中国人民武装警察部隊、通称「人民武警」の「05式武警迷彩服」です。
この迷彩服は「01式武警作訓服」の後継として採用されました。
人民武警では、人民解放軍と同型の「87式」系統のデザインの迷彩服を使用していましたが、2000年代に入ってから、迷彩柄を廃止し、緑色単色の「01式武警作訓服」に変更しました。
その後、2005年に再び迷彩柄を取り入れた、この「05式武警迷彩服」を新たに採用した訳です。
肩には肩章式階級章を取り付ける為のエポーレットが設けてあります。
また、襟には「87式」以来の人民武警領章(襟章)が受け継がれています。
両胸にはジッパー式の内蔵ポケットがあります。
前合わせのジッパーを含め、「87式」のデザインを踏襲した物と言えます。
ジャケットの裾にはゴムが内蔵されています。
デザインは「87式」を思わせる、短ジャケットタイプです。
左上腕部には、ワッペンを取り付ける為のループが縫い付けられています。
肘は、楕円形の当て布で補強されています。
袖口は、ドットボタンで留めるタイプです。
右上腕部には、ベルクロ式の蓋付き小型ポケットが設けてあります。
背面は目立った特徴の無い、シンプルなデザインです。
迷彩柄は、人民解放軍に先駆けて流行のピクセルパターンを導入しており垢抜けた印象です。
もっとも、2年後には「07式作戦服」の採用で、人民解放軍もピクセルパターンに全軍更新されました。
前合わせはジッパー式で、ドットボタン留めのフラップが付いています。
裏地は表面の迷彩柄が透けて見える程度の薄手の化繊生地です。
従来の「87式」と異なり、リップストップ生地で出来ているのが特徴です。
ズボンの側面形状です。
カーゴポケット等無く、シンプルなストレートタイプで、「87式」とほぼ同様のデザインです。
ズボンの裾はボタンとタブで纏められるように出来ています。
裾のボタン留めの要領です。
ズボン正面の形状です。
ウエストにはベルトループが設けてあります。
両側面にスリットポケットが設けてあります。
ポケットの入り口はベルクロで閉じられるように作られています。
膝には、当て布による補強がされています。
ズボン背面の形状です。
股の部分には当て布による補強がなされています。
ズボンの裁断はストレートな形状です。
裏面に白色のタグ・スタンプが押印してあり、「2006年製」と読み取れます。
人民武警の「99式套式肩章」です。
階級は「六級士官」です。
形状は、87式迷彩服シリーズと同じ、筒状の階級章です。
人民武警の肩章は鮮やかな赤色地に黄色の刺繍で、人民解放軍との違いが一目瞭然です。
人民武警の旧式臂章です。
現用の臂章と比べ、いかにも昔の中国らしい、レトロなデザインセンスが魅力です。
裏面にはタグ・スタンプが押印してあり、「2006年製」と読み取れます。
この臂章は制服用だったようで、裏面がまっさらで縫いつけ専用の作りになっています。
私は迷彩服に取り付ける為、ストラップを自作加工しました。
迷彩服に各種徽章を全て取り付けた状態です。
迷彩服のデザインは「87式」から大きな変化は無い物の、迷彩柄により新鮮な印象を受けます。
ただ、せっかく採用された「05式」も、2年後には人民解放軍に追随する形で「07式武警迷彩服」が採用された為、短命な装備となりました。
人民解放軍に比べ、鮮やかな色使いが人民武警の独自性を感じさせます。
襟の装飾は初めから縫いつけられています。
この襟章は、87式迷彩服の頃から使われており、07式武警迷彩服にも受け継がれていました。
07式は近年、階級章を肩章式から襟章式へと変更した為、現在ではこの装飾も無くなりました。
赤と黄色という、中国らしい色で作られた肩章です。
この特徴のおかげで、ニュース報道等で迷彩服姿を見かけた際に、軍隊と警察のどちらが出動したのかすぐに見当が付いたものです。
臂章は迷彩服のワッペン用ループに取り付けています。
素の状態の迷彩服と比べ、フルパッチにするとカラフルで存在感が増します。