陸上自衛隊 迷彩服2型 (PXサイトー製・複製品)

陸上自衛隊の「迷彩服2型」です。

 

 

迷彩服2型は、従来の迷彩作業服、現在では「熊笹迷彩」「旧迷彩」と呼ばれる被服の後継として、1992年頃より支給の始まった陸上自衛隊の戦闘服です。

 

 

2007年頃から、服の裁断をマイナーチェンジした「迷彩服3型」に調達が切り替わり、現在2型スタイルのレプリカを探すと案外見つからなかったりします。

 

 

陸上自衛隊の迷彩服は、支給されている官品は流通していませんが、PX品と呼ばれる駐屯地売店で自衛官向けに販売されている私物や、民生品のレプリカ品は製造メーカーや仕様がいくつもあります。

 

 

今回購入した物は、自衛隊商品専門ショップ「PXサイトー」で購入した物です。

実物官品と比べても再現度が高いとの評判を信じて取り寄せましたが、確かに作りは良いと感じます。

 

 

細部を見ていきたいと思います。

襟は一般的な開襟スタイルで、第1ボタンがあるので折り襟にできます。

 

 

訓練や演習では、立ち襟状態にして迷彩効果を高める着こなしが見られます。

 

 

肩にはエポーレットが設けられています。

65式作業服以来の伝統でしょうか、特に徽章類が付くという事はないのですが、草木を差し込む偽装ループとして利用しているところはよく見られます。

 

 

左上腕部にはペン差しが縫い付けられています。

民間の作業服に倣ったデザインで、実用性を考慮している様子がうかがえます。

 

 

袖口はカフスボタンで留める仕様です。

 

 

ジャケットは2ポケットタイプで、大型のカーゴポケットが設けてあります。

蓋はベルクロ式で、旧型装備に比べ利便性が向上しています。

 

 

背面の様子です。

迷彩効果が高いため、資料としてみる際に縫製の位置やデザインがわかりにくいのが辛いところです。

 

 

肩甲骨の辺りに偽装ループが縫い付けてあります。

エポーレットやヘルメットの偽装バンドを含めて、従来の身体偽装網を使用せずに効果的な草木の縛着が行えるのは立派な改良点だと思います。

 

 

腰には、ウエストを絞り体にフィットさせるためのボタン留めタブが設けてあります。

この辺のデザインは米軍のウッドランド迷彩BDUの初期型を彷彿とさせる作りです。

 

 

こちらはジャケットと対になる、迷彩ズボンです。

セット販売でしたので、上着と同じ仕様・サイズの物になります。

 

 

ズボンのデザインは各国戦闘服とさほど違いのない、側面に貼り付けポケットのあるカーゴパンツスタイルです。

 

 

ウエストにはベルトループがあり、迷彩服と同時採用の樹脂製バックルを使用した2型迷彩生地で作られた専用のベルトを使用します。

 

 

前合わせ部分はボタン留めです。

ジッパー式に比べると開け閉めが面倒ですが、破損時に修理がし易い為か、軍用品ではよく見られる仕様です。

 

 

ズボン背面の様子です。

ズボンの裾は単純に筒状に処理されており、他国軍のように締め紐が内蔵されていたり、ボタン留めで裾を絞る機能は一切ありません。

他の部分に日本独自のデザインの工夫が見られる分、かなりあっさりした印象を受けます。

 

 

尻ポケットが片側に1個縫い付けてあります。

マチのない単純な貼り付けポケットで、蓋もなくボタン留めのみです。

 

 

ズボンを側面から見た状態です。

貼り付け式のカーゴポケットは旧型被服にもありましたが、位置が米軍の物に近くなり、腰に物入れが付いたので、普通のズボンとしての使い勝手が向上しているのが良いですね。

 

 

腰の物入れはズボンとして基本的な構造ですが、旧型の65式作業服ではこれが無く、ベルトの下にいきなりカーゴポケットが付いていました。

 

 

サイズ表記タグがズボン表面に縫い付けてあるのが目を引きます。

これが民生品ならではの物か官品でも同様なのかは知識不足で分かりませんが、結構目に付く、気になる部分です。

 

 

ズボンの太もも側面に、カーゴポケットが設けてあります。

 

 

ジャケットと違い、ズボン側ポケットの蓋はボタン留めです。

 

 

一応、多少のマチは付いている物の、ポケットの口はあまり大きく広げることは出来ないようです。

 

 

迷彩服2型の着装状態です。

上着をズボンの中にたくし込まない仕様になり、使い勝手が向上しています。

 

 

背中の偽装用ループ等、OD作業服時代からの使用経験が生かされた改良がおこなわれています。

 

 

戦闘訓練時には、1990年代初頭に導入の始まった「戦闘装着セット」を着装します。

迷彩柄の効果も相まって、実用性の高い装備品です。

 

 

画像の通り、米軍のALICE装備をおおいに参考にした作りをしており、互換性もあります。

いくつかの改修をされつつ、現在でも運用されている現用装備です。

 

 

戦闘装着セットを着装した、1990年代の陸上自衛隊普通科装備です。

 

 

迷彩服2型に合わせて、初期装備のイメージで「64式7.62㎜小銃」を携行しています。

 

 

携行している64式小銃はS&T製の電動ガンです。

現在では殆ど見られませんが、1990年代だと普通科でも64式小銃が多用されていました。

 

 

私の印象だと、89式小銃が全国規模で普及したのは2000年以降で、64式小銃は2007年あたりでようやく普通科から完全に姿を消した気がします。

 

 

小銃に合わせて、マガジンを収納する「弾のう」も、64式用の大型の物を使用しています。

 

 

腰に吊っている銃剣も64式小銃用の全長の長い物です。

 

 

警戒態勢の隊員です。

たすき掛けにしているのは「防護マスク4型ケース」で、素材はODビニロン製です。

ガスマスクケースが迷彩柄になるのは「00式個人防護装備」の採用からです。

 

 

64式小銃による伏撃ち姿勢です。

私の所有するS&T製64式小銃は初期ロットの為、木製ストックがまっすぐな仕様で、頬付けが困難な代物です。

現在再販されているモデルは実銃を模した凹みのあるものだそうで、若干悔しい気持ちになります…。

 

 

64式小銃の二脚を展開した射撃姿勢です。

非常に安定した射撃ができ、命中精度も高いですが、機動性重視のサバイバルゲームではまず使う場面はないですね。

 

 

一番使用頻度の高い、膝撃ちの姿勢です。

遮蔽物を利用するなど工夫しないと、人型のシルエットで被発見率が高いのですが、2型迷彩で更に自然の草木を使って偽装しておくと、かなり効果的に風景に溶け込めます。

 

 

2型迷彩と64式小銃の組み合わせは、厳しい台所事情を感じさせる自衛隊ならではのハイ・ロー・ミックスですが、これが意外と良く似合います。

 

 

実際、過渡期装備というにはかなり長い間運用された組み合わせなので、報道を通して馴染みのある陸自の姿であり、好きな装備の一つでもあります。

 

 

現在、陸上自衛隊の使用例で確認できるものは、ほぼ迷彩服3型なので、迷彩服2型は“ひと昔前の自衛隊”装備を再現するのにちょうど良い被服と言えそうです。

 

 




最新情報をチェックしよう!