アメリカ陸軍がベトナム戦争で使用した最も一般的なマガジンポーチです。
画像の物は実物中古放出品です。
正式名称は「ユニバーサル・スモールアームズ・アムニッションケース」ですが、日本のミリタリー市場では実用面を反映した「M14/M16用マガジンポーチ」と呼ばれる事が多いです。
日本語に訳すと「汎用小火器弾薬嚢」となるように、1950年代末までにアメリカ陸軍に採用されたほぼ全ての自動火器の弾薬が携行できるサイズに設計されていました。
よって、「M14ライフル」の20連マガジンは当然として、他にも「M1ガーランド」の8連クリップ、「M1カービン」の15連マガジン、「BAR」の20連マガジン等が収納できます。
装備への連結にはスライドキーパーでピストルベルトに連結したあと、上部ストラップをサスペンダーのDリングに連結し、テンションを調節します。
1960年代の小銃用弾倉嚢としては、他にアメリカ海兵隊で制式採用された、M14ライフルのマガジンを1本収納できる「M1961アムニッションケース」、M16ライフル専用に追加採用された「スモールアームズ・アムニッションポーチ・M16A1」等があります。
蓋はクイックリリース式になっています。
実際に使ってみると開け閉めは楽で、よく出来た装備だと思います。
構造的にはイギリス軍の装備品の作りを参考にした物と思われます。
ユニバーサル・アムニッションポーチには初期型と後期型があり、私が所有しているのは後期型です。
違いとしては、初期型はポーチ前面・側面に補強用のインサート・プレートが入れてあり、蓋留めフックにボタンがある点。
後期型ではインサートを背面のみに配置し、蓋留めフックのボタンを廃止してあります。
インサートは生産コスト削減の為、フックのボタンは運用上、蛇足に過ぎた物と思われます。
ポーチ側面には手榴弾を装着出来ます。
ベトナム戦争当時には「M26A1ハンドグレネード」が主力でした。
画像ではサンプロジェクト製のサバイバルゲーム向けプラ製モデル品を装着しています。
両端にハンドグレネードを装着した状態です。
マガジンポーチは通常2個装備されるため、兵士一人当たり4個の手榴弾を常に携行出来るわけで、良く出来た装備だと思います。
蓋を開けると収納部の深さが分ります。
汎用型として設計されているため、前述の通り様々な弾薬を携行できますが、基本的にはM14ライフルのマガジンを2個収納出来ます。
M16A1ライフルのマガジンの場合は縦に4本収納可能ですが、電動ガン用マガジンの場合は実銃より若干厚みがあるので、3個収納が限界のようです。