中国版TLBV ~ 中国人民解放軍 01式単兵携行具 (実物)

中国人民解放軍(略称:PLA)の「01式単兵携行具(タクティカルベスト)」です。

 

 

「01式単兵携行具」は、「95式自動歩槍(突撃銃)」用に開発された「95式単兵携行具」の改良版になります。

 

 

両者の外観上の違いは少なく、一見すると区別が付かない程ですが、細かな点が改良されており、より使いやすくなっています。

 

 

この装備は、一見して判るとおり、米軍の「TLBV(タクティカル・ロード・ベアリング・ベスト)」を参考に開発された物のようで、各ポーチの配置は酷似しています。

 

 

一方、形状や役割についてはPLAの使用火器や運用に合わせたアレンジもなされており、その和洋折衷なデザインが魅力です。

 

 

「01式」では「95式」には無かったウエストのサイズ調節コードを収納するためのポーチが追加されています。

 

 

画像のように、余ったコードをまとめてすっきり収めることが出来ます。

戦訓から、コードが草木に引っかからないよう改良されたのでしょう。

 

 

「01式単兵携行具」の手榴弾ポーチです。

 

 

手榴弾ポーチ内部の様子です。

 

 

手榴弾ポーチ底部の様子です。

「01式」には、手榴弾ポーチが四箇所あります。

容量や構造から、PLAで運用されている複数の手榴弾に対応した作りと思われます。

 

 

「01式単兵携行具」裏面の形状です。

 

 

「01式単兵携行具」裏右側面の形状です。

 

 

「01式単兵携行具」裏背面の形状です。

 

 

「01式単兵携行具」裏左側面の形状です。

「01式」の素材は柔らかめのナイロン製で、表面はほんのわずかに光沢を帯び、裏面には防水用と思われる、ビニール質のコーティングがなされております。

 

 

裏面には「01式歩兵携行袋・2003年製」とタグ・スタンプが押印されています。

 

 

「01式単兵携行具」ショルダー・ハーネス背面の形状です。

 

 

「01式単兵携行具」ショルダー・ハーネス正面の形状です。

肩に当たる部分にはクッション材が詰めてあり、装備着装時の負担軽減を配慮した作りです。

 

 

「01式単兵携行具」のベルトループを閉じた状態です。

 

 

「01式単兵携行具」のベルトループを開けた状態です。

「01式」には付属品として専用の装備ベルトが付いています。

ベルトは画像のベルトループにより容易に着脱可能です。

 

 

ベルトをはじめ、「01式単兵携行具」の取り外せるパーツを全て排除した状態です。

付属の装備ベルトは携行具の迷彩柄により色が違い、たとえば海軍の「海洋迷彩」に付属する物はベルト本体・バックル共に青色の素材で作られています。

 

 

「01式武装帯(弾帯)」です。

 

 

この装備ベルトはあくまで単兵携行具を構成する装備のひとつで、ベルト単体で使われている例は見かけません。

 

 

ベルトの素材は丈夫なナイロン製で、素材感は米軍と比べると厚みがなく柔らかいです。

 

 

形状は米軍の「LC-2ピストルベルト」を大いに参考にしているようです。

 

 

特にバックルは完全コピーで、使用感も同じです。

 

 

樹脂製のバックルも特に貧弱という事もなく、強度も安心できる質感です。

 

 

ベルトのサイズ調節は単純なバックル方式で、米軍のピストルベルトとは大きく異なります。

 

 

ベルト自体が薄手で柔らかい為、サイズ調節はし易い印象です。

 

 

ベルトには中央にハトメ穴がありますが、特に機能面の意味は無いようです。

 

 

「01式刺刀套袋(銃剣吊り)」です。

 

 

銃剣を装備ベルトに吊るす為の装具です。

 

 

装備ベルトには、背面のボタン開閉式ベルトループで装着します。

 

 

背面には、「01式刺刀套袋・2003年製」と記載されたタグが縫い付けてあります。

 

 

銃剣吊りに「95式刺刀(銃剣)」を装着した状態です。

 

 

銃剣は中国本土で市販されているプラスチックと軟質樹脂製のモデル品です。

 

 

銃剣は安価ながら、必要十分な再現度で実物銃剣吊りにも問題なく取り付け出来ました。

 

 

銃剣自体にはベルトに吊るような機能が付与されておらず、銃剣吊りは必須の装備品と言えます。

 

