から、「A2ヘルメット」の仕様が迷彩カバー着用から迷彩ペイント塗装に変更されたようで、「K17迷彩」仕様も直接ペイントされています。

 

 

ピストルベルトは2000年代から使用されているベトナム製実物で、黒染めされた金具と、ナイロン製の編みベルトで出来ています。

 

 

迷彩服の腰にはベルト通し用ボタン留めタブが設けてあります。

 

 

ズボン用ベルトはグリーンのナイロン製のGIベルトで、バックル中央にベトナム人民軍星章のレリーフが装飾されています。

 

 

このベルトは2010年代後半に普及したモデルで、それ以前は海老茶色のビニール製アルミバックルベルトが使われていました。

 

 

匍匐前進の様子です。

ベトナム人民軍の匍匐姿勢は、片膝を立てて地面を蹴り進む、独特なスタイルです。

 

 

訓練映像を見ていると、スリングベルトを上手く利用した銃の保持の様子が良く見られます。

 

 

立射の様子です。

使用火器は「AKM」で、中国製の「56式小銃」と並んで良く見られる装備です。

 

 

座射の様子です。

下半身の接地面が広く、安定した射撃姿勢で長時間、銃を構えるのに適しています。

 

 

K17迷彩は独特の色の組み合わせで、なかなか「ドぎつい」印象を受けますが、森林の中では高い迷彩効果を発揮します。

 

 

「A2ヘルメット」は迷彩服に合うようにK17迷彩塗装が施されたモデルです。

 

 

ヘルメット自体は従来の物と全く同じもので、金属製帽章も取り付けてありました。

 

 

「ムゥ・コーイ(サンヘルメット)」を被った歩兵装備例です。

新迷彩導入後も、ムゥ・コーイは広く使用されています。

 

 

実際被ってみると、ブッシュハットと変わらない軽量さと、立体成形された帽体の風通しの良さで、防暑被服としては大変優れていると感じます。

 

 

この使い勝手の良さが、いまだに現役で愛用される理由だと実感できます。

 

 

ムゥ・コーイは基本的にグリーン単色の物が用いられていますが、変わり種として海軍用にダークブルー・モデル、警察用にタンカラー・モデルがあります。

いっぽう、各種迷彩柄のムゥ・コーイはあってもよさそうな気がしますが、軍用正規品としては存在しません。

 

 

ドットパターンの迷彩柄で更に進化した歩兵装備ですが、ズック靴やチェストリグ主体の軽装備等、従来からの人民軍の志向は一貫しています。

 

 

2020年頃には広報資料において新型迷彩服「K19」や新型小銃「STV-410」、試作ボディアーマー等の存在も見られますが、一般部隊に出回るにはまだまだ時間がかかりそうです。

 

 

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