日本軍の戦記物書籍や体験談でしばしばみられる携帯糧食に、「牛肉大和煮缶詰」があります。
という事で、皇軍将兵に大人気(?)牛缶レビューです。
さてこの大和煮、スーパーやコンビニでいつでも買えると思っていたのですが、いざ探してみると意外に見つかりません。
散々探し回って、ようやく見つけたのがニッスイの「牛大和煮」缶。
ノザキ製の大きい缶詰がイメージだったのですが、他に代わる物が無いので仕方ありません。
外見はすっかり現代風になっていますが、味は同じだろうと仮定し、戦場食でしばしば見られた混ぜ飯を再現してみました。
調理法というほどの物も無く、ただ米飯に牛缶を混ぜ込んだだけの代物です。
味は、レトルト食品の牛丼とほぼ同じ物になりました。
違うのはたまねぎが入っていない事くらいでしょうか。
ついでに勢いで作ってみた「福神漬飯」です。
こちらは昭和五年に発行された帝国陸軍のレシピ集「軍隊調理法」で調理法が紹介されています。
この本には「五目飯」や「肉飯」といった、多少手間の掛かる調理法が書かれている一方で、簡単に作る事の出来る混ぜ飯も紹介されており、それらは野戦調理用として重宝されていたようです。
この「福神漬飯」は、その名の通り米飯に福神漬けを混ぜ込んだ物です。
平時の炊事では、麦飯に福神漬けを添えて提供されるのですが、戦地では「どうせ腹に入れば同じ事。ならば最初から混ぜ込んでやれ」という意図があったのかもしれませんね。
「悠長に飯など食っとる場合かーっ!!突撃ーッ!!」って感じでしょうかw
で、肝心の味なですが、これが意外とイケルみたいです。
福神漬けの甘辛さが白米に合っているのでしょう。
とはいえ、そこは白米と福神漬けの組み合わせだけに、食べているうちに、ライスカレーの誘惑が…。
お手軽に再現できるミリメシということで、試してみるのも一興でしょうか。
特に旧軍好きには必須の経験といえましょう。
今回の再現画像のように、飯盒に盛るなど、演出にも工夫すると尚一層「らしさ」を感じられる事でしょう。
【商品紹介】
「帝国陸軍戦場の衣食住―糧食を軸に解き明かす“知られざる陸軍”の全貌 (歴史群像 太平洋戦史シリーズ Vol. 39)」…日本軍兵士の食事や服装、生活等全般に渡って解説してある書籍です。大変勉強になります。