 

銃剣を固定する為のストラップの長さは若干タイトで、思いっきり引っ張ってボタンがパチンと留められる位のテンションです。

 

 

下部ストラップは銃剣鞘の底部ツール部分の上に位置します。

 

 

こちらもタイトに出来ており、けっこう力ずくでボタンを留める感じです。

 

 

「01式水壷袋(水筒ポーチ)」です。

 

 

形状は米軍の水筒カバーに似た、軍用水筒としては世界的に良く見られるデザインです。

 

 

形状は「87式水壷(水筒)」の収納を前提に作られているようです。

 

 

試しに同時期に運用されていた「78式飯盒水壷(水筒)」を合わせてみました。

 

 

実際に試してみると、容量に余裕がなく、画像の状態が限界でした。

やはり、87式水筒専用設計のようです。

 

 

水筒ポーチのカバーはベルクロ式です。

 

 

水筒ポーチ内側には、若干のクッション材が入っています。

 

 

水筒ポーチ内側に「01式水壷袋・2003年製」のタグ・スタンプが押印されています。

 

 

装備ベルトへの装着は、背面のボタン開閉式ベルトループを使います。

 

 

「01式防毒面具袋(ガスマスクケース)」です。

 

 

形状はシンプルな箱型で、キャニスター等の付属品を挿し込むようなポーチ類は一切ありません。

 

 

装備ベルトへの装着は、背面のボタン開閉式ベルトループを用います。

 

 

ケースの蓋は内蓋があり、密閉性を高めてあります。

 

 

蓋の裏面には、「01式防毒面具袋・2003年製」のタグ・スタンプが押印してあります。

 

 

このケースはガスマスク用としてはかなり小ぶりで、容量的に「65式防毒面具」が丁度収まる作りです。

 

 

画像のように、ピッタリ収まりますが、裏を返せば新型の「FMJ-05」や「FMJ-08」の収納には適さないという事です。

 

 

「01式単兵携行具」に、全ての装備品を収納した状態です。

 

 

手榴弾ポーチには「67式木柄手榴弾」を入れ、ガスマスクケースには「65式防毒面具」を収納しています。

 

 

水筒ポーチには「87式水壺」を入れ、装備ベルトに「95式刺刀」を吊るしています。

 

 

「01式単兵携行具」裏面の様子です。

 

 

裏面から見てみると、後付け可能な装備品は全て装備ベルトへ取り付ける作りだとわかります。

 

 

装着はボタン開閉式のベルトループで、同じベルト通し式でも旧式装備に比べると利便性が向上しています。

 

 

手榴弾を収納した状態です。

 

 

画像では、現在でも訓練等で見られる、「67式木柄手榴弾」を装備しています。

 

 

弾頭はポーチ部分に丁度良い具合に納まり、木柄の部分をベルクロ・ストラップで固定します。

 

 

こちらは「82-2式全塑无柄鋼珠手榴弾」を装備した状態です。

 

 

PLAでは、1980年代から新型の卵型手榴弾を開発しており、「91式単兵携行具」からは、付属の手榴弾ポーチは卵形と木柄型の両方の手榴弾の形状に対応した作りになっています。

 

 

卵型手榴弾を収納する際には、ドットボタン付きフラップを使い、蓋をします。

 

 

銃剣吊りは取り付けるスペースに難儀しましたが、構造と推測で画像の位置に装着しました。

 

 

「95式刺刀(銃剣)」を装着した状態です。

 

 

銃剣吊りは上下二箇所のストラップで固定されるため、ぶらぶらと動いたりせず、安定しています。

 

 

「01式」のマガジンポーチには、「95式」には無かったボタン式ストラップが追加されています。

 

 

クイックリリースバックル式のフラップの上に、覆うように細めのナイロンストラップが位置します。

脱落防止用と思われますが、実際の所どれほど効果があるのかは疑問です。

 

 

マガジンポーチの容量は、AK-47のマガジンが抵抗無く収納できる余裕があり、使い勝手は良好です。

 

 

現在は、2000年代後半に採用された「06式通用単兵携行具(中国版MOLLEシステム)」が主力となっていますが、装備更新の遅い二線級部隊ではいまだ現役で使われており、更に現用の各種迷彩柄の物も流通しており、「06式」と並行して運用が続けられているようです。

 

 

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