このアイテムは、発足間もない頃の自衛隊で使用されていた、M1小銃の弾納です。
昭和25年に日本国内の治安の維持を主目的としてGHQの主導により発足した警察予備隊は、まもなく保安隊と改称され、やがて昭和29年、現在に続く自衛隊が誕生するわけですが、その間の装備は殆ど全てが米軍からの支給品で賄われていました。
しかしながら、年を重ねるにつれて使用による消耗、そして部隊の拡充による必要性から、徐々に日本国内で生産された装備が普及するようになります。この弾納も、その頃に生産された物と推測されます。
画像のように、M1小銃のクリップ弾倉を4個収納できます。
当時の写真を見ると、隊員一名につきこの弾納を二つ装備していますので、合計64発の小銃弾を携行する計算になります。
収納面は割とタイトにできているようです。
余談ですが、米軍のカートリッジベルトは片側5個の収容なので、自衛隊より携行弾数が多かったようです。
米軍のものはベルト部分とポーチ部分が一体で縫い合わせてあるので、ベルトとポーチを分離したのは自衛隊独自の改良部分と言えます。
裏にはベルトループがあり、自衛隊の旧型弾帯に通して使用するように作られています。
写真ではループが一本剥離したように見えますが、この部分にはタグが縫い付けられていたようです。
写真の個体は残念ながら取れてしまっているため、製品の名称や製造年月日が確認できません。
こちらはタグが残っている個体です。
白無地綿製の記名タグが縫い付けられています。
陸上自衛隊のビニロン製旧型弾帯に弾納を通した状態です。
ほぼ、アメリカ軍のカートリッジベルトと同様の操作感覚で扱えます。
M1小銃を装備していた頃の自衛隊員の様子は、東宝の怪獣映画で満喫する事ができます。
当時の自衛隊の写真資料等を時代を追って観察すると、日々の使用による消耗が激しい被服や布製品が真っ先に国産化されていった様子が伺えます。(逆に鉄製のヘルメットなどは比較的国産品への移行が遅かったようです)
画像のような旧迷彩服には、時期的に64式小銃の方が一般的でしょうが、冷戦期の自衛隊は北方重視でしたので、装備の更新が遅れがちな九州辺りでは、ありそうな組み合わせだと思います。
【商品紹介】
「自衛隊 M1ガーランド 弾納 レプリカ」…初期陸上自衛隊のM1小銃用弾帯の複製品です