中国人民解放軍(略称:PLA)の「FMJ-05」ガスマスクです。
「FMJ-05」は製造メーカーの商品名だそうで、PLAでは「87式防毒面具」の名称も使われています。
「FMJ-05」は、後継の「FMJ-08」共々、軍納入品の他、中国本土では民間向けにも販売されている為、比較的入手は容易です。(但し、価格はそれなりにします…)
「FMJ-05」は現在、PLA全軍に普及しており、報道で見かける事も多いです。
ガスマスクは「大・中・小」の3種類あるようで、頭部サイズに合わせて完全に着装出来るよう配慮されています。
ガスマスク内側の構造です。
旧式装備と比べると明らかに作りが重厚で、製造コストも高そうです。
付属のキャニスターです。
使用時には、キャップを取り外して面体にネジ込みます。
キャニスターの取り付け口です。
使用前はキャップが取り付けてありました。
ガスマスク・ストラップは、事前にフィットするよう調節しておけば、ロック金具でワンタッチで装着出来ます。
ガスマスク・ストラップは後頭部のパッドも含めラバーの一体成型です。
パッド部分の裏面には滑り止めトレッドパターンがあり、頭部へのフィット感を高める工夫がされています。
眼鏡レンズは面体に合わせてわずかに湾曲しています。
吸排気口の形状です。
ガスマスクのキャニスターは取替え可能な直結型です。
収納時には、半透明の枠にはめ込んであります。
キャニスターは比較的大型で、わずかに重さもあります。
この重さはフィルターの性能による物かな、と推測しております。
ガスマスク収納ケースです。
購入時は、このケースに入った状態でした。
収納ケースはプラ製で、側面に名称のシールが貼られています。
シールは経年劣化で、現在はヨレて皺が入ってしまっています。
収納ケースの上部と底部です。
上部には引き出し式の取っ手が付いています。
上部の蓋を開けると、みっちりと中身が詰められています。
中身を取り出してみると、こんな感じです。
ガスマスク本体はビニール袋でパッケージングされており、箱の中には乾燥剤が入っていました。
付属の取扱説明書です。
中国語の記述は曖昧に判読出来る程度ですが、図説も豊富でわりあい理解できるので助かります。
ガスマスクのパッケージです。
収納ケースの中には、キャリングバッグも付属しています。
迷彩柄は「87式迷彩服」に似ていますが、製造時期によっては現用の「07式林地迷彩」の物もあるかもしれません。
キャリングバッグは大きく広げることが出来るため、ガスマスクの取り出し・収納は容易です。
内部は防水ビニールコーティングがされており、蓋は複数個所に設けられたベルクロで閉じることが出来ます。
ショルダーストラップは比較的薄手のナイロン製で、無塗装金属製の金具でサイズ調節出来ます。
キャリングバッグにガスマスクを収納した状態です。
蓋を開けるとこんな感じです。
大柄なガスマスクと付属品も、綺麗に収納出来ます。
蓋のベルクロの様子です。
縁部分にもベルクロが縫い付けられており、立体的に全体を閉じることが出来ます。
マネキンヘッドに装面した状態です。
旧式装備ではソビエト・ロシア軍装備の影響を強く受けたガスマスクでしたが、FMJタイプでは西側のガスマスクの模倣の様子が随所に見て取れます。
ガスマスクのストラップには等間隔の溝があり、引っ張るとバックルに引っかかるクリック感でしっかり固定出来ます。
大型のキャニスターは左頬にオフセットされており、右利きの兵士の射撃姿勢に配慮した設計となっています。
付属の防毒面具袋を着装した状態です。
装備は2000年代中期の人民解放軍陸軍士兵を再現してみました。
ガスマスクの装面状態です。
「FMJ」シリーズには更に新型の「FMJ-08」ガスマスクがあります。
「FMJ-08」はイギリス軍の「S-10」のデッドコピー品で、部品の互換性もあるという話もあります。
順調に配備が進められているようで、近年のPLA資料画像・動画で目にする事が多くなりました。