装飾用刀剣類のメーカー「ウインドラス」から発売されている「64式小銃 銃剣」の真鍮製モデル品です。
かつて販売されていた「すてんがん工廠」のガレージキットと比べると、全体的にダルい作りで成型も甘く、はっきり言って出来は悪いです。
ただ、金属製で丈夫な点が、唯一にして決定的な価値と言えます。
折れない、重さで上下がひっくり返らない、というのは着装派ゲーマーにとってはありがたいです。
ウインドラス製品はいくつか購入経験がありますが、いつもお馴染みのボール紙製外箱です。
違うのは中身を示すシールのみ。
細部を見てみると、仕上げの荒さが目立ちます。
金属製ですが、鋼の質感は一切感じられず、黒ペンキをベタ塗りしたような見た目です。
銃剣鞘の先端には、実物は紐を通すための穴が開いているのですが、この製品では再現されていません。
銃剣吊り部分も形状は再現されているものの、素材の質感や色味は自衛隊装備とは思えない代物で、残念な点の一つです。
銃剣を鞘から抜き出してみました。
銃剣はグリップをはじめ本来は別パーツ・別素材のはずの部分が一体成型で、リアリティを損ねる残念仕様です。
着剣用の溝やロック機構は可動します。
溝が少々長すぎるようですが、着剣は可能です。
模造刀身もグリップとの塗装の違いはなく、厚ぼったい黒塗りで高級感もなく、価格の割にはがっかりする部分です。
グリップ部分は別パーツっぽい溝でも彫ってあればまだマシだったのですが、完全に一体成型丸わかりな形状です。
改めて銃剣の全景です。
残念な点を並べていくときりがない製品ですが、やはり真鍮製で強度が確保できる点、重量バランスのおかげで携行中に抜け落ちたりしない点は実用上、見逃せない長所です。
銃剣鞘の全景です。
鞘だけはどうやっても、すてんがん工廠製品のほうがリアルです。
とはいえ、鞘本体は樹脂製で一定の再現への努力も感じられ、とりあえず妥協できなくもないレベルの再現度なので納得はしています。
参考までにM1ガーランド用M1905E1銃剣との比較です。
若干ですが64式銃剣の方が長いのがわかります。
M1905E1銃剣は装飾用のモデルガンや模造刀剣で有名なメーカー・デニックス製の亜鉛合金製モデル品です。
購入後グリップに手を加えたり、パーカーシールで再塗装してあります。
並べてみると、思ったほど64式銃剣も長いわけではないようです。
新旧自衛隊銃剣みつどもえ。
日本軍の三十年式銃剣の極端な長さがよくわかります。
といっても、米軍のM1905銃剣もE1モデルで刀身短縮される前は同じ位の長さだったんですけどね。
OD作業服を着用し、着剣した64式小銃を構えると、気分はもう「戦国自衛隊」ですね。
長い小銃に長い銃剣の組み合わせは実用性はともかく見た目に勇ましく格好良いです。
現用装備では銃剣の出番はまずなさそうですが(英軍は別として…)、軍隊の装備品としては欠かせないアクセサリーだと思います